2025年05月07日

第128回 VIDEO ACT! 上映会 〜『拝啓 住民投票さま』完成記念上映会〜

========================================================
■ 2025年5月7日(水) 第128回 VIDEO ACT! 上映会 〜『拝啓 住民投票さま』完成記念上映会〜
上映作品
『拝啓 住民投票さま 〜石垣島のまんなかで起きたこと』(2025年/45分/監督:湯本雅典)
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
===========================================================


■2025年5月7日(水)19時より
2018年10月、人口5万人の沖縄県石垣島。
平得大俣(ひらえおおまた)地域への陸上自衛隊配備の可否を問う
住民投票を求める署名運動が始まった。
しかし、市は住民投票を実行に移さなかった。
裁判所も、市の行為が正しいという判決を立て続けにくだした。
2024年11月27日、「石垣市住民投票を求める会」の解散集会で一応のピリオドを打つ。

■上映作品
『拝啓 住民投票さま 〜石垣島のまんなかで起きたこと』(2025年/45分/監督:湯本雅典)

表4-4.jpg

【作品概要】
2018年10月、人口5万人の沖縄県石垣島で、
平得大俣(ひらえおおまた)地域への陸上自衛隊配備の可否を問う
住民投票条例の制定を求める署名運動が始まった。
それは、1か月間で島民の有権者の3分の1を上回る数に達した。
そのことは、島独自の「自治基本条例」にある有権者の4分の1以上の署名を集めれば、
市長は「所定の手続きをふまえて住民投票を行わなければならない」数をゆうに超えていた。
しかし、市は住民投票を実行に移さなかった。
裁判所も、市の行為が正しいという判決を立て続けにくだした。
6年に及ぶたたかいは、2024年11月27日、「石垣市住民投票を求める会」の
解散集会で一応のピリオドを打った。
同会代表の金城龍太郎さんは、「拝啓 住民投票さま」を読み上げた。
それは、私たちの新しいたたかいへの決意でもあった。

2024031211 (6).00_24_22_09.静止画012.jpg

【「石垣市住民投票を求める会」活動報告 〜署名開始から〜】
●2018年
10月13日 「石垣市住民投票を求める会」設立総会
10月31日 署名スタート
12月4日  市選管に署名簿を提出。1万4263筆(有権者の3分の1を超える)が有効署名と認められた。
●2019年
1月21日  石垣市議会総務財政委員会で2度目の審理。同日の臨時市議会本会議で否決。
否決理由は、「審議不十分」。賛成10・反対10での議長採決。
4月22日  玉城デ二―沖縄県知事と面談
6月9日   住民投票への全面広告(八重山毎日新聞)
7月29日  石垣市長と面談(市長:「議会に諮った結果、否決されたことから、有効性は消滅した」)
9月19日  那覇地裁に「義務付け訴訟の提起及び仮の義務付けの申し立て」
●2020年
8月27日  「義務付け訴訟の提起及び仮の義務付けの申し立て」那覇地裁判決。原告訴え却下
9月8日   控訴状提出
●2021年
3月23日  控訴審判決 控訴棄却
4月26日  当事者訴訟(地位確認訴訟)を那覇地裁に提起
6月28日  石垣市議会、石垣市自治基本条例の住民投票条項の削除などの「改正案」を可決。
      賛成10・反対8
8月25日  義務付け訴訟、最高裁判所、上告棄却
●2023年
5月23日  当事者訴訟 那覇地裁判決、原告訴え却下
5月25日  当事者訴訟 控訴状提出
●2024年
3月12日  当事者訴訟控訴審判決 控訴棄却
7月31日  記者会見 最高裁要請行動&電子署名スタート
9月6日   初めての上京要請(最高裁)
9月26日  最高裁 当事者訴訟上告棄却
11月27日 「石垣島住民投票を求める会」解散集会

裏7.jpg

■スタッフ
企画/撮影/編集:湯本雅典
ナレーター:名川伸子
音楽:ハルサーズ 本澤陽一

■予告篇
拝啓 住民投票さま 石垣島のまんなかで起きたこと 予告編


■日時
2025年5月7日(水) 18時30分/開場 19時/開始
上映後、制作者の湯本雅典さんを迎えた、トーク&ディスカッション有。

裏10.jpg

■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分

■参加費
500円(介助者は無料/予約不要)

■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
Eメール:jyouei@videoact.jp
posted by VIDEO ACT! スタッフ at 23:30| VIDEO ACT! 主催 上映会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年03月20日

【報告文】第127回 VIDEO ACT! 上映会 〜かけがえのない時間〜

上映作品:『小さな学校』(監督:村上浩康)

 去る3月18日に第127回 VIDEO ACT! 上映会 を行いました。参加者は約20名でした。
 上映した『小さな学校』は、2003年3月に廃校になった神奈川県津久井郡藤野町立篠原小学校の最後の1年間を記録した作品です。
 冒頭、一人の女子児童が入学してくるところから始まります。全校児童6名、先生9名の、文字通り小さな学校です。投稿の様子、1・2年生の授業の様子、3・4年生の授業の様子、、、と、本作の内容をメモしながら見ていたのですが、ふと、こうした内容を書いても本作の魅力は伝わらないなぁ、と気付きました。その魅力というのは、「距離の近さ」だと思います。まず、児童が少ないことによって、先生と児童の距離が近い。そして、撮影している人と彼らの距離が近いのです。距離、というのは物理的な意味だけではなく、精神的な意味もあることは言うまでもありません。ですので、本作には児童と先生の生き生きとした表情が詰まっています。私は、子供たちの笑顔を見ながら、同時に先生たちにも笑顔が多いなぁと思いました。こうした小学校の様子をどう思うのかは、見る人それぞれで、本作は特別に理想化しているわけでもありません。E3818AE5BC81E5BD93.jpg
 ある日の保護者会で、正式に篠原小学校が閉校することが告げられます。ピアノ演奏の校歌に合わせて、この小学校の長い歴史が紹介されます。本作で唯一、音楽がついたこの場面が、妙に感慨深かったです。
 二学期になると、運動会の練習、特に一輪車の練習があり、学芸会の練習もあります。しかし、本作がユニークなのは運動会の本番も学芸会の本番も見せないのです。上映後のトークで、本作を編集した村上浩康さんは、「日常を綴ろうと思った」と言っていて、とても納得しました。小さな学校.jpg
 こうして3月には篠原小学校最後の修了式を迎えるわけですが、これまでに数多く繰り返されただろう修了式と特段変わることなく、一つの学校の歴史が閉じられました。E5ADA6E6A0A1.jpg
 上映後のトークには、本作の製作・撮影の能勢広さんも登壇。とてもシンプルな作品の、なかなかに複雑な製作背景も聞くことができました。というのは、本作が撮影されたのは2002年。けど、製作年は2012年。諸般の事情があって、撮影後10年間、素材は編集されなかったのだそうです。また、撮影中に能勢さんは文化庁の研修でドイツに留学することになり、後半は篠原小学校の父母が撮影していたそうです。こうした事情は、親密な映像になり、作品で生きていると思います。能勢さんは、別の作品で一緒に仕事をしていた村上さんに編集を依頼。映像を見た村上さんは「奇跡の映像だ」と思ったそうです。
2025.3.18.jpg
 『小さな学校』という作品は、特別なことはない、小さな作品かもしれません。でも、見るととても面白い、珠玉の作品だと思います。
(本田孝義)
posted by VIDEO ACT! スタッフ at 13:59| その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年03月18日

第127回 VIDEO ACT! 上映会 〜かけがえのない時間〜 上映作品『小さな学校』(2012年/60分/監督:村上浩康)

========================================================
■ 2025年3月18日(火) 第127回 VIDEO ACT! 上映会 〜かけがえのない時間〜
上映作品
『小さな学校』(2012年/60分/監督:村上浩康)
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
===========================================================

一輪車.jpg

■2025年3月18日(火)19時より
神奈川県津久井郡藤野町立篠原小学校。明治以来130年の歴史を持ちながらも、2003年3月、地域の人々に惜しまれつつ廃校となった。本作は、篠原小学校が最後の新入生を迎えた春から閉校となった翌年の初春までの1年間を綴った作品だ。6人の生徒と9人の先生が、山あいの「小さな学校」で過ごした平穏ながらも、ゆっくりと流れる濃密な時間をカメラが寄り添うように見つめる。

■上映作品
『小さな学校』(2012年/60分/監督:村上浩康)

【作品概要】
神奈川県津久井郡藤野町立篠原小学校は、明治以来130年の歴史を持ちながらも、2003年3月、地域の人々に惜しまれつつ廃校となりました。この作品は、篠原小学校が最後の新入生を迎えた春から閉校となった翌年の初春までの1年間を記録したものです。
6人の生徒と9人の先生が、山あいの「小さな学校」で過ごした平穏ながらもゆっくりと流れる濃密な時間をカメラが寄り添うように見つめました。決して避けることのできない終焉に向けて、残された日々を大切に過ごそうとする大人と子供たちの「幸福な記憶」が綴られています。ドラマティックな事は何ひとつ起こりませんが、豊かな自然と先生や地域の人々の暖かいまなざしの中、伸び伸びと成長していく子供たちの姿が爽やかに綴られています。
撮影にあたっては、製作スタッフはもちろん、生徒の親御さんや地元の方々がボランティアとして全面協力。ほぼ毎日のように誰かが学校に通い撮影を続けました。
近しい存在が取材対象と多くの時間を共有し、寄り添うことでしか残せなかった、いきいきとした「学校の日々」が記録されています。

お弁当.jpg

【作品の舞台・篠原小学校】
明治8年(1873年)、明治政府の教育基本法施行と共に設立された、津久井郡で最も古い小学校。教育機関としての役割ばかりでなく、永年地域の人々の交流の場として、篠原地区のシンボル的存在であった。平成15年(2003年)3月、少子化に伴う小学校の統廃合によって、130年の歴史に幕を閉じる。
現在、校舎は改築・保存され、NPO法人「篠原の里」(宿泊・研修・ふれあい施設)として生まれ変わり、新たな地域交流の場として活用されている。

学校.jpg

■スタッフ
製作・撮影 能勢広
監督・編集 村上浩康

■日時
2025年3月18日(火) 18時30分/開場 19時/開始
上映後、監督の村上浩康さんを迎えた、トーク&ディスカッション有。

■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分

■参加費
500円(介助者は無料/予約不要)

■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
Eメール:jyouei@videoact.jp

校庭.jpg
posted by VIDEO ACT! スタッフ at 22:59| VIDEO ACT! 主催 上映会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月25日

【報告文】第126回ビデオアクト上映会〜巨大IT企業が支配する世界で〜

上映作品
『Amazon配達員 送料無料の裏で』 監督:土屋トカチ


たまにアマゾンで買い物をする。レジに進むと「プライムに登録すれば、月600円でお急ぎ便無料!」とかなんとか薦められる。無料で今日届く!?なんて便利なんだ!誘惑に負け、何度か登録したことがある。しかし、ちょっと待てよ…普通、便利で優れたサービスは他より高いはずだ。60年近く生きてきて学んだことは「良いものは高い」という致し方のない原則だ。けど、最近はどうやら違うらしい。――送料無料の裏で何が起こっているのか?そのことを徹底的な取材で教えてくれる土屋トカチ監督の『Amazon配達員 送料無料の裏で』の上映会が去る1月16日に行われた。

アマゾン配達員は、毎朝アマゾンのアプリで配達先や時間、ルートを指示される。AI導入で3倍に増えたという荷量は一日200個以上、稼働時間は約12時間。荷物は当然軽い物ばかりではない。2リットルのペットボトル9本(18kg)、17kgの鉄アレイ、30kgのマットレス…それらを車が侵入ができない細い道や階段を一人で歩いて運ぶ。トイレも昼食もままならない。――無理ゲーだ。アマゾン配達員はアマゾンAIがつくったゲームに参加させられるロボットのように、まるで人間扱いされていない。で、日当を運んだ荷物の数で割ってみると、1個あたり約70円。たった2gのハガキを一枚運んでもらうのだって85円かかるんだぞ!

さらに問題、というか信じられないのが、配達員はアマゾンアプリの指揮命令下にあって実態として雇用労働者と変わらないのに、個人事業主のフリーランスとされていること。個人事業主だから労働者としての法的保護がない。ガソリン代も車両保険費もケガした時の治療費も生活保障もない。さらには、配送センターのトイレも使わせてもらえないという例まである。アマゾン、ふざけるな!

というわけで2022年、横須賀と長崎で労働組合、アマゾン配達員組合が結成された。配達員はアマゾンに直接雇用されていない個人事業主にもかかわらずアマゾンアプリの指揮命令下にあるわけだから、アマゾンと下請け会社に対して適正な荷量や労働環境を求めるという至極真っ当な要求を行っている。しかし、AIのように非人間的なアマゾンジャパンは団体交渉に応じない。それどころか、有給休暇を取ったら契約を解除するとか、ストライキを決行した組合員とは新契約を結ばないとか、組合つぶしに躍起になっている。

以上のようなグローバル企業アマゾンのやり口は世界各地で行われている。同時に、それに対抗する運動も世界中に広がっている。国境を越え、「Make Amazon Pay/アマゾンに支払わせろ」キャンペーンが展開されているのだ。2024年5月、日本では配達員たちがアマゾンの下請け会社を相手に約1億円の残業代を求める裁判を開始した。闘いは、まだまだこれからだ。

