2022年09月21日

報告文 第113回 VIDEO ACT! 上映会 〜自給自足で半農半介護〜  上映作品『ちょっと変わった有料老人ホーム ひろんた村母屋』

9月20日、『ちょっと変わった有料老人ホーム ひろんた村母屋』を上映しました。
参加者は約20名でした。上映会タイトルは「自給自足で半農半介護」。
監督の下之坊修子さんに「上映作品のキャッチコピーを考えてください」とお願いし、
挙げていただいたコピーを、そのまま上映会タイトルに使用させていただきました。
タイトルだけでは難解な本作を、的確に伝えている言葉だと思います。

IMG_2684.JPG

「ひろんた村」の「ひろんた」とは「広ノ谷」のこと。
長崎県五島列島北部の中通島(新上五島町)のほぼ中央に位置する、内陸の集落です。
戦後の開拓村で、最盛期には20を超える家族が暮らしておられたそうです。
その「ひろんた」を再生させようと、NPO法人「村づくり会議」を2016年11月に設立。
その中心となる「有料老人ホーム ひろんた村 母屋」が、2018年初冬に開設されます。
映画の舞台は、この「有料老人ホーム ひろんた村 母屋」なのです。

IMG_2672.JPG

食事は自給自足。
米、小麦、大豆、野菜を農薬や化学肥料を使わずに育て、
しょうゆ、みそも手作り。豚や鶏も飼育されています。
漁師さんから、魚のお裾分けがあるようで、これらはホームでの食事として提供されています。
パーキンソン病を患っておられた入所者さんも、ここの食事と暮らしでどんどん元気なられているとか。
2019年制作のDVDですが、入所者さん全員が今もお元気だと伺い、うれしくなりました。
いい環境と、おいしい食べ物。長生きのために重要ですね。

IMG_2729.JPG

映画では、入所者さんが一緒にみそづくりに参加する様も紹介されます。
入所者の女性は、スタッフにあてがわれた計量カップを手に、蒸した大豆へこうじ菌をまかれます。
すると「昔は手でやってた」と、こうじ菌を素手でバッサバッサとまきはじめるのです。
感覚は手が覚えているのですね。とても印象に残るシーンでした。

IMG_2679.JPG

理事長一家の歌野敬さんと歌野啓子さんは、関西在住の会社員時代に農薬問題から家庭菜園をスタート。
和歌山県で自給自足していくための技術を習得し、1986年に「ひろんた」へ移住されます。
その後、高齢で単身になられたご親戚を引き取ることになります。
高齢である自分たちのことや、自給自足の技術継承と地域の未来について考る中、
有料老人ホームの設立を思いつかれたそうです。
結局、ご親戚は入所前に亡くなられますが、遺産は施設建設費用に充てられたそうです。

ビデオアクト上映会では恒例の、上映後のトーク&ディスカッション。
監督の下之坊修子さんは大阪府河内長野市在住。
滝畑という約80世帯・無医村にお住まいということもあり、
ZOOMを使いオンラインでトークしていただきました。

20220920_203219.jpg

お母さまを看取った後「次は自分の番だ」と思い、7年前に故郷への移住を決めたという下之坊さん。
生まれ育った土地はダムに沈んでしまったとのことで、近隣の古民家に住まわれています。
移住して介護やグループホームについての勉強会をしている中、
知人に「ひろんた村」のことを紹介されたことが、撮影のきっかけになったとのこと。

下之坊さんは、ご自宅の古民家を使った上映会や映像制作のほか、裏の畑で農作業もされているとか。
「季節の野菜を食べているだけで元気になる。お金に振りまわされない生活ができている」
と語る下之坊さんは、終始キラキラされていました。
現在、この滝畑での生活をまとめた映画も制作中とのことです。
新作の完成が楽しみです。 (文責:土屋トカチ)

●上映作品『ちょっと変わった有料老人ホーム ひろんた村母屋』
ビデオアクトのウェブページでDVDが発売中です。こちら

●ひろんた村母屋のウェブページはこちら
ハムやベーコンなどの加工品が購入可能とのこと。おいしそうです。




posted by VIDEO ACT! スタッフ at 21:15| VIDEO ACT! 主催 上映会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年09月20日

第113回 VIDEO ACT! 上映会 〜自給自足で半農半介護〜 上映作品『ちょっと変わった有料老人ホーム ひろんた村母屋』

=============================
■ 第113回 VIDEO ACT! 上映会 〜自給自足で半農半介護〜
上映作品『ちょっと変わった有料老人ホーム ひろんた村母屋』
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
==============================

■2022年9月20日(火)19時より

肉も野菜も味噌も醤油も、必要なものは自分たちで作って暮らす。
長崎県新上五島町にある有料老人ホーム「ひろんた村」では、
自給自足生活を目指している。
自分の思い通りに、最後まで暮らしてゆく場所が、ここにある。

IMG_2679.JPG

■上映作品
『ちょっと変わった有料老人ホーム ひろんた村母屋』(2019年/40分)
監督・編集:下之坊修子
撮影:岡田和真/下之坊修子
制作:映像発信てれれ

■作品解説
歌野さん夫妻は長崎県五島列島に移住して30年。
消費文化、使い捨て文化の違和感から、自給自足の生活を決意。
2018年、半農半介護をめざして老人ホームを開設した。
肉も野菜も米も豆も、味噌も醤油も、必要なものは、できるだけ自分たちでつくる。
スタッフはシングルマザーや引きこもっていた人や障害を持っている人など様々。
自給の技術を若いスタッフに伝えていきながら、自然とともにある暮らし。
「最後までその人らしく」に寄り添う介護。
自分の思い通りに最後まで暮らす、人間の死んで行く姿をちゃんと見せていく。そんな場を目指す。

IMG_2729.JPG

■予告編
『ちょっと変わった老人ホーム ひろんた村母屋』


■日時
2022年9月20日(火)
18時30分/開場 19時/開始
上映後、監督の下之坊修子さんをオンラインで迎え、トーク&ディスカッション。

■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分

■参加費
500円(介助者は無料/予約必須)

■予約方法
参加希望の方は、上映会前日の9月19日(月)19時までに
下記へ「お名前」「参加人数」「連絡先」をお伝えください。
→Eメール:jyouei@videoact.jp
→電話:045-228-7996(ローポジション気付)

■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
Eメール:jyouei@videoact.jp

IMG_2700.JPG

IMG_2684.JPG
posted by VIDEO ACT! スタッフ at 23:59| VIDEO ACT! 主催 上映会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする