2017年12月20日

第88回 VIDEO ACT! 上映会〜あれから6年 福島県・双葉町の人々〜 報告文

第88回 VIDEO ACT! 上映会 〜あれから6年 福島県・双葉町の人々〜
報告文 本田孝義

 去る12月12日に「第88回 VIDEO ACT! 上映会〜あれから6年 福島県・双葉町の人々〜」と題した上映会を行った。参加者は25名。
 上映作は『原発の町を追われて〜避難民・双葉町の記録』(2017年/102分/堀切さとみ監督)だった。少し長い作品だったので、いつもより30分早く18:30に上映スタート。
 本作は2012年に第一部、2013年に第二部が作られていて、VIDEO ACT!でも上映している。今年2017年に第三部が出来、堀切監督が全三部をまとめたバージョンを作られたので上映することになった。
 第一部は福島第一原発のおひざ元、双葉町の住民が原発事故を受けて埼玉県のさいたまスーパーアリーナに避難してきたところから始まる。彼らはその後、加須市の廃校・旧騎西高校に移り新たな避難生活が始まる。役場の機能も移転した。堀切監督はとても自然体で双葉町の住民たちと接し、住民たちはぽつぽつと本音を語っていく。息子が東電で働く方の複雑な心境、仕事もなくただ食べて寝るだけの避難生活への不満、少しでも避難生活に潤いを取り戻そうと書道教室を始める方。こうした中で、東電社長は「全力で復興に取り組む」と言いながら、明確な謝罪はない。こうした東電の姿勢に井戸川町長はますます東電に対する怒りを募らせていく。
 第二部になると、双葉町住民の間に分断が広がっていく。福島県で仮設住宅に入った人たちと旧騎西高校で避難生活を続ける人たちの間に横たわる温度差。この亀裂は議会による井戸川町長解任決議にまでいたり、紆余曲折の末、井戸川町長は退任する。この過程は見ていて辛いものがある。堀切監督は鵜沼友恵さんが双葉町の自宅に一時帰宅する際に同行、撮影をする。鵜沼さんは自宅の中の様子は撮ってもいいけど、映画では使わないでね、と言ったという。だから自宅の中は映らない。それでいいと私は思う。鵜沼さんの「人として見てほしい」という言葉が印象深い。こうして原発事故の約3年後、2014年3月に旧騎西高校の避難所は閉鎖される。
 第三部が作られるまでには少し時間が空いている。旧騎西高校の避難所が閉鎖され、双葉町民もバラバラになり、焦点が見えにくくなったからと堀切監督は言う。そんな中、堀切監督は一人の牛飼いに出会う。鵜沼久恵さんだ。第一部・第二部に出ていた鵜沼友恵さんの母親でもある。鵜沼久恵さんは加須市に避難してしばらくしてから、畑を始めた。その過程では、加須市民との間で軋轢もあったという。しかし穏やかな表情の中にも、地に足をつけて生きていく覚悟のようなものも感じられる。鵜沼久恵さんは双葉町にいた時は牧場をやっていたが、政府の方針によって殺処分することを余儀なくされた。数頭だけ、殺処分に反対している希望の牧場に預けた。この一人の牛飼いの姿から、原発事故が奪ったものの重さが伝わってくる。
 こうして全三部を続けて見て、時間の経過が作品に厚みを与えていることに気付く。それは原発事故が現在進行形であることに気付くということでもあるだろう。
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2017年12月12日

第88回 VIDEO ACT! 上映会 〜あれから6年 福島県・双葉町の人々〜

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■ 第88回 VIDEO ACT! 上映会 〜あれから6年 福島県・双葉町の人々〜
『原発の町を追われて〜避難民・双葉町の記録』
2017年(2012年・2013年・2017年)/100分/監督:堀切さとみ
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
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■2017年12月12日(火)18時30分より

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福島第一原発のおひざもとにあり、3.11直後、全世帯が避難勧告を受けた双葉町。
町は役場機能を埼玉県加須市に移し、数百人が廃校になった高校を拠点に避難生活を送った。
ふるさとを追われて6年。原発と共に暮らしてきた双葉町の人たちは、今なにを思うのか。
最新作「原発の町を追われて3〜双葉町・ある牛飼いの記録」を含む
第1部、第2部、第3部と合わせ再構成した、リニューアル版にて上映する。(上映時間100分)

■上映作品
『原発の町を追われて〜避難民・双葉町の記録』
2017年(2012年・2013年・2017年)/100分/監督:堀切さとみ

ウェブサイト「原発の町を追われて」
http://genpatufutaba.com/

■解説
〇第1部
「原発の町を追われて」2012年/56分(発表時)
福島第一原発のおひざもとにあり、3・11直後、全世帯が避難勧告を受けた双葉町。町は役場機能を埼玉県加須市に移し、今も数百人が廃校になった高校を拠点に避難生活を送っている。ふるさとを追われて一年。原発と共に暮らしてきた双葉町の人たちは、今なにを思うのか。

出演:田中信一・渡部翠峰、堀井五郎、鵜沼友恵、小池信一、井戸川克隆
撮影:西中誠一郎、井口みどり、堀切さとみ
編集・ナレーション:堀切さとみ
筆字タイトル:渡部翠峰
音楽:自由の森学園高等学校第24期生
制作協力:松原明

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〇第2部
「続・原発の町を追われて〜避難民・双葉町の記録」 2013年/25分
3.11福島原発の爆発により、町全体が警戒区域になった双葉町。それぞれの場所での避難生活は二年目を迎えた。ふるさとへ帰れるあてもない中、町民たちの我慢は限界を超えていた。唯一残された避難所・旧騎西高校をめぐる不満が巻き起こり、いつしか町民は分断に追い込まれていく―――

出演:井戸川克隆、鵜沼友恵、堀井五郎、渡部翠峰、渡部キノヨ、ロール・ヌアラ、小嶋里奈、斉藤宗一
撮影:西中誠一郎、堀切さとみ
編集・ナレーション・音楽:堀切さとみ
筆字タイトル:渡部翠峰
制作協力:松原明

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〇第3部
「原発の町を追われて3〜双葉町・ある牛飼いの記録」 2017年/30分
福島第一原発が立地する町から全国に避難した双葉町民。6年たった今も、誰一人ふるさとに帰ることはできない。避難先で自立して生きようとしても、差別は容赦なく降り注ぐ。それでも新たな一歩を踏み出す、ひとりの牛飼い、鵜沼久江さんの姿を追った。

出演:鵜沼久江、鵜沼一夫、堀井五郎、井戸川克隆、鵜沼友恵
撮影:大久保千津奈、堀切さとみ
編集・ナレーション:堀切さとみ
筆字タイトル:渡部翠峰
音楽:加藤登紀子
制作協力:松原明

双葉3_02.jpg

■予告編 「原発の町を追われて〜避難民・双葉町の記録」


■参考映像 「あれから五年 福島からの避難者は今~Fukushima evacuees 5 years after 3・11」


■日時
2017年12月12日(火) 18時15分/開場 18時30分/開始 ※途中入場可
上映後は、監督の堀切さとみさんを交えたトーク&ディスカッションを行います。
終了予定時刻 20時50分

■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分
(現在、JR飯田橋駅西口は、工事中のため大きく迂回することになります。ご注意ください)

■参加費:500円(介助者は無料・予約不要)

■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
Eメール:jyouei@videoact.jp
(電話:045-228-7996 [ローポジション気付] )
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2017年12月05日

<転載情報> 【来日記念講演】「メディアを市民の手に〜韓国市民放送の挑戦」

<以下、転載します>

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【来日記念講演】「メディアを市民の手に〜韓国市民放送の挑戦」
http://1www.ourplanet-tv.org/?q=node/2182
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韓国では「言論の自由」を実現するための市民運動が結実し、現在、
市民がテレビ局の経営に参加したり、自分たちの番組を放送できる
「パブリックアクセス」が制度化されています。中でも最大規模を
誇るのが市民参加型の衛星チャンネル「RTV」です。 
RTVの事務局長をお招きし、市民が主体となって発信する
ダイナミックな市民放送についてお話いただきます。

日時:2017年12月5日(火)19時〜21時(18時半開場)
会場:神保町ひまわり館(東京都千代田区神田神保町2丁目40)
定員:60人(必ずお申し込みください)
参加費:500円(当日お支払いください)
お申込み:件名を「12/5講演」とし、本文にお名前・ご所属・参加人数・
メールアドレスを記載して、info@ourplanet-tv.orgにご送付ください。
主催:認定NPO法人OurPlanet-TV
詳細:http://1www.ourplanet-tv.org/?q=node/2182
 
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金 R熤 (キム・ヒョンイク) 財団法人市民放送RTV事務局長
新聞、雑誌、テレビなど、メディア・ジャーナリズム業界で働く労働者のための組合
「全国言論労働組合」の専従スタッフ、韓国調査ジャーナリズムセンター「ニュース打破」
のプロデューサー、地域問題やまちづくりを取り込む団体である「松波市民連帯」事務局長
を経て、現在、財団法人市民放送RTV事務局長および市民による「ソウル革新パーク」
入居団体自治会副会長を務める。
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