2011年06月12日

特集 日本映画学校のドキュメンタリー

<以下、転載します>

ドキュメンタリーの原点が、ここにある。
卒業制作ドキュメンタリー作品の秀作を一挙上映!

設立以来、映像業界で活躍する多くの卒業生を送り出してきた日本映画学校では、数多くの優れた卒業制作作品が作られてきました。中でもドキュメンタリー作品は完成度の高さから劇場公開される作品も多く、それぞれ高い評価を得ています。今春、国内初となる映画学部のみの4年制大学「日本映画大学」になったことを記念して、これまでの卒業制作ドキュメンタリーから厳選した作品を一挙上映!

多岐に渡る題材からそれぞれの時代を描き出してきた秀作群を是非ご覧下さい。

■場所;川崎市アートセンター

『妻はフィリピーナ』 1993年|100分|カラー|16mm|監督:寺田靖範

寺田は在学中に知り合ったフィリピン人女性・テレサとの結婚を契機にフィルムを回し始める。カメラは、2人の生活や娘の誕生、お互いの家族との関わりを追いながら喜怒哀楽を素直な視線で描き出していく。決して声高でない語り口で、文化や家族観の違いといった国際結婚の現実だけでなく、普遍的な男と女の価値観のギャップも映画に昇華させることに成功した。

18日(土)19:30〜


『ファザーレス/父なき時代』 1998年|78分|カラー|VTR|監督:茂野祥弥

学校にもバイトにも行かず、悶々とした日々を過ごしていた村石は故郷である長野へ帰り、自分と母親を捨てた父親、夜遊びを繰り返した母親、その母親を奪い去った義父に積み重ねてきた苦い思いをぶつけていく。いじめ、登校拒否、家庭崩壊、バイセクシャル、自傷行為、様々な問題を抱えながら生きてきたひとりの青年の彷徨から、現代の家族像を抉り出した衝撃作。

19日(日)19:30〜


『あんにょんキムチ』 1999年|50分|カラー|DVCAM|監督:松江哲明

韓国人の血を引きながらも「キムチが食べられない」という在日コリアン三世の松江。戦争の頃、日本にやってきた韓国人祖父の死をきっかけに、これまで「韓国人」ということを意識せずにやってきたことに気づき、親戚の元を訪ね歩きながら、自分と家族のルーツを調べていく。ユーモアを混ぜながら小気味よい展開で、個人と民族の狭間を紡いでいく秀作。

21日(火)19:30〜


『熊笹の遺言』 2003年|60分|カラー|DVCAM|監督:今田哲史

政府や世間の病気に対する無理解から、長年に渡って不当な強制隔離と差別、偏見に苦しめられてきたハンセン病患者。撮影チームは、群馬県草津市にあるハンセン氏病療養所に住む3人の在園者を長期密着取材。声高に悲劇を語るのではなく、彼らの日常や人生を丹念に紡ぎ出す。

22日(水)19:30〜


『バックドロップ・クルディスタン』 2007年|102分|カラー|DVCAM|監督:野本大

ふとしたことからクルド人難民のカザンキラン一家と知り合った野本は、難民認定を求める座り込みデモを機に彼らを密着撮影し始める。日本だけでなく、クルド人家族を追ってトルコ、ニュージーランドロケを敢行し、国家や民族、そしてその狭間で生きる個人の在り方までも浮き彫りにするロードムービー。

23日(木)19:30〜


『URINARA<祖国>−母のまなざし、息子の声−』2006年|60分|カラー|DVCAM|監督:河真鮮

日本に移住した韓国人一家。七年の年月が経ち、息子が徴兵制度に参加できる年齢になった。息子は徴兵制度に参加するべきか答えを求めるために、自ら祖国韓国へ旅立ち体験入隊をする。日本へ戻った彼は一つの答えにたどり着けるのだろうか・・・。母が息子をカメラごしに追った"まなざし"のドキュメンタリー。

24日(金)19:30〜


上映スケジュール 18日(土)19:30〜 妻はフィリピーナ
19日(日)19:30〜 ファザーレス/父なき時代
20日(月) 休映
21日(火)19:30〜 あんにょんキムチ
22日(水)19:30〜 熊笹の遺言
23日(木)19:30〜 バックドロップ・クルディスタン
24日(金)19:30〜 URINARA<祖国>−母のまなざし、息子の声−

同時期上映!卒制ドキュメンタリー劇場公開最新作
『アヒルの子』   2005年|92分|DVCAM|監督:小野さやか|制作総指揮:原一男

家族を離れ、東京で一人暮らしをしながら専門学校に通う小野さやかは、自らの内面に巣食う生きがたさに苦しんでいた。自分は価値がない、誰にも愛されていない、生きる意味がない・・・。 その原因は、彼女が5歳のときにヤマギシ会の幼年部に1年間預けられたことから端を発する。その1年間を彼女は家族から「捨てられた」と思い、2度と捨てられないために[いい子]を演じてきた。自らを解放するため自分の内面を縛り付けている「家族」一人一人と対峙する決意をした彼女は怒り、憎しみ、悲しさ、寂しさー、全ての感情を家族にぶつけてゆく・・・昨年劇場公開され、「家族」の在り方に肉迫する衝動が話題を呼んだ、卒業制作ドキュメンタリーの劇場公開最新作。

18日(土)〜24日(金)17:30〜 ※20日(月)休映
<特集◎日本映画学校のドキュメンタリー>6作品と『アヒルの子』
料金:一般1000円/会員800円/高校生以下500円
※特別興行につき会員ポイントは対象外



posted by VIDEO ACT! スタッフ at 22:14| おすすめイベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする