上映作品
『ドキュメント石垣島 2023年3月陸自ミサイル基地開設の瞬間』 監督:湯本雅典
去る7月13日、第118回目のビデオアクト上映会が開催された。上映会のタイトルは「琉球弧で進行する新基地建設」で、上映作品は出来上がったばかりの『ドキュメント石垣島 2023年3月陸自ミサイル基地開設の瞬間』。監督は、ビデオアクト上映会で何度も作品を上映させて頂いている湯本雅典さんだ。
上映スタートは19時だったが、18時過ぎあたりから続々と来場者が集まり、最終的には約50名の方々にご参加頂いた。そして、上映前から熱気が凄い。会場では、当日の上映作品をDVDで販売していたのだが、上映前からかなりの勢いで売れていた。「これから観る作品のDVDを観る前に買う」というちょっと不可思議な現象だが、これこそビデオアクトの上映会らしい光景とも言える。みんな作品をただ「鑑賞」しに来たのではなく、現状を知り、みんなで話し合って共有し、各々の日常に持ち帰るためにやって来たのだ。
上映作品『ドキュメント石垣島 2023年3月陸自ミサイル基地開設の瞬間』は、今年3月の陸上自衛隊石垣駐屯地開設の過程を追ったドキュメンタリーだ。本来は、来年1月完成予定の『この島には戦争という言葉はない(仮題)』の素材の一部だったが、ミサイル基地開設の報道が本土であまりにも少ない現状を見て、急遽、一旦完成させてDVDパッケージ化したという。
確かに私自身、この事実を大手メディアの報道で知った記憶はない。多くの観光客を乗せた観光バスと、いかつい軍用車両がすれ違う光景など見たことがない。この作品は、そういう緊迫したシーンをしっかりと見せてくれる。そして、島の人々の抗議行動や悲痛な声を丁寧に伝えてくれる。大手メディアやネットニュースを漠然と見ているだけでは知ることができない事実を教えてくれるのだ。
そして、この日は、その「現実」をより深く掘り下げてくれる映像が追加で上映された。来年1月完成予定の作品の素材となるであろう4名の方のインタビュー映像だ。私が特に印象に残ったのは、21歳の女性Aさんのお話。「沖縄戦体験者である“おばあ”は、戦争の話をしたがらない。自衛隊のニュースが始まったらテレビを消す」、「自分たちの世代は、敵基地攻撃能力云々よりも彼氏の話の方が…」。とてもリアルで素直な言葉。それは、私自身の中にもある正直な気持ちとも言える。「でも、その彼氏の上に爆弾が落ちたとしたら?」、「“おばあ”の恋人が戦争で亡くなっていたとしたら?」…全ては対話から始まるし、始めるしかない。
…ということで、約40分の上映時間より長い上映後の約80分の対話、ディスカッションは大いに盛り上がった。湯本さんへの質問、作品を観た感想、ご自身の意見などがあとを絶たない。中には「沖縄と本土では意識がかけ離れている。どうすれば、沖縄の現状を“自分事化”できるか?」という根本的な質問もあった。湯本さんの答えは「そのために映画をつくっています」。まさに、その通りだろう。そして、戦前生まれの女性は、「今日知ったことを持ち帰って、自分の足元で広める。DVDを買って上映会をやって、アメーバのように広げる!」と大声で気を吐いた。そのおかげで、ディスカッション終了後に、再びDVDが売れまくった。ちなみに、この作品のDVDは、1,000円で上映権付き。購入すれば、どこで上映会をやっても構わない。皆さん、是非広めて、対話を始めましょう!
