11月25日に『島がミサイル基地になるのか』完成記念上映会を行いました。上映作品は『島がミサイル基地になるのか〜若きハルサーたちの唄』(湯本雅典監督)で、参加者は26名でした。緊急事態宣言は解除されましたが、会場定員は30名。スタッフ4名と湯本監督を含むと31名です。やむなく、スタッフ1名は上映中は会場外で待機するかたちで開催しました。約20名を越えるキャンセル待ち希望者の皆さまには、この場をお借りしお詫び申し上げます。
VIDEO ACT!では、これまで湯本監督作品を12本上映してきました。15年前に小学校の教員を退職された湯本監督。ここ5年間は、年に1本のペースで60分程の中編ドキュメンタリーを発表されておられます。完成したその都度、ビデオアクトでは上映会を開催させていただいております。
今回の舞台は沖縄県石垣島です。防衛省は「中国の脅威」を強調。自衛隊配備の空白地帯を失くすといい、南西諸島における基地建設を急いでいます。奄美大島、沖縄本島、宮古島、与那国島には、すでに基地が配備され、稼動しています。そして現在、石垣島でもミサイル基地配備が進められているのです。石垣市市長は住民に説明を一切せず、自衛隊配備の受け入れ表明しました。住民は報道で知ることとなります。基地建設現場付近には水源があり、水質汚染も懸念されています。
沖縄で取材を続けていた湯本さんは、住民投票をはじめた若者たちと出会います。石垣島在住の金城龍太郎さん、伊良皆高虎さん、宮良央さんの3名です。彼らは高校時代からの仲間で、ギター、三線、カホンを演奏するバンド、ハルサーズとして活動もしています。ハルサーとはウチナーグチで「農民」のこと。彼らはみな、牛飼いや、ハーブティー加工販売、マンゴー栽培といった農業に従事しています。
「サラリーマンにあこがれていたが、自分が制作に関与していない商品の不備に頭を下げる日々に矛盾を感じ、家業を継いだ」という金城龍太郎さんは、父が開拓したマンゴー農園で働いています。
「ここで生活して、死んでいくことが夢。農業はこの島の基幹産業。農業をすることで、直接島に貢献できる」と語るのは、宮良央さん。インタビューで紡がれる彼らの言葉は、地に足がついたものを感じます。
2018年、彼らは仲間と共にミサイル基地配備の是非を問う住民投票運動をはじめます。彼らは住民運動の経験ゼロでしたが、小さな島で「賛成派」「反対派」と住民が分断されてしまうことを嫌い、まずは話し合うことからはじめようと訴えます。YouTube動画も活用しました。(これが中々面白い!)
ムードを変えようA/石垣住民投票を求める会事務局
地方自治法では、住民投票のための法定署名数の有権者の50分の1が必要であると定められています。彼らはその18倍を超える数である14,263票を集めたにも関わらず、住民投票は議会で否決されてしまいます。
しかし、石垣市には自治基本条例という独自の条例もあります。
28条第1項 有権者の4分の1以上の連署をもって市長に対して住民投票の実施を請求することができる。
同条第4項 市長は請求があったときには所定の手続きを経て住民投票をしなければならない。
彼らが集めた14,263票は、自治基本条例の定めた有権者数の4分の1を越えていました。否決ではなく住民投票を実施する義務があると、彼らは石垣市と交渉するも「すでに議会で議決済みである」とし、市は取り合うことをしませんでした。
その後、住民投票義務付け訴訟に踏み切るも、那覇地裁では請求却下。高裁、最高裁でも棄却されます。現在は、住民が投票することができる権利があることの確認請求する当事者訴訟が新たに始めました。一方で、島のミサイル基地建設は着々と進められています。
本作は、コロナ禍に取材をされたこともあり、作品としては取材不足を感じてしまうことは否めません。しかしながら、石垣島がミサイル基地にされようとしていることが、本土のメディアがほぼ伝えない今、貴重な報告映像集としての価値は大きいです。そして何よりも、ハルサーズの佇まいが魅力的です。今後も、湯本さんは彼らの取材を続けるとのことです。
本作のDVDは、湯本さんのサイトで入手可能です。上映権付で2、000円という破格の価格設定!東京在住の湯本さんが、頻繁に石垣島に通い、取材することは金銭的にも労力的にも大変なこと。是非、購入をご検討ください。そして、応援してください。 (報告文:土屋トカチ)
湯本雅典公式サイト https://yumo.blue/
湯本雅典ビデオ作品リスト https://yumo.thebase.in/
2021年11月25日
第108回 VIDEO ACT! 上映会 〜『島がミサイル基地になるのか』完成記念上映会〜
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■ 第108回 VIDEO ACT! 上映会 〜『島がミサイル基地になるのか』完成記念上映会〜
上映作品『島がミサイル基地になるのか〜若きハルサーたちの唄』
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
==============================
■2021年11月25日(木)19時より
沖縄県石垣島。
2019年3月より、陸上自衛隊ミサイル基地の建設工事が始まった。
島の中では様々な反対運動が起きる中、若きハルサー(農民)たちは住民投票運動を始めた。
■上映作品
『島がミサイル基地になるのか〜若きハルサーたちの唄』(2021年/日本/60分)
監督:湯本雅典
音楽:ハルサーズ
ナレーター:名川伸子
ピアノ演奏:本澤陽一
■作品解説
石垣島では2019年3月から陸上自衛隊ミサイル基地の建設工事が始まっている。
これに対し島の中では様々な反対運動が起きた。その中の一つ、島の若者たちが
始めた住民投票運動がある。この取り組みは2018年、 わずか1か月間で石垣市の
有権者の3分の1以上を集める成果をあげた。 しかし、 市議会は条例案を否決。
加えて石垣市には独自の自治基本条例で4分の1以上の請求で市長は所定の手続きを
経て住民投票を実施しなければならないとされているにもかかわらず、 それも市は無視した。
若者たちは裁判で住民投票の実施を求めたが、1審、2審で却下、棄却。門前払いであった。
日本政府が琉球弧を軸に日米一体の軍事戦略を展開、強化している中、憲法破壊、
地方自治破壊が日本の最西端の島ですすんでいる。カメラは、その中であくまでも対話を求め、
地方自治のあるべき姿を求める若者たちの生き方を追った。
■日時
2021年11月25日(木)
18時30分/開場 19時/開始
上映後、監督の湯本雅典さんを交えたトーク&ディスカッションを予定。
■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分
■参加費
500円(介助者は無料/予約必須)
■予約方法
【お知らせ】11月9日、予約者数上限に達しましたので、予約受付を終了します。
以降はキャンセル待ちとなります。ご了承ください。
参加希望の方は、上映会前日の11月24日(水)19時までに
下記へ「お名前」「参加人数」「連絡先」をお伝えください。
→Eメール:jyouei@videoact.jp
→電話:045-228-7996(ローポジション気付)
■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
Eメール:jyouei@videoact.jp
■ 第108回 VIDEO ACT! 上映会 〜『島がミサイル基地になるのか』完成記念上映会〜
上映作品『島がミサイル基地になるのか〜若きハルサーたちの唄』
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
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■2021年11月25日(木)19時より
沖縄県石垣島。
2019年3月より、陸上自衛隊ミサイル基地の建設工事が始まった。
島の中では様々な反対運動が起きる中、若きハルサー(農民)たちは住民投票運動を始めた。
■上映作品
『島がミサイル基地になるのか〜若きハルサーたちの唄』(2021年/日本/60分)
監督:湯本雅典
音楽:ハルサーズ
ナレーター:名川伸子
ピアノ演奏:本澤陽一
■作品解説
石垣島では2019年3月から陸上自衛隊ミサイル基地の建設工事が始まっている。
これに対し島の中では様々な反対運動が起きた。その中の一つ、島の若者たちが
始めた住民投票運動がある。この取り組みは2018年、 わずか1か月間で石垣市の
有権者の3分の1以上を集める成果をあげた。 しかし、 市議会は条例案を否決。
加えて石垣市には独自の自治基本条例で4分の1以上の請求で市長は所定の手続きを
経て住民投票を実施しなければならないとされているにもかかわらず、 それも市は無視した。
若者たちは裁判で住民投票の実施を求めたが、1審、2審で却下、棄却。門前払いであった。
日本政府が琉球弧を軸に日米一体の軍事戦略を展開、強化している中、憲法破壊、
地方自治破壊が日本の最西端の島ですすんでいる。カメラは、その中であくまでも対話を求め、
地方自治のあるべき姿を求める若者たちの生き方を追った。
■日時
2021年11月25日(木)
18時30分/開場 19時/開始
上映後、監督の湯本雅典さんを交えたトーク&ディスカッションを予定。
■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分
■参加費
500円(介助者は無料/予約必須)
■予約方法
【お知らせ】11月9日、予約者数上限に達しましたので、予約受付を終了します。
以降はキャンセル待ちとなります。ご了承ください。
参加希望の方は、上映会前日の11月24日(水)19時までに
下記へ「お名前」「参加人数」「連絡先」をお伝えください。
→Eメール:jyouei@videoact.jp
→電話:045-228-7996(ローポジション気付)
■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
Eメール:jyouei@videoact.jp