上映作品
『ぼくたちは見た―ガザ・サムニ家の子どもたち―』 監督:古居みずえ
グーグルに“今日のガザ”と入れてみる。7月14日「ガザの学校空爆、17人死亡」、7月9日「イスラエルが学校攻撃、29人死亡」。昨年10月の戦闘開始以来、ガザでは3万5千人を超える人たちが亡くなったという。その内、子どもは1万3千人以上。その数は、今でも毎日増え続けている。信じ難いほどの、許されない数字だと思う。しかし、その数字の向こうの一人ひとりの、そしてその家族たちの苦しみを思う想像力を、私たちは麻痺させていないだろうか?
去る7月11日、123回目のビデオアクト上映会が開催された。上映作品は、古居みずえ監督の『ぼくたちは見た―ガザ・サムニ家の子どもたち―』。イスラエル軍によるガザ攻撃は、勿論、昨年10月から始まったことではない。この作品は、今から15年前、2008年から2009年にかけての攻撃によって、一族29人が殺されたサムニ家の子どもたちを描いている。
テレビニュースのように激しい空爆シーンが続くわけではない。その代わり、目の前で家族を殺された子どもたちの日常やインタビューの様子が淡々と描かれる。そして、その静かで率直な語り口が、私たちの胸に突き刺さる。父親が銃撃されるのを目の前で見た12歳の少年は、飛び散った父の血がこびりついた石を集める。母親のバラバラになった死体を見つけた場所に毎日通う13歳の少女は、「ここに住みたいくらい」だと話す。両親の頭から脳が飛び出していたのを見た12歳の少女、3歳の男の子が見た姉の目から飛び出した目玉…「信仰と教育でイスラエルに抵抗する。それは武器より強い」、「支援物資を望んでいるわけではない。ここでどんな酷いことがあったかを知ってほしい」、「イスラエルは、どうして私たちから全てを奪ったの?」。映画のラストの少女たちの言葉だ。
サムニ家一族110人は、一軒の家に集められた。そこにイスラエル軍が3発のミサイルを撃ち込んだ。「今、同じことがあちこちで行われている」と、上映後のトークで古居監督は話す。昨年10月の戦闘開始直後、古居監督はこの作品の上映会を開始した。理由は、2023年10月7日がスタートではないことを多くの人に知ってほしかったからだ。「ナレーションによる説明がないからこそ、”体験”できた」。約25名の参加者の内の一人は、そう感想を述べた。また、初めてビデオアクト上映会に参加したという人は、この問題に詳しくないからと前置きしつつ、「どうしてホロコーストを経験した人たちが、同じことができるのか?この悲劇を終わらせるにはどうしたらいいのか?」と率直な意見を語ってくれた。
私たちにできることは何か?まずは、何が起こっているのか、起こってきたのかを知り、本気で想像することだろう。上映会後の打ち上げで、古居監督に聞いてみた。どうして子どもを撮ることに決めたんですか?と。その答えは、「映画の冒頭に映る、瓦礫の山の前で呆然と立ち尽くす少女と出会ったから」。私たちは、古居監督が捉えたその少女の瞳をスクリーンを通して本気で見つめなければならないだろう。
(土屋 豊)
※本作品のDVDはこちらで販売しはています。
https://support-miz.thyme.jp/DVD.html
2024年07月15日
2024年07月11日
第123回 VIDEO ACT! 上映会 〜子どもたちの目から見た戦争〜 上映作品『ぼくたちは見た ーガザ・サムニ家の子どもたちー』
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■ 第123回 VIDEO ACT! 上映会 〜子どもたちの目から見た戦争〜
上映作品『ぼくたちは見た ーガザ・サムニ家の子どもたちー』
(2011年/86分/監督:古居みずえ)
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
===========================================================
■2024年7月11日(木)18時40分より
2023年10月に戦闘が始まってからパレスチナ自治区ガザ。
死者3万4千人以上を超えた今もイスラエル軍の空爆は続く。
うち、子どもの死者は1万3千人以上といわれています。(2024年5月8日現在)
今回上映する『ぼくたちは見た ーガザ・サムニ家の子どもたちー』は
2011年に発表された作品です。
現在の状況は、2023年10月から急にはじまったわけではありません。
日本にいる私たちに、何ができるのかを考える機会になることを願い、
本作を上映します。
■上映作品
『ぼくたちは見た ーガザ・サムニ家の子どもたちー』(2011年/86分)
■作品解説
1400人という多くの犠牲を出した、2008年から09年にかけてのイスラエル軍
によるパレスチナ・ガザ地区への攻撃。
本作の監督であるジャーナリスト・古居みずえは、攻撃直後に現地に入り、
300人以上の子どもたちが犠牲になっていたことに大きなショックを受け取材を始める。
ガザ南部の農業地帯ゼイトゥーンに住むサムニ家の子どもたちは、一族が一度に29人も殺されるという、
過酷な事件を経験していた。古居みずえのカメラは、家族を失いながらも、懸命に生きる子どもたちの
生活を静かに見守り、彼らの心の傷と変化を写し出す。20年以上パレスチナに通い続けてきた古居みずえ
だからこそ描きだせた、事件の後の“真実”。それに触れることは、瞬間的に消費される情報が飛び交う中で、
「世界を理解するために知るべきことは何か?」を示してくれるだろう。
■映画『ぼくたちは見た』公式サイト
https://whatwesaw.jp/
■スタッフ
監督・撮影:古居みずえ『ガーダ ーパレスチナの詩ー』『飯舘村 べこやの母ちゃん』
プロデューサー:野中章弘、竹藤佳世
編集:辻井 潔 音響設計:菊池信之 音楽:ヤスミン植月千春
協力:横浜YMCA対人地雷をなくす会、古居みずえドキュメンタリー映画支援の会
製作・配給:アジアプレス・インターナショナル
2011年/日本/カラー/86分/DVCAM/ステレオ
■予告篇
■日時
2024年7月11日(木)
18時15分/開場 18時40分/開始
■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分
■参加費
500円(介助者は無料/予約不要)
■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
Eメール:jyouei@videoact.jp
■ 第123回 VIDEO ACT! 上映会 〜子どもたちの目から見た戦争〜
上映作品『ぼくたちは見た ーガザ・サムニ家の子どもたちー』
(2011年/86分/監督:古居みずえ)
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
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■2024年7月11日(木)18時40分より
2023年10月に戦闘が始まってからパレスチナ自治区ガザ。
死者3万4千人以上を超えた今もイスラエル軍の空爆は続く。
うち、子どもの死者は1万3千人以上といわれています。(2024年5月8日現在)
今回上映する『ぼくたちは見た ーガザ・サムニ家の子どもたちー』は
2011年に発表された作品です。
現在の状況は、2023年10月から急にはじまったわけではありません。
日本にいる私たちに、何ができるのかを考える機会になることを願い、
本作を上映します。
■上映作品
『ぼくたちは見た ーガザ・サムニ家の子どもたちー』(2011年/86分)
■作品解説
1400人という多くの犠牲を出した、2008年から09年にかけてのイスラエル軍
によるパレスチナ・ガザ地区への攻撃。
本作の監督であるジャーナリスト・古居みずえは、攻撃直後に現地に入り、
300人以上の子どもたちが犠牲になっていたことに大きなショックを受け取材を始める。
ガザ南部の農業地帯ゼイトゥーンに住むサムニ家の子どもたちは、一族が一度に29人も殺されるという、
過酷な事件を経験していた。古居みずえのカメラは、家族を失いながらも、懸命に生きる子どもたちの
生活を静かに見守り、彼らの心の傷と変化を写し出す。20年以上パレスチナに通い続けてきた古居みずえ
だからこそ描きだせた、事件の後の“真実”。それに触れることは、瞬間的に消費される情報が飛び交う中で、
「世界を理解するために知るべきことは何か?」を示してくれるだろう。
■映画『ぼくたちは見た』公式サイト
https://whatwesaw.jp/
■スタッフ
監督・撮影:古居みずえ『ガーダ ーパレスチナの詩ー』『飯舘村 べこやの母ちゃん』
プロデューサー:野中章弘、竹藤佳世
編集:辻井 潔 音響設計:菊池信之 音楽:ヤスミン植月千春
協力:横浜YMCA対人地雷をなくす会、古居みずえドキュメンタリー映画支援の会
製作・配給:アジアプレス・インターナショナル
2011年/日本/カラー/86分/DVCAM/ステレオ
■予告篇
■日時
2024年7月11日(木)
18時15分/開場 18時40分/開始
■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分
■参加費
500円(介助者は無料/予約不要)
■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
Eメール:jyouei@videoact.jp