2025年03月20日

【報告文】第127回 VIDEO ACT! 上映会 〜かけがえのない時間〜

上映作品:『小さな学校』(監督:村上浩康)

 去る3月18日に第127回 VIDEO ACT! 上映会 を行いました。参加者は約20名でした。
 上映した『小さな学校』は、2003年3月に廃校になった神奈川県津久井郡藤野町立篠原小学校の最後の1年間を記録した作品です。
 冒頭、一人の女子児童が入学してくるところから始まります。全校児童6名、先生9名の、文字通り小さな学校です。投稿の様子、1・2年生の授業の様子、3・4年生の授業の様子、、、と、本作の内容をメモしながら見ていたのですが、ふと、こうした内容を書いても本作の魅力は伝わらないなぁ、と気付きました。その魅力というのは、「距離の近さ」だと思います。まず、児童が少ないことによって、先生と児童の距離が近い。そして、撮影している人と彼らの距離が近いのです。距離、というのは物理的な意味だけではなく、精神的な意味もあることは言うまでもありません。ですので、本作には児童と先生の生き生きとした表情が詰まっています。私は、子供たちの笑顔を見ながら、同時に先生たちにも笑顔が多いなぁと思いました。こうした小学校の様子をどう思うのかは、見る人それぞれで、本作は特別に理想化しているわけでもありません。E3818AE5BC81E5BD93.jpg
 ある日の保護者会で、正式に篠原小学校が閉校することが告げられます。ピアノ演奏の校歌に合わせて、この小学校の長い歴史が紹介されます。本作で唯一、音楽がついたこの場面が、妙に感慨深かったです。
 二学期になると、運動会の練習、特に一輪車の練習があり、学芸会の練習もあります。しかし、本作がユニークなのは運動会の本番も学芸会の本番も見せないのです。上映後のトークで、本作を編集した村上浩康さんは、「日常を綴ろうと思った」と言っていて、とても納得しました。小さな学校.jpg
 こうして3月には篠原小学校最後の修了式を迎えるわけですが、これまでに数多く繰り返されただろう修了式と特段変わることなく、一つの学校の歴史が閉じられました。E5ADA6E6A0A1.jpg
 上映後のトークには、本作の製作・撮影の能勢広さんも登壇。とてもシンプルな作品の、なかなかに複雑な製作背景も聞くことができました。というのは、本作が撮影されたのは2002年。けど、製作年は2012年。諸般の事情があって、撮影後10年間、素材は編集されなかったのだそうです。また、撮影中に能勢さんは文化庁の研修でドイツに留学することになり、後半は篠原小学校の父母が撮影していたそうです。こうした事情は、親密な映像になり、作品で生きていると思います。能勢さんは、別の作品で一緒に仕事をしていた村上さんに編集を依頼。映像を見た村上さんは「奇跡の映像だ」と思ったそうです。
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 『小さな学校』という作品は、特別なことはない、小さな作品かもしれません。でも、見るととても面白い、珠玉の作品だと思います。
(本田孝義)
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2025年03月18日

第127回 VIDEO ACT! 上映会 〜かけがえのない時間〜 上映作品『小さな学校』(2012年/60分/監督:村上浩康)

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■ 2025年3月18日(火) 第127回 VIDEO ACT! 上映会 〜かけがえのない時間〜
上映作品
『小さな学校』(2012年/60分/監督:村上浩康)
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
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■2025年3月18日(火)19時より
神奈川県津久井郡藤野町立篠原小学校。明治以来130年の歴史を持ちながらも、2003年3月、地域の人々に惜しまれつつ廃校となった。本作は、篠原小学校が最後の新入生を迎えた春から閉校となった翌年の初春までの1年間を綴った作品だ。6人の生徒と9人の先生が、山あいの「小さな学校」で過ごした平穏ながらも、ゆっくりと流れる濃密な時間をカメラが寄り添うように見つめる。

■上映作品
『小さな学校』(2012年/60分/監督:村上浩康)

【作品概要】
神奈川県津久井郡藤野町立篠原小学校は、明治以来130年の歴史を持ちながらも、2003年3月、地域の人々に惜しまれつつ廃校となりました。この作品は、篠原小学校が最後の新入生を迎えた春から閉校となった翌年の初春までの1年間を記録したものです。
6人の生徒と9人の先生が、山あいの「小さな学校」で過ごした平穏ながらもゆっくりと流れる濃密な時間をカメラが寄り添うように見つめました。決して避けることのできない終焉に向けて、残された日々を大切に過ごそうとする大人と子供たちの「幸福な記憶」が綴られています。ドラマティックな事は何ひとつ起こりませんが、豊かな自然と先生や地域の人々の暖かいまなざしの中、伸び伸びと成長していく子供たちの姿が爽やかに綴られています。
撮影にあたっては、製作スタッフはもちろん、生徒の親御さんや地元の方々がボランティアとして全面協力。ほぼ毎日のように誰かが学校に通い撮影を続けました。
近しい存在が取材対象と多くの時間を共有し、寄り添うことでしか残せなかった、いきいきとした「学校の日々」が記録されています。

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【作品の舞台・篠原小学校】
明治8年(1873年)、明治政府の教育基本法施行と共に設立された、津久井郡で最も古い小学校。教育機関としての役割ばかりでなく、永年地域の人々の交流の場として、篠原地区のシンボル的存在であった。平成15年(2003年)3月、少子化に伴う小学校の統廃合によって、130年の歴史に幕を閉じる。
現在、校舎は改築・保存され、NPO法人「篠原の里」(宿泊・研修・ふれあい施設)として生まれ変わり、新たな地域交流の場として活用されている。

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■スタッフ
製作・撮影 能勢広
監督・編集 村上浩康

■日時
2025年3月18日(火) 18時30分/開場 19時/開始
上映後、監督の村上浩康さんを迎えた、トーク&ディスカッション有。

■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分

■参加費
500円(介助者は無料/予約不要)

■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
Eメール:jyouei@videoact.jp

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