上映後のトークでは、約30名の参加者たちと土屋トカチ監督との間で様々な質問、感想、意見が飛び交った。その中で印象的だったのは、「便利さ」についての各々の思いだった。「不便だっていいじゃないか。アマゾンに注文しないで、店で直接手に取って買い物をしよう」、「一日ヘトヘトになって働いた後、店に行く気力なんてない」、「アマゾン配達員だって、自分の買い物ではアマゾンを利用せざるを得ない」…アマゾンや他の巨大IT企業がつくったゲーム、システムは世界を覆おうとしている。仮にアマゾン配達員を辞めたとしても、新たな無理ゲーに参加させられるだけかもしれない。

トークの中でトカチさんが「Amazon Flex」というシステムについて触れていた。アマゾンは、いずれ配達をこのシステムで統一したいのではないかと。サイトを見てみたら「『働く』をあなたらしく、『届ける』をあたらしく」と白々しく喧伝していた。私はふと、あの韓国の人気ドラマ『イカゲーム』を思い出してしまった。このサイトはイカゲームの入口なのではないかと。しかし、イカゲームなら最後に一人残って勝つ可能性はあるが、巨大IT企業を相手に一人勝ちは不可能だ。勝つ方法は、みんなで勝つこと。あるいは、みんなでゲームを止めること。AIには、人と人との絆、連帯の強さは真似できない。
(土屋 豊)

※本作品のDVDはこちらで販売しはています。
https://parc-jp.org/product/amazon/
posted by VIDEO ACT! スタッフ at 21:03| VIDEO ACT! 主催 上映会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月16日

第126回 VIDEO ACT! 上映会 〜巨大IT企業が支配する世界で〜

========================================================
■ 2025年1月16日(木) 第126回 VIDEO ACT! 上映会 〜巨大IT企業が支配する世界で〜
上映作品
『Amazon配達員 送料無料の裏で』(2024年/45分/監督:土屋トカチ)
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
===========================================================


Still0809_00002.jpg

■2025年1月16日(木)19時より
「ポチッ」と注文すれば、玄関先にまで届けてくれる。
書籍やCD、DVDはもちろん、家電製品、おもちゃ、食料品、衣料品、医薬品など
あらゆるものが、翌日中には手に入る。しかも、送料無料!
インターネットによる通販で、便利な世の中になりました。
しかし、その末端で働く人々が置かれた状況を、あなたはどれだけ知っていますか?

■上映作品
『Amazon配達員 送料無料の裏で』(2024年/45分/監督:土屋トカチ)

【作品概要】
AmazonやUberEatsなど、インターネット上のプラットフォームを介して
モノやサービスを購入することは、私たちの生活の中で当たり前になりました。
利用者の多くはそこで働く人の実態をほとんど見ることなく商品や食事を受けとっています。
しかし、そこには悲痛な声を上げる労働者がいます。
「一日に200個以上の配達を求められ、スピードを出して無理して回っている」
「休憩を取る余裕もなく、トイレに行くのもままならない」
「個人事業主という契約であるため、残業代や各種手当はない」
「事故にあっても労災保険、休業補償などが受けられない」
本作品ではAmazon配達員の労働問題に焦点を当てつつ、AIによる労務管理や気候危機への影響など、
様々な課題を生み出している巨大IT企業に公正で倫理的なビジネスを求める国際的な運動も取り上げます。

Still0809_00001.jpg

■スタッフ
ナレーション/鶴見ゆき 
イラスト/ますだたいじ
企画・監修/MakeAmazonPayJapan 実行委員会(内田聖子|浦田 誠|木下徹郎|菅 俊治|関口達矢|土屋トカチ)
監督・撮影・編集・整音・選曲/土屋トカチ

■取材協力
東京ユニオン アマゾン配達員組合 横須賀支部/東京ユニオン アマゾン配達員組合 長崎支部
派遣ユニオン/Fridays For Future Japan/アマゾン労働者弁護団

■制作
特定非営利活動法人アジア太平洋資料センター(PARC)

■予告篇


■日時
2025年1月16日(木)
18時30分/開場 19時/開始
上映後、監督の土屋トカチさんを迎えた、トーク&ディスカッション有。

■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分

■参加費
500円(介助者は無料/予約不要)

■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
Eメール:jyouei@videoact.jp

Still0809_00006.jpg
posted by VIDEO ACT! スタッフ at 22:59| VIDEO ACT! 主催 上映会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年12月06日

【報告文】第125回 VIDEO ACT! 上映会 〜ずっと言えなかったこと〜 

 11月7日、第125回 VIDEO ACT! 上映会を開催しました。サブタイトルは「ずっと言えなかったこと」。上映は『トゥドル叔父さん(英題:My Uncle Tudor)』『言えなかった』の2作品です。ともに子どもや若者への性暴力を題材にした作品で、参加者は約20名でした。

My-Uncle-Tudor_Still2.jpg

 『トゥドル叔父さん』はベルギーを拠点とする、モルドバ出身のオルガ・ルコヴニコヴァ監督の作品。2021年のベルリン国際映画祭短編映画祭等でも上映されています。
 『言えなかった』は和光大学映像研究ゼミの卒業制作として、蓮見卯乃さんが監督した作品。広く一般に向けて上映されたのは、今回が初めてとのことです。

IMG_3619.jpg
 
 5月末、筆者は所属事務所・ローポジションの仲間である飯田基晴さんに『言えなかった』を紹介されました。軽い気持ちで昼食をとりながら見始め、数分で後悔しました。制作者の本気度が、数多ある学生の作品とはケタ違いだったからです。監督本人が公開したいと考えているのならば、ぜひビデオアクトで応援したいと思いました。しかし、尺が30分に満たないこともあり、しばし保留状態となっていました。
 そんな折り、私もスタッフで参加しているレイバー映画祭のラインナップに『トゥドル叔父さん』が加わります。制作された国は違えど、子どもや若者への性暴力というテーマは同じです。2作品を併映することで、観客とともに考える時間が持てると思い、企画を進めました。

叔父さん.jpg

 上映1本目は『トゥドル叔父さん』。オルガ・ルコヴニコヴァ監督の故郷、モルドバの自宅が舞台です。自宅には親戚一同が畑仕事をために集まっています。みんなが農作業に出かけた最中、トゥドル叔父さんと監督は二人きりになります。オルガ監督は幼い頃に、まったく同じシチュエーションの中、性被害にあいます。加害者はトゥドル叔父さんです。大人になったオルガ監督はカメラを手に、叔父さんに問答します。「幼い頃の私を覚えている?」と。
 心中は怒りや悲しみでいっぱいのはず。しかし、彼女の口調はとても抑制されています。叔父さんは、加害について問いかけに終始のらりくらりと、はぐらかします。二人の会話に、家の中の小物、壁の亀裂、毛虫や蜘蛛などの生き物、イメージ映像がインサートされていきます。被害を受けている最中、オルガ監督の目に映った風景なのかもしれません。映像は静かに観客へ問いかけます。

ienakatta.jpg

 続いて『言えなかった』。映画監督・撮影監督の小林茂さんが講師を務める、和光大学映像研究ゼミでの卒業制作作品です。ゼミの選択に悩んでいた際、小林さんが性被害をテーマとしたドキュメンタリー映画を制作中と知り、ゼミに加入した蓮見監督。丸一日かけて、蓮見監督が一気に記したという原稿を軸とした本作。主演の稲吉あかりさんがナレーションを読みあげます。
 稲吉さんのモノローグに沿って、電車の車窓、街並み、花、踏切、海、空、公園、ゲームセンターなどのイメージショットが続きます。性被害に関する直接的な映像は避けられていますが、その分、モノローグの内容が観客の心にズシンと響く構成となっています。

 通常、ビデオアクト上映会では監督や関係者を招き、トークとディスカッションを行ってきました。諸般の事情で、オルガ・ルコヴニコヴァ監督の登壇は叶わなかったのですが、蓮見卯乃監督の登壇が可能となりました。そこから、蓮見監督、作品推薦者の飯田さん、ビデオアクトスタッフ間で話し合いを重ね、上映会の進行方法を次のように決めました。

@主題が非常にデリケートなものであるため、通常のビデオアクト上映会で行ってきた挙手による質問は受け付けない。
 事前に用紙を配布し、筆記による質問のみとする。
A質問内容によっては、答えられない、あるいは答えたくないものについて、蓮見監督が自由に選択できる。

 可能な限り、細心の準備をした上映後のトークとディスカッション。特に問題はなく、終始穏やかな雰囲気で進みました。

 「被害者だけ、つらい思いをした人ばかりが、なぜ闘わなければならないのか。根本的な解決とは言えないかもしれないが『あなたは一人ではない。理解しあえる仲間がいる。大丈夫』と本作で伝えたい」と語った蓮見監督。
 『言えなかった』は自主上映会を募集中とのことです。 (文責:土屋トカチ)

<追加情報>
『言えなかった』の主題歌のミュージックビデオもYouTubeで見ることができます。
監督は蓮見卯乃さん。歌と出演は、本作主演の稲吉あかりさんです。

【MV】心呼吸 - 稲吉あかり


posted by VIDEO ACT! スタッフ at 16:43| VIDEO ACT! 主催 上映会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年11月07日

第125回 VIDEO ACT! 上映会 〜ずっと言えなかったこと〜 上映2作品『トゥドル叔父さん』『言えなかった』

========================================================
■ 第125回 VIDEO ACT! 上映会 〜ずっと言えなかったこと〜
上映2作品
『トゥドル叔父さん(英題:My Uncle Tudor)』(2021年/19分/監督:オルガ・ルコヴニコヴァ)
『言えなかった』(2024年/26分/監督:蓮見卯乃)
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
===========================================================

ienakatta.jpg

■2024年11月7日(木)19時より
内閣府が2023年に発表した調査によると、若年層(16〜24歳)のうち、
4人に1人以上(26.4%)が何らかの性暴力被害に遭っているという。
加害者が近親者の場合、子どもや若者は、いったい誰に相談すればいいのか。
多くの人々は、誰にも打ち明けられず、深い傷跡を抱えたまま生きることになる。

この問題は、日本だけではない。

ベルギーを拠点とするモルドバ出身の映画監督・オルガ・ルコヴニコヴァによる
『トゥドル叔父さん(英題:My Uncle Tudor)』と
和光大学映像研究ゼミの卒業制作『言えなかった』(監督:蓮見卯乃)の2作品を併映し
子どもや若者への性暴力について、深く考える時間としたい。

叔父さん.jpg

■上映2作品
◎『トゥドル叔父さん(英題:My Uncle Tudor)』
(2021年/19分/監督:オルガ・ルコヴニコヴァ/ベルギー・ハンガリー・ポルトガル・モルドバ)

【作品概要】
20年間の沈黙の後、映画監督は曽祖父母の家に戻る。そこで彼女は、彼女の記憶に永遠に深い傷跡を残す
悲惨な出来事を経験した。待ちに待った家族との集まりは、過去を乗り越えようとする彼女の試みと相反する。

【監督のコメント】
私は2011年から映画を学んでおり、以前は他の人々のドキュメンタリー映画を制作していました。
1年前、私は自分の最大の苦痛、つまり何十年も秘密にしてきた子供時代の思い出について、
初めての個人的な映画を制作しようと決めました。
ステレオタイプとは反対に、子供たちは見知らぬ人よりも親戚、友人、教師などの
身近な人からトラウマを負うことが多いです。
親は子供たちに、時には二重人格であるかもしれない
これらの人々を信頼するように教えます。
したがって、子供たちに不適切な大人の行動を特定し、対峙し、報告するように
教えることは非常に重要です。
これが私の映画の中心的なメッセージです。
私は、一見普通の人ですが、残念ながら虐待的なアイデンティティを
隠している男性がいる、理想的で愛情深い家族を描いています。
長年にわたり、私は数百万もの重要な疑問を蓄積してきましたが、
ついにそれらを尋ねる勇気が持てました。
沈黙し、行動しない言い訳はもうできませんでした。
沈黙と恐怖は悪に力を与えます。



◎『言えなかった』
(2024年/26分/監督:蓮見卯乃/日本)

【作品概要】
この作品は、和光大学映像研究ゼミの卒業制作で制作した作品です。
「性暴力」をテーマにしています。
被害を受けたことを誰にも告白できずに悩む主人公あすかは、
誰にも言えなかった自分の話を淡々と語ります。
直接会って話をすることはできなくとも、作品を見て何か感じてくれたら、
「会話」になるのではないか。
この作品を必要とする誰かに、「あなたはひとりじゃない」と伝えたい。
そんなあすかの気持ちを作品に込めました。

■スタッフ
監督:蓮見卯乃 主演:稲吉あかり 出演:蓮見卯乃 ゴトウ
ナレーション:稲吉あかり 撮影:蓮見卯乃 ゴトウ 小林茂
録音:張文卓 照明:ゴトウ 監修:小林茂 編集:蓮見卯乃

■special Thanks
荒巻奈緒 川西紗楽 映像研究ゼミの皆さん 任意団体 Lotus

IMG_3619.jpg

■日時
2024年11月7日(木)
18時30分/開場 19時/開始
上映後、監督の蓮見卯乃さんを迎えた、トーク&ディスカッション有。

■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分

■参加費
500円(介助者は無料/予約不要)

■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
Eメール:jyouei@videoact.jp
posted by VIDEO ACT! スタッフ at 23:59| VIDEO ACT! 主催 上映会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年09月08日

 【報告文】第124回 VIDEO ACT! 上映会 〜精神障害当事者と演劇〜

上映作品『わたしを演じる私たち』 (2024年/89分/監督:飯田基晴)

 去る9月3日に第124回 VIDEO ACT! 上映会を開催し、『わたしを演じる私たち』を上映しました。参加者は55名で、いつもの上映会より参加者が多く、関心の高さがうかがえました。
 本作は、神奈川県横浜市にあるOUTBACKアクターズスクールの活動を描いた作品。ここでは精神障害当事者が自らの実体験を盛り込んだ脚本による演劇活動を続けています。
 冒頭、数人のメンバーが紹介されます。トモキチさん、ドニーさん、えっちゃん、さしくん、新谷さん。各々、状況は様々ですが、どのような困難を抱え、現在どうしているのかが語られます。中でもえっちゃんは、今回の演劇公演の主役となっていきます。
 ワークショップでは、花やボールになってみたり、自らの体験をパントマイムで表現したり。こうした光景は演劇の練習風景としてはよくありそうです。けれども、上映後のトークでOUTBACKアクターズスクール校長・中村マミコさんが「体育会的な発声練習は嫌い」と言っていたように、大声を出す発声練習はありません。他者との関係が苦手な人たちも、一つの演劇を作る中で緩やかな関係が作られていくことが分かります。
わたしを演じる私たち009re.jpg
 公演2か月前、劇の台本が出来ました。舞台はえっちゃんが働く喫茶ほっとから始まります。歌の練習もしていることから、劇中、ミュージカルシーンもあるようです。
 劇の形が見えてきた公演2週間前になると、体調を崩す人も出てきます。この場面を見ながら、ふと、この公演は誰のためにあるのだろう、という疑問が湧いてきました。OUTBACKは、いわゆるプロの役者集団とは違うでしょう。プロの役者なら体調不良を乗り越えてでも、公演を成功させなければいけいない。では、OUTBACKのメンバーは、無理をしてでも公演をしなければならないのか。いや、公演である限り、観客に見てもらわなければいけないので、多少の無理もしなければならないのかもしれません。原点に立ち返って、精神障害当事者が自らの実体験を盛り込んだ演劇とは何か、ということを考えたりしていたのですが、思考はぐるぐる回って答えは出ません。
 そんなことを思いながら、公演本番の映像を見ていました。
わたしを演じる私たち002.jpg
 上映後のトークに、ヒントがありました。中村マミコさんは、当事者が自らの経験を語り、他者が聞くという活動はよくあるが、もっと開かれてもいいのではと感じていたとのこと。また、福祉ではどうしても当事者を守る方向に行くが、守られていない場所、未知の世界に触れる場所を提供したいとの思いがある、と。また、本作の監督・飯田基晴さんは、ドキュメンタリーでは撮影過程で登場人物が変化していくことが多いが、本作を撮影した際には、変化してもしなくても撮る、と決めていたとのこと。
上映会 9/3.jpg
 確かに本番の映像を見ていると、出演者は生き生きしているので、彼らは何か変わったのでは、という過剰な期待を持つ、本作を見る観客側も思い込みを持ちがちです。けれども、出演者達は舞台を降りた後も、また自らの日常に戻っていきます。おそらく、出演者にも、OUTBACKにも、本作監督にも、私が先に書いた疑問への答えはないでしょう。答えがない、分からないからこそ、本作を見る面白さがあるように思いました。
(本田孝義)
posted by VIDEO ACT! スタッフ at 11:13| VIDEO ACT! 主催 上映会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年09月03日

第124回 VIDEO ACT! 上映会 〜精神障害当事者と演劇〜 上映作品『わたしを演じる私たち』

========================================================
■ 第124回 VIDEO ACT! 上映会 〜精神障害当事者と演劇〜
上映作品『わたしを演じる私たち』
(2024年/89分/監督:飯田基晴)
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
===========================================================


■2024年9月3日(火)18時30分より
神奈川県横浜市にあるOUTBACKアクターズスクール。
ここでは、精神障害当事者が自らの実体験を盛り込んだ脚本による
演劇活動が続けられている。演じる俳優陣も当事者たち。
それぞれの人生は、演劇へと結実する。そこから、日本社会が見えてくる。

わたしを演じる私たち009re.jpg

■上映作品
『わたしを演じる私たち』(2024年/89分)

■作品解説
2021年に横浜で始まったOUTBACKアクターズスクール。精神疾患を持つ人たちが、自らの実体験を盛り込んだ演劇公演に挑む、その過程に密着した。メンバーの豊かな個性がそのまま劇中のキャラクターとなり、それぞれの困難な人生が、ユーモアに反転されて物語へと紡がれる。公演が近づくにつれ、緊張から体調を崩すメンバーも現れる。舞台というフィクショナルな空間に各々の人生が凝縮され、演劇はドキュメンタリーへ変容する。

■スタッフ
撮影:飯田基晴 常田高志 土屋トカチ
編集:飯田基晴
監督:飯田基晴
製作:映像グループ ローポジション
助成:横浜市地域文化サポート事業・ヨコハマアートサイト2022

わたしを演じる私たち002.jpg

■OUTBACKアクターズスクールとは
コミュニケーションに苦手意識を持つことの多い精神障害当事者にとって、演劇は他者と関わる練習になります。失敗をしてもやり直せるし、失敗から気づきを得たり、面白い場面が生まれることもあります。スクール生たちの中には、病を経ることで、例えようもないほどの苦しみや葛藤を抱えてきた人も少なくありません。ですが、その経験故に得た生き抜く強さ、知恵、豊かな人間性があると思っています。そうした個性を演劇という装置で解き放った時、魅力的な姿とともに、多くの人の心に響く表現が誕生すると考えています。
text by 中村マミコ(OUTBACKアクターズスクール校長)

■日時
2024年9月3日(火)
18時15分/開場 18時30分/開始
上映後、監督の飯田基晴さんと中村マミコさん(OUTBACKアクターズスクール校長)を交えた、トーク&ディスカッション有。

■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分

■参加費
500円(介助者は無料/予約不要)

■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
Eメール:jyouei@videoact.jp

わたしを演じる私たち003 origin.jpg
posted by VIDEO ACT! スタッフ at 23:59| VIDEO ACT! 主催 上映会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年07月15日

【報告文】第123回ビデオアクト上映会〜子どもたちの目から見た戦争〜

上映作品
『ぼくたちは見た―ガザ・サムニ家の子どもたち―』 監督:古居みずえ

 グーグルに“今日のガザ”と入れてみる。7月14日「ガザの学校空爆、17人死亡」、7月9日「イスラエルが学校攻撃、29人死亡」。昨年10月の戦闘開始以来、ガザでは3万5千人を超える人たちが亡くなったという。その内、子どもは1万3千人以上。その数は、今でも毎日増え続けている。信じ難いほどの、許されない数字だと思う。しかし、その数字の向こうの一人ひとりの、そしてその家族たちの苦しみを思う想像力を、私たちは麻痺させていないだろうか?

 去る7月11日、123回目のビデオアクト上映会が開催された。上映作品は、古居みずえ監督の『ぼくたちは見た―ガザ・サムニ家の子どもたち―』。イスラエル軍によるガザ攻撃は、勿論、昨年10月から始まったことではない。この作品は、今から15年前、2008年から2009年にかけての攻撃によって、一族29人が殺されたサムニ家の子どもたちを描いている。

 テレビニュースのように激しい空爆シーンが続くわけではない。その代わり、目の前で家族を殺された子どもたちの日常やインタビューの様子が淡々と描かれる。そして、その静かで率直な語り口が、私たちの胸に突き刺さる。父親が銃撃されるのを目の前で見た12歳の少年は、飛び散った父の血がこびりついた石を集める。母親のバラバラになった死体を見つけた場所に毎日通う13歳の少女は、「ここに住みたいくらい」だと話す。両親の頭から脳が飛び出していたのを見た12歳の少女、3歳の男の子が見た姉の目から飛び出した目玉…「信仰と教育でイスラエルに抵抗する。それは武器より強い」、「支援物資を望んでいるわけではない。ここでどんな酷いことがあったかを知ってほしい」、「イスラエルは、どうして私たちから全てを奪ったの?」。映画のラストの少女たちの言葉だ。

 サムニ家一族110人は、一軒の家に集められた。そこにイスラエル軍が3発のミサイルを撃ち込んだ。「今、同じことがあちこちで行われている」と、上映後のトークで古居監督は話す。昨年10月の戦闘開始直後、古居監督はこの作品の上映会を開始した。理由は、2023年10月7日がスタートではないことを多くの人に知ってほしかったからだ。「ナレーションによる説明がないからこそ、”体験”できた」。約25名の参加者の内の一人は、そう感想を述べた。また、初めてビデオアクト上映会に参加したという人は、この問題に詳しくないからと前置きしつつ、「どうしてホロコーストを経験した人たちが、同じことができるのか?この悲劇を終わらせるにはどうしたらいいのか?」と率直な意見を語ってくれた。

 私たちにできることは何か?まずは、何が起こっているのか、起こってきたのかを知り、本気で想像することだろう。上映会後の打ち上げで、古居監督に聞いてみた。どうして子どもを撮ることに決めたんですか?と。その答えは、「映画の冒頭に映る、瓦礫の山の前で呆然と立ち尽くす少女と出会ったから」。私たちは、古居監督が捉えたその少女の瞳をスクリーンを通して本気で見つめなければならないだろう。
(土屋 豊)
240711.jpg

※本作品のDVDはこちらで販売しはています。
https://support-miz.thyme.jp/DVD.html
posted by VIDEO ACT! スタッフ at 21:23| VIDEO ACT! 主催 上映会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする