2023年01月13日

第115回 VIDEO ACT!上映会 〜旧統一教会と家族〜 報告文

上映作品
『belief』 監督:土居哲真


ビデオアクトの上映会では、さまざまなテーマの映像作品を上映してきた。
今回の上映作品『belief』のテーマは、「旧統一教会と家族」。「belief」という言葉は「信念」「信仰」「信条」を示す言葉だ。

今回、あらためて「旧統一教会と家族」というテーマの作品の上映会の報告文を書かせていただくにあたって、まずは、この文章を書いている私が、どんな人間かという事を書かせていただこうと思う。

私は、高校生の時に安部公房や大江健三郎の本を読んでた事もあって「実存主義」に感化されていて、「宗教」に関する関心は、ほとんどゼロで、むしろ「宗教は敵だ」と思っているぐらいの「無宗教主義」を貫いて生きてきたし、「宗教を信じてる人はバカだ」と言ってしまうぐらいに、宗教を否定して生きてきた。

あらためて、今回上映した、土居哲真監督の『belief』を観させてせていただいて、「統一教会」のような、いわゆるカルト宗教」に、はめられてしまう人たちの事が、理解できるようになった。

人は、誰でも、
「自分の(または家族の)この部分を、なんとか改善したい。」
「自分は、もっと、こう生きたい。」
という葛藤を抱えながら生きている。

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「旧統一教会」のような「カルト宗教」は、ほとんどの人が思っていると思われる、上記のような、ピュアで前向きな気持ちを利用して、宗教にはまらせようとして、はまってしまった人に、さらに他の人をはめるように、仕掛けていく。

今回上映した『belief』をつくった土居哲真監督は、実は、鬱(うつ)病を患っていた。
そして彼は「もしかしたら自分が鬱病になってしまったのを、母が『なんとかしたい』と思って、カルト宗教に、はまってしまったのではないかと思い始める。
カルト宗教は、ターゲットにした相手の「不安」や「心の病」に踏み込み、『助けてあげましょう』というような言葉で、ワナにはめる。

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勧誘の仕方は巧妙にできている。最初はソフトタッチで「友人」になり、「訪問販売で高い物を買わされてしまった」などの弱みや悩みを、うまく聴きだし、人間関係をつくっておく。
そして、ある程度の人間関係ができたら、「ビデオセンター」で動画を見せて、感想を書かせる。
ターゲットとされた人は、相手が「宗教に勧誘しようとしている」とは知らされずに、「悩みを聴いてくれた」「親切にしてくれた」という恩があるので、つい「この人の話を聴かないと悪い」と思うようになる。

そうして、少しずつ「洗脳」して、抜け出す事ができないようにされ、巨額の献金をせざる負えなくなる、という仕組みが見事(?)に、つくられている。

この映画の監督の土居哲真さんは、母がカルト宗教・旧統一教会のワナにはまりきる前に、洗脳されつつある母にビデオカメラを向け、「ビデオセンターには、行かないでほしい」と訴えた。
幸いな事に、「ビデオセンター通い」は、まだ8ヶ月だったので「洗脳されきった」状態ではなく、息子である哲真さんからの「ビデオセンターに行かないでほしい」という願いを聞き入れる事ができた。
もし、洗脳されきった状態だったら、財産をほとんど奪われ、たいへんな事になっていただろう。
そんな被害者を、少しでも減らすためにも、今回の上映作品『belief』は、より多くの人にご覧いただきたいと思う。

小林充志

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2023年1月14日(土)から20日(金)まで横浜シネマリンでも1週間限定で公開されます。こちら
posted by VIDEO ACT! スタッフ at 15:53| VIDEO ACT! 主催 上映会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする