<以下、転載します>
「被爆者の声をうけつぐ映画祭2012」のお知らせ
*2012年9月14日(金)、15日(土)、16日(日)
*明治大学リバティタワ− 1階リバティホールにて開催
プログラム&スケジュール *完全入替制
9月14日(金)
プログラム1
18:20〜21:00
開会の挨拶
*新藤兼人監督追悼上映
劇映画『原爆の子』(98分)
お話:新藤次郎(近代映画協会代表、映画プロデューサー)
9月15日(土)
プログラム2
10:00〜12:00
ドキュメンタリー『もし、この地球を愛するなら』(26分)
ドキュメンタリー『無限の瞳』(20分)
お話:『無限の瞳』制作関係者(数名)
プログラム3
13:00〜15:30
劇映画『ヒロシマの証人』(110分)
お話・山口逸郎(プロデューサー)
プログラム4
16:30〜18:10
ドキュメンタリー『幻の全原爆フィルム日本人の手へ! 悲劇の瞬間と37年目の対面』
(72分)
お話・熊谷博子(監督)
プログラム5
19:00〜20:30
劇映画『あしたが消える −どうして原発?−』(55分)
お話・製作スタッフ
9月16日(日)
プログラム6
10:00〜12:00
ドキュメンタリー『内部被ばくを生き抜く』(80分)
お話:被爆者の方の証言
プログラム7
13:00〜15:00
劇映画『その夜は忘れない』(96分)
お話:被爆者の方の証言
プログラム8
16:00〜18:10
ドキュメンタリー『あの日 この校舎で ―五十年前に被爆したナガサキの記憶―』
(30分)
ドキュメンタリー『二重被爆〜語り部・山口彊の遺言』(70分)
お話:稲塚秀孝(プロデューサー・監督)
プログラム9
19:00〜20:45
ドキュメンタリー『HELLFIRE:劫火−ヒロシマからの旅−』(58分)
お話:原爆の図丸木美術館学芸員 岡村幸宣
映画祭エンディングセレモニー
■ 会場:明治大学リバティタワ− 1階リバティホール
● JR中央線・総武線、東京メトロ丸ノ内線/御茶ノ水駅 下車徒歩5分
● 東京メトロ千代田線/新御茶ノ水駅 下車徒歩5分
● 都営地下鉄三田線・新宿線、東京メトロ半蔵門線/神保町駅 下車徒歩5分
地図
http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/access.html
鑑賞券
大人1000円/学生・子ども800円(前売、当日ともに、1プログラムごとに)
全プログラム フリーパス券 5000円
(フリーパス券は大人、学生・子どもの区別はありません。)
主催:明治大学軍縮平和研究所/被爆者の声をうけつぐ映画祭実行委員会
後援:日本原水爆被害者団体協議会/被爆者の声をうけつぐプロジェクト50/ノーモ
ア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会
連絡先:Eメール eigasai@gmail.com
問い合わせ:
共同映画(株) 03-5466-2311(FAX03-5466-2312)
ウイング・コア 03-3232-7867(FAX03-3205-8958)
映画祭ブログ
http://hikakueiga.exblog.jp/
映画祭ツイッター
https://twitter.com/hibakusyanokoe
(作品紹介)
プログラム1
劇映画『原爆の子』
1952年、製作:近代映画協会・劇団民芸、監督:新藤兼人、98分、モノクロ
長田新編「原爆の子」をもとに、新藤兼人脚本、監督。戦後はじめて広島の悲劇を取
り上げた長編劇映画。瀬戸内海の小学校教師石川孝子(乙羽信子)が幼稚園教師時代
の教え子たちをたずね歩き、原爆の傷痕がなお深い痛みとともに残っていることを実
感。滝沢修、宇野重吉らが共演。
* 5月29日に100歳で亡くなられた新藤兼人監督の追悼上映。
プログラム2
ドキュメンタリー『もし、この地球を愛するなら』
1981年、製作:NFBC(カナダ国立映画制作庁)、26分、カラー
監督:テリー・ナッシュ、日本語版制作・演出:片桐直樹
今から30年以上前の作品だが、医学博士ヘレン・カルデコットの熱気溢れる講演は現
在の我々に鋭く迫る。何故これほどまで核兵器が発達したのか、もし核保有国がそれ
を使用したら……ヘレンは雄弁だ。どうすれば人類は生き延びられるか。「女は情熱
的です。男を迷わせるほどに情熱的です。赤ちゃんを先頭に議会にデモをしましょう。
地上からすべての核兵器を廃絶しましょう。もし、あなたがこの地球を愛するなら。」
ドキュメンタリー『無限の瞳』
1955年、製作:成城高等学校生徒会、20分、モノクロ
佐々木禎子さんの折り鶴にも影響を与えた、当時の学生たちの先駆的な平和運動を記
録した貴重な作品。小学生の時に広島で被爆した千葉亮君は東京、成城高校に入学し
たが、白血病に襲われる。生徒たちが千葉君を救おうとカンパを集める運動を始め、
集会やラジオで訴え、大学生たちの協力も得ながらこの記録映画を作り始める。運動
が全国の高校生たちに「無限の瞳」となって広がって行く様子に驚かされる。
プログラム3
劇映画『ヒロシマの証人』
1968年、製作:「ヒロシマの証人」製作上映実行委員会、監督:斎村和彦、110分、
モノクロ
1960年代、原爆症で倒れ亡くなる者が後を絶たないなか、貧しい被爆者たちが暮らす
相生地区は、団地の建設計画によって立ち退きの対象となる。死の恐怖と生活苦に苛
まれる被爆者たちは、やがてABCC(米国原爆傷害調査委員会)の非人道性を批判する
医師たちとともに立ち上がる。被爆者たちの姿を通して戦後の広島を描いたディスカッ
ション・ドラマ。本映画祭実行委員の山口逸郎が、初めてプロデュースに携わった作
品でもある。
プログラム4
ドキュメンタリー『幻の全原爆フィルム日本人の手へ! 悲劇の瞬間と37年目の対面』
1982年、製作:日本映像記録センター、監督:熊谷博子、72分、カラー
原爆投下直後、その惨状を撮影したフィルムは、日本占領期に米軍によって持ち去ら
れ、米国国立公文書館に所蔵された。時は過ぎ1980年代初頭、そのフィルムを市民の
カンパにより10フィートずつ買い戻す市民運動「10フィート運動」があった。このド
キュメンタリーは、その成果を用いて制作されたテレビ番組である。被爆者たちが、
フィルムに収められた、かつての自身の姿を見ながら、その決して癒えない生々しい
体験を語っていく。
プログラム5
ドキュメンタリー『あしたが消える −どうして原発?−』
1989年、製作:原発を考える映画人の会、構成演出:千葉茂樹/中嶋裕/田渕英夫/
金高謙二、55分、カラー
今から23年前、この作品は、まるで福島の大惨事を見通していたかのようである。若
くして骨ガンで亡くなった元原発技術者を父に持つ若い女性の思いと行動を追う。本
当の死因は? 元原子炉設計技師、被ばくの実態調査を行う医師、そして父親の部下
たちの証言。次々と原発の危険性が浮かびあがる。そしてスリーマイル、チェルノブ
イリ、六ヶ所村。「あしたを消さないために、私たちに今、何が問われているのだろ
うか」。
プログラム6
ドキュメンタリー『内部被ばくを生き抜く』
2012年、製作:株式会社環境テレビトラスト、監督:鎌仲ひとみ、80分、カラー
福島第一原発事故後、食べ物や検査に気をつかう福島県の親子たちを取材。あわせて、
実際に被ばくに関する医療活動を継続してきた、肥田舜太郎、鎌田實、児玉龍彦、ス
モルニコワ・バレンチナ(チェルノブイリの小児科医)の4名の医師に、私たちがこ
れからどう対処していけばいいのかを鎌仲監督が問いかける。「内部被ばくの時代」
をどうすれば生き抜くことが出来るのか、最前線で格闘する人々の声に耳を傾ける。
プログラム7
劇映画『その夜は忘れない』
1962年、製作:大映、監督:吉村公三郎、96分、モノクロ
雑誌記者の神谷(田宮二郎)は、原爆特集記事のために戦後17年目の広島を訪れる。
しかし取材先では紋切り型の話しか聞けず、原爆の傷は既に癒えているように見えた。
そんな中で出会ったバーのマダム・秋子(若尾文子)に惹かれていく神谷だが、彼女
には秘められた被爆体験があった。男女の悲恋を通し、被爆の記憶の風化と、その奥
にある癒えない傷を描いた先駆的な作品。
プログラム8
ドキュメンタリー『あの日 この校舎で ―五十年前に被爆したナガサキの記憶―』
1996年、製作:株式会社映像社・岩波映像株式会社、監督:吉川透、30分、カラー
この映画は、長崎市の新興善小学校で元気に遊び学ぶ子どもたちの姿から始まる。50
年前のあの日、被爆直後、この校舎は市民の救護所になり、約7000人の被爆者が運び
込まれた。当時の看護婦や看護学生たち、小学生だった被爆者などが再びこの校舎を
訪れ、その時、眼にし、耳にした生々しい体験を語る。未来世代に伝えるために、被
爆者たちが勇気を振り絞って語った貴重な証言。
ドキュメンタリー『二重被爆〜語り部・山口彊の遺言』
2011年、製作:タキシーズ、監督・企画・プロデューサ−:稲塚秀孝、70分、カラー
山口彊さんをはじめ7名が広島・長崎両市で被爆した体験の証言は、国内外に大きな
反響を呼んだ。その後、カメラは山口さんを追い続けた。「核兵器をなくすために、
皆さんの力をお貸し下さい」と世界に訴える言葉が胸に深く響く。そして、語られる
もう一つの遺言。「核は人間の世界にあってはいけない。核は平和的な利用と言って
も技術的にも倫理的にも問題があり、事故は止まらない。核が無くならないなら、人
類は滅亡に近づく。それを伝える為に生かされていると思う(2007年3月16日) 」。
※本作品は『二重被爆』(2006年、青木亮監督、稲塚秀孝企画・プロデューサー)と
は別の作品。
プログラム9
ドキュメンタリー『HELLFIRE:劫火−ヒロシマからの旅−』
1988年、製作:シグロ、監督:ジャン・ユンカーマン、58分、カラー
原爆投下直後の広島に入って被爆し、後に全15部にも及ぶ絵画「原爆の図」を描き続
けた、丸木位里と俊の夫妻を追うドキュメンタリー。夫妻が行う共同制作の貴重な風
景が収められているだけでなく、二人の芸術活動が、原爆を描くことから南京大虐殺
や沖縄戦、アウシュヴィッツ、そして水俣を描くことへと広がり、反戦と平和を求め
る生きざまへと繋がっていく、その創作の旅路が活写される。