2014年9月30日、第71回ビデオアクト上映会 〜子宮頸がんワクチン〜 を開催した。参加者は約35名。上映作品は、この日に間に合うよう再構成された『いま何が問題? "子宮頸がん" ワクチン(仮)』(25分)。制作者の一人、ふくしまゆみこさんは当日の14時にスコットランドから帰国したばかり。大きな荷物を抱えたまま、会場に駆けつけてくれた。
上映作品の『いま何が問題? "子宮頸がん" ワクチン(仮)』は、明解な仮タイトル通り、「子宮頸がんを予防できるワクチン」の問題点について、まとめられた作品だ。このワクチンは2009年に日本で認可され、2013年4月、国によって「法廷接種(無料)」に指定された。全国で約340万人の小中高校生の少女たちが接種したといわれている。ところが、厚生労働省へ副反応被害の報告が相次ぎ、2ヶ月後には接種勧奨が一時的に中止となった。副反応被害とは、失神、生理不順、全身の痛みが長く続く慢性疼痛や歩行障害などのほか、自分の意思に関係なく体が動いてしまう不随意運動、計算ができなくなる計算障害など、症状は様々だという。
子宮頸がんの原因となるのは、ヒトパピローマウイルスに感染することだという。しかし感染しても、ウイルスの99%以上は自然排出されてしまうので、がんになるのはごく一部。こまめに検診を受けて、がんになる前の病変を発見し治療すれば、命を落とすことも子どもを産めなくなることは、まずないという。制作者の一人である、ふくしまさんも子宮頸がんの元患者で、完治後には出産され、お子さんもいらっしゃる。つまりは、子宮頸がんを防ぐには、検診を受けて早期発見に心がけることが重要なのだそうだ。
本編上映後、2014年5月29日開催された集会での被害者の母親からの発言と、7月4日厚生労働省前での被害者、被害者家族からの発言をまとめた映像(約32分)も併映された。本編は学習用の体裁だが、こちらは、被害者や被害者家族の心情が伝わる生々しい映像だった。車椅子に座った少女は「不安を抱えながら毎日生きている。私は19歳だが、進学したり就職したりなど、できない状態にある。ストレスと片づける人々が信じられない。」と述べていた。
今回の上映会で私が一番驚いたことは、このワクチンの正式名称は「HPV(ヒトパピローマウイルス)感染症ワクチン」だということ。「子宮頸がんワクチン」とは名ばかりなのだ。しかも子宮頸がんが減少するという効果が期待されてはいるが、実際に達成された証拠がないそうだ。なんだそりゃ。胡散臭さ丸出し。私には子どもがいないけれど、接種させたくないなと強く思った。副反応被害の実態を知ったなら、ワクチン接種を受けさせたいと思う大人がどれほどいるのか。おそらく多くの人が躊躇するのではないのかと思う。きっと知らないだけだ。タダより怖いものはない!ワクチンの恐ろしさを、ひしひしと感じた。
正直なところ、映像作品としては、25分という短い時間に、やや情報過多な面があるにせよ、子宮頸がんワクチン接種の勧奨再開が懸念されている現在、たくさんの人に見てもらいたい作品だ。
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報告文:土屋トカチ
<参考サイト>
サルでもわかる子宮頸がんワクチン
全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会
厚生労働省・子宮頸がん予防ワクチンQ&A