(土屋 豊)
※本作をはじめとする湯本雅典監督のDVDは、下記サイトでご購入頂けます。
https://yumo.thebase.in/
2023年07月16日
2023年07月13日
第118回 VIDEO ACT! 上映会 〜琉球弧で進行する新基地建設〜 上映作品『ドキュメント石垣島 2023年3月陸自ミサイル基地開設の瞬間』
==========================================================
■ 第118回 VIDEO ACT! 上映会 〜琉球弧で進行する新基地建設〜
上映作品『ドキュメント石垣島 2023年3月陸自ミサイル基地開設の瞬間』
(2023年/20分/監督:湯本雅典)
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
===========================================================
■2023年7月13日(木)19時より
■上映作品
『ドキュメント石垣島 2023年3月陸自ミサイル基地開設の瞬間』(2023年/20分)
■作品解説
2023年3月、コロナが一時あけたことを受け沖縄県石垣島には
多くの観光客が戻り始めていた。石垣島から他の島への旅を
楽しむ観光客であふれていた離島ターミナル(民間港)の真横には、
3メートルの壁に仕切られた中に陸揚げされたばかりの150台以上の軍事車両が並んでいた。
3月16日、陸上自衛隊石垣駐屯地が開設した。
正面ゲートには、自動小銃を携行した自衛隊員が警備に立つ。
市街地にある自衛隊宿舎からは迷彩服の自衛官が出勤する。
3月18日、石垣港新港地区の旅客船ターミナルに自衛艦おおすみが接岸した。
ここは通常大型クルーズ船が接岸する場所だ。おおすみからは、ミサイルの弾薬が石垣島に陸揚げされた。
78年間戦争の道具が存在しなかった石垣島に、ミサイル基地が開設した。
「この島には、戦争という言葉がないんだよ」と島の人が話してくれた。
・企画・撮影・編集・監督:湯本雅典
・ナレーター:名川伸子
・挿入曲「とぅばらーま」「よーよーよー」唄:山里節子
その他、湯本雅典さんによる
追加映像を用いた報告を予定。
■日時
2023年7月13日(木)
18時30分/開場 19時/開始
上映後、監督の湯本雅典さんを迎え、
トーク&ディスカッション有。
■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分
■参加費
500円(介助者は無料/予約不要)
■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
Eメール:jyouei@videoact.jp
■ 第118回 VIDEO ACT! 上映会 〜琉球弧で進行する新基地建設〜
上映作品『ドキュメント石垣島 2023年3月陸自ミサイル基地開設の瞬間』
(2023年/20分/監督:湯本雅典)
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
===========================================================
■2023年7月13日(木)19時より
■上映作品
『ドキュメント石垣島 2023年3月陸自ミサイル基地開設の瞬間』(2023年/20分)
■作品解説
2023年3月、コロナが一時あけたことを受け沖縄県石垣島には
多くの観光客が戻り始めていた。石垣島から他の島への旅を
楽しむ観光客であふれていた離島ターミナル(民間港)の真横には、
3メートルの壁に仕切られた中に陸揚げされたばかりの150台以上の軍事車両が並んでいた。
3月16日、陸上自衛隊石垣駐屯地が開設した。
正面ゲートには、自動小銃を携行した自衛隊員が警備に立つ。
市街地にある自衛隊宿舎からは迷彩服の自衛官が出勤する。
3月18日、石垣港新港地区の旅客船ターミナルに自衛艦おおすみが接岸した。
ここは通常大型クルーズ船が接岸する場所だ。おおすみからは、ミサイルの弾薬が石垣島に陸揚げされた。
78年間戦争の道具が存在しなかった石垣島に、ミサイル基地が開設した。
「この島には、戦争という言葉がないんだよ」と島の人が話してくれた。
・企画・撮影・編集・監督:湯本雅典
・ナレーター:名川伸子
・挿入曲「とぅばらーま」「よーよーよー」唄:山里節子
その他、湯本雅典さんによる
追加映像を用いた報告を予定。
■日時
2023年7月13日(木)
18時30分/開場 19時/開始
上映後、監督の湯本雅典さんを迎え、
トーク&ディスカッション有。
■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分
■参加費
500円(介助者は無料/予約不要)
■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
Eメール:jyouei@videoact.jp