2021年01月15日

【報告文】第103回 VIDEO ACT! 上映会 〜都市の中にある別世界〜

上映会直前に、新型コロナの感染者急増を受け、東京には緊急事態宣言が出された。昨年は一度、緊急事態宣言によって上映会が中止になっているので心配になったが、今回はなんとか上映会を開催することが出来た。
1月12日に上映したのは『蟹の惑星』(製作・撮影・編集・監督:村上浩康)。緊急事態宣言下にも関わらず、20名の参加者がありました。
『蟹の惑星』は多摩川の河口に400m×200mの広さで広がる干潟に住む蟹の生態を描いた作品だ。導き手は、15年蟹の生態を研究している吉田唯義(ただよし)さん。
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吉田さんは専門家ではなく、仕事をリタイアした後に多摩川の干潟を観察し始めたとのこと。本作が面白いのは、こうした吉田さんのスタンスもあって、生物ドキュメンタリーにありがちな、啓蒙臭さがないことだ。吉田さんは、蟹の巣穴の石膏型を作ったり、蟹を目隠しして爪の機能を考えてみたり、蟹の求愛行動を観察したりしている。監督の村上さんも、吉田さんの好奇心と同調するかのように、蟹の姿を映像に収めていく。

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上映後、村上さんは、「根気さえあれば撮れます」と言ってましたが、その根気たるや大変なものだ。例えば、本作には蟹が脱皮する印象的なシーンがあるが、このシーンは何十個体の脱皮をつなぎ合わせたもので、撮影には3年かかったそうだ。

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こうして、蟹の生態を見ていると不思議な感じがしてくる。この地球の主役は、蟹ではないのか、と。タイトルが『蟹の惑星』となっていることに納得した。

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上映後、蟹の被り物姿で村上監督のトーク。蟹の足は4本、ということを知ってもらうための被り物でもあるそうだ。(ちなみに向かって右側、サルの被り物をしているのはVIDEO ACT!スタッフ、土屋トカチ。)村上さんの話では、2年前、台風19号が来た時に、上流から大量に物が流れてきて、この干潟はほぼ無くなってしまったそうだ。吉田さんも胸を痛めている、とのこと。それでも吉田さんは多摩川の観察を続けているそうです。村上監督は、本作と同時に同じ干潟で『東京干潟』という作品も撮っていて、そちらも俄然、見たくなりました。
『蟹の惑星』のDVD、ブルーレイ、上映情報などは、下記をご参照ください。
https://higata.tokyo/
(本田孝義)
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2021年01月12日

第103回 VIDEO ACT! 上映会 〜都市の中にある別世界〜

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■ 第103回 VIDEO ACT! 上映会 〜都市の中にある別世界〜
上映作品『蟹の惑星』
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
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■2021年1月12日(火)19時より

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令和2年度文化庁映画賞 文化記録映画 優秀賞
座・高円寺ドキュメンタリ―フェスティバル 大賞
新藤兼人賞2019 金賞
グリーンイメージ国際映画祭 グリーンイメージ賞
キネマ旬報文化映画ベスト10 第5位


数々の映画賞を受賞し、話題をさらったドキュメンタリー映画『蟹の惑星』。

身近な自然に目を向けることの大切さと、
都市の中にある別世界を描く全編“カニづくし”のワンダームービーを上映する。

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■上映作品
『蟹の惑星』
2019年/日本語/カラー/68分(ブルーレイ上映)

製作・撮影・編集・監督:村上浩康
題字:岩渕俊彦
音楽:田中館靖子



■解説
多摩川河口の干潟は狭い範囲に、
多くの種類のカニが生息する貴重な自然の宝庫である。

大都会の中で、これほどのカニが見られる場所はかなり珍しい。
吉田唯義(ただよし)さんは、ここで15年に渡って独自にカニの観察を続けている。
毎日のように干潟を訪れては、カニたちの生態を調べ記録しているのだ。
吉田さんは誰よりも多摩川のカニに詳しいが、その視点はとてもユニークで、
他の人が考えつかないような方法でカニたちの生態を調べている。
映画は吉田さんと干潟をフィールドワークしながら、
カニたちの驚くべき営みを見つめていく。
カメラはカニたちに限りなく接近し、肉眼では決して捉えられない世界を映し、
迫力あるフォルムと美しい色彩が画面いっぱいに拡がる。

そして小さなカニたちの営みが地球や月など、
宇宙とも結びついていることを解き明かし、
さらには戦争や震災が与えた現実の問題までを描き出す。

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■日時
2021年1月12日(火)
18時30分/開場 19時/開始
上映後、村上浩康監督を交えたトーク&ディスカッションを予定。

■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分

■参加費
500円(介助者は無料/予約必須)

■予約方法
参加希望の方は、上映会前日の1月11日(月)19時までに
下記へ「お名前」「参加人数」「連絡先」をお伝えください。
→Eメール:jyouei@videoact.jp
→電話:045-228-7996(ローポジション気付)

■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
Eメール:jyouei@videoact.jp

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