2023年09月26日

【報告文】第119回 VIDEO ACT! 上映会 〜半自給自足、半映画作りの日々〜

上映作品:『めんどくさいことを手放さない暮らし』(監督:下之坊修子)

 去る9月21日に、第119回 VIDEO ACT! 上映会を開催しました。参加者は20名ほどでした。上映作品『めんどくさいことを手放さない暮らし』の監督・下之坊修子さんとは、長年、私たちVIDEO ACT!と繋がりがあり、これまでも何作も上映させて戴いている。本作は、8年前(製作時は7年前)に下之坊さんが大阪府河内長野市滝畑に移住してからの記録だ。
 滝畑は交通の便もあまりよくない、大阪南部の山村だ。下之坊さんは近くで生まれ育ったので、故郷でもある。縁があって、ここの古い平屋を買ったのだ。しばらく人が住んでいなかったこともあって、家の改修を始める。その改修も、誰かにお任せではなく、様々な人が駆けつけてきて、楽しそうに改修している。下之坊さんの人柄もあるのだろう。同時に、山間部での一人暮らしは、簡単ではないという現実を忠告してくれる方もいる。
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 この一軒家で、下之坊さんは、様々なプロジェクトや講座を始める。野菜作り、映画史講座、上映会、ミニコンサート、お金を語る会、女たちの食事会、エンディング講座、女たちの夏休み、などなど。どの催しも楽しそうだ。こうした催しは、困ったときに「助けて」と言える人間関係を作っていくことが根底にある。タイトルにある「めんどくさいこと」とは、家を改修したり、野菜を作ったりといった、自分に必要なことは出来るだけ自分でする、という実践のことだと思いますが、私は下之坊さんの活動を見ながら、人間関係のことでもあるな、と思いました。人と関わっていくことはめんどくさい。でも、生きていくためには人との関りも大切だ。だから、手放さない、と。私は下之坊さんのようには出来ないけれど、いろんな人にとって多くのヒントがあると思います。
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 上映後の滝畑からのzoomトークで下之坊さんも言っていましたが、当初は、市内の同級生達やこれまで関わってきた方たちが集まってくることが多かったが、徐々に地域の方との関係も深まり、地域の行事に参加する様子も描かれています。
 トークでは司会者から、滝畑に移住して後悔はないか、という率直な質問がありましたが、下之坊さんがきっぱりと「全然、後悔はない」と言っていたのが印象的でした。また、自分自身が変化しただけではなく、周りも変化しているとも。参加者からは、医療のこと、福祉のことなど具体的な質問もありました。「いなか暮らしは面白い」という、下之坊さんの言葉に表れているように、参加者も刺激を受けた、そんな上映会だったと思います。
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(本田孝義)

『めんどくさいことを手放さない暮らし』上映情報
http://terere.jugem.jp/?cid=46
posted by VIDEO ACT! スタッフ at 09:56| VIDEO ACT! 主催 上映会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする