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■ 第61回 VIDEO ACT! 上映会 ■
〜3.11避難民・福島県双葉町〜
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
=================================
■2012年9月26日(水)19時より
「福島だけで たくさんだから・・・。」
3.11原発事故以降、廃校になった埼玉県旧騎西高等学校へ避難してきた
福島県双葉町の住民たちの声、それぞれの生活を取材した。
7月28日開催の第6回レイバー映画祭で初上映された話題作を
新編集ヴァージョンで上映する。
■上映作品
--------------------------------------------------------------------
◆『原発の町を追われて 〜避難民・双葉町の記録』(2012年/50分〔予定〕)
撮影:堀切さとみ 西中誠一郎 井口みどり
制作・編集・ナレーション:堀切さとみ
出演:田中信一 渡部翠峰 堀井五郎 鵜沼友恵 小池信一 井戸川克隆
◆解説
福島第一原発のおひざもとにあり、
3・11直後、全世帯が避難勧告を受けた双葉町。
町は役場機能を埼玉県加須市に移し、
今も数百人が廃校になった高校を拠点に避難生活を送っている。
ふるさとを追われて一年。
原発と共に暮らしてきた双葉町の人たちは、今なにを思うのか。
--------------------------------------------------------------------
18時30分/開場 19時/開始
上映後、制作者の堀切さとみさんを交えての
トーク&ディスカッション有り。
終了予定時刻 20時50分
■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分
■参加費:500円(介助者は無料)
■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
(045-228-7996 [ローポジション気付] )
2012年09月26日
2012年08月02日
第60回VIDEO ACT!上映会〜棄てられた在朝被曝者〜 報告文
去る7月24日、第60回となるVIDEO ACT!の上映会は「棄てられた在朝被曝者」と題
して、『ヒロシマ・ピョンヤン』(監督・伊藤孝司)を上映した。本作は3年前の作品だが、
この作品を上映しようと思ったのは、次の3つの事をあらためて問いなおしてみたかった
からだ。一つは、主人公のリ・ゲソンさんは3歳の時に広島で入市被曝(原爆が落ちた時
は広島市内にいなかったが12日後広島市に入ったことによって被曝した)した方であると
いうこと。すなわち、今、福島での原発事故により懸念されている内部被曝の問題は、1945
年8月6日の原爆投下によっても発生していたことを知る必要があると思ったのだ。だか
ら、8月6日前の上映会で上映したかった。もちろん、日本と朝鮮民主主義人民共和国(以
下、北朝鮮)との関係を考えることも大切だ。こうした考えがなかなかうまく伝わらなか
ったようで、上映会参加者は約20人と、少しさびしい気がした。遠方から伊藤監督に来て
いただきながら、残念だった。
映画は写真家でもある伊藤監督が撮られた数々の北朝鮮の人々の姿から始まり、主人公
のリ・ゲソンさんの紹介に移っていく。なぜ、彼女が被曝したのか、なぜ、彼女が北朝鮮
に渡ったのかが、当時おかれていた朝鮮人の境遇を丁寧に説明することで分かってくる。
原爆投下の悲劇は数多く語られているけれど、そこで朝鮮人も被曝したことはほとんど語
られていない。そのことをあらためて思う。また、とても複雑な思いがするのは、リ・ゲ
ソンさんが自分が被爆者であることを知ったのは、57年後、2002年のことだった。あまり
にも体調が悪いリ・ゲソンさんを見て、訪朝した母親が事実を打ち明けたのだった。なぜ、
母親は黙っていたのか。被爆者であることが知れると娘や孫が差別される、と思ってきた
のだった。
日朝関係が悪化すると、マンギョンボン号の往来が禁止され、北朝鮮に一人で渡ったリ・
ゲソンさんは母親と会うことが出来なくなってしまった。母親に向けて切々と心情を語る
ラストシーンは圧巻だ。一方、「世界のどこにいても被爆者は被爆者である」という人道的
な見地から、医療支援に取り組む人たちもいる。私たちはこの視点を忘れるべきではない
だろう。
上映後の質疑応答で、思わぬ発言があった。本作の主人公の親族が見に来ていたのだっ
た。その人はこの映画のことを知らず、たまたまチラシを手にとってびっくりした、との
こと。そして周りの方にこの映画の事を話したら、「やらせではないか」と言われたそうだ。
だが、この日、映画を見て「これは本当の話だ」と思ったのだそうだ。上映会ではこうい
う出会いがあるから嬉しい。そして、私は『ヒロシマ・ピョンヤン』はもっともっと広く
見られていくべき作品だということを確信した。
(報告:本田孝義)
して、『ヒロシマ・ピョンヤン』(監督・伊藤孝司)を上映した。本作は3年前の作品だが、
この作品を上映しようと思ったのは、次の3つの事をあらためて問いなおしてみたかった
からだ。一つは、主人公のリ・ゲソンさんは3歳の時に広島で入市被曝(原爆が落ちた時
は広島市内にいなかったが12日後広島市に入ったことによって被曝した)した方であると
いうこと。すなわち、今、福島での原発事故により懸念されている内部被曝の問題は、1945
年8月6日の原爆投下によっても発生していたことを知る必要があると思ったのだ。だか
ら、8月6日前の上映会で上映したかった。もちろん、日本と朝鮮民主主義人民共和国(以
下、北朝鮮)との関係を考えることも大切だ。こうした考えがなかなかうまく伝わらなか
ったようで、上映会参加者は約20人と、少しさびしい気がした。遠方から伊藤監督に来て
いただきながら、残念だった。
映画は写真家でもある伊藤監督が撮られた数々の北朝鮮の人々の姿から始まり、主人公
のリ・ゲソンさんの紹介に移っていく。なぜ、彼女が被曝したのか、なぜ、彼女が北朝鮮
に渡ったのかが、当時おかれていた朝鮮人の境遇を丁寧に説明することで分かってくる。
原爆投下の悲劇は数多く語られているけれど、そこで朝鮮人も被曝したことはほとんど語
られていない。そのことをあらためて思う。また、とても複雑な思いがするのは、リ・ゲ
ソンさんが自分が被爆者であることを知ったのは、57年後、2002年のことだった。あまり
にも体調が悪いリ・ゲソンさんを見て、訪朝した母親が事実を打ち明けたのだった。なぜ、
母親は黙っていたのか。被爆者であることが知れると娘や孫が差別される、と思ってきた
のだった。
日朝関係が悪化すると、マンギョンボン号の往来が禁止され、北朝鮮に一人で渡ったリ・
ゲソンさんは母親と会うことが出来なくなってしまった。母親に向けて切々と心情を語る
ラストシーンは圧巻だ。一方、「世界のどこにいても被爆者は被爆者である」という人道的
な見地から、医療支援に取り組む人たちもいる。私たちはこの視点を忘れるべきではない
だろう。
上映後の質疑応答で、思わぬ発言があった。本作の主人公の親族が見に来ていたのだっ
た。その人はこの映画のことを知らず、たまたまチラシを手にとってびっくりした、との
こと。そして周りの方にこの映画の事を話したら、「やらせではないか」と言われたそうだ。
だが、この日、映画を見て「これは本当の話だ」と思ったのだそうだ。上映会ではこうい
う出会いがあるから嬉しい。そして、私は『ヒロシマ・ピョンヤン』はもっともっと広く
見られていくべき作品だということを確信した。
(報告:本田孝義)
2012年07月24日
第60回VIDEO ACT! 上映会 〜棄てられた在朝被爆者〜
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■ 第60回 VIDEO ACT! 上映会 ■
〜棄てられた在朝被爆者〜
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
=================================
■2012年7月24日(火)18時45分より (いつもより早めのスタートです)
『ヒロシマ・ピョンヤン』予告編
広島への原爆投下から59年目に、自らの被爆を知った平壌の娘。
広島の母から被爆した時のことを聞きたい。そして被爆の証が欲しい!
映画は、誰も予想しなかった結末で終わる。
■上映作品
--------------------------------------------------------------------
◆『ヒロシマ・ピョンヤン 〜棄てられた被爆者〜』(2009年/90分)
企画・構成・撮影・監督 伊藤孝司
監修:李実根/朗読:新屋英子/音楽:河弘哲
編集:土屋トカチ 小林アツシ
制作・配給:ヒロシマ・ピョンヤン制作委員会
◆あらすじ
朝鮮民主主義人民共和国の首都・平壌で暮らすリ・ゲソンさんは、
1945年当時、アメリカ軍による原爆投下から12日目の広島市内で
残留放射能に被爆した。
そして、日本が敗戦して65年を迎えた2010年、
同じように被爆した人々が被爆者健康手帳を取得しているのに、
なぜ自分は対象にならないのかリ・ゲソンさんは日本政府に問う。
--------------------------------------------------------------------
18時15分 開場
18時45分 開始 (いつもより早めのスタートです)
上映後、監督の伊藤孝司さんを交えての
トーク&ディスカッション有り。
終了予定時刻 20時50分
『ヒロシマ・ピョンヤン』ウェブサイト
■映画へのコメント
1945年8月17日広島へ入市した際に
残留放射能で被爆した在朝の李桂先さんを追う、圧巻の記録映画。
進行する健康悪化。国家の論理によって取得出来ない被爆者健康手帳…。
会えないオモニに語りかける長回しが胸を打つ。
中川敬(ミュージシャン/ソウル・フラワー・ユニオン)
「忘れられた被爆者」。
映画に登場するこの言葉がすべてを語っているだろう。
日朝関係に振り回されるケソンさんだが、
しかし、彼女とその夫の静かな幸せぶりがやけに印象に残ってもいる。
雨宮処凛 (作家)
■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分
■参加費:500円(介助者は無料)
■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
(045-228-7996 [ローポジション気付] )
jyouei@videoact.jp
★上映作品・スタッフ募集中!
http://www.videoact.jp
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■ 第60回 VIDEO ACT! 上映会 ■
〜棄てられた在朝被爆者〜
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
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■2012年7月24日(火)18時45分より (いつもより早めのスタートです)
『ヒロシマ・ピョンヤン』予告編
広島への原爆投下から59年目に、自らの被爆を知った平壌の娘。
広島の母から被爆した時のことを聞きたい。そして被爆の証が欲しい!
映画は、誰も予想しなかった結末で終わる。
■上映作品
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◆『ヒロシマ・ピョンヤン 〜棄てられた被爆者〜』(2009年/90分)
企画・構成・撮影・監督 伊藤孝司
監修:李実根/朗読:新屋英子/音楽:河弘哲
編集:土屋トカチ 小林アツシ
制作・配給:ヒロシマ・ピョンヤン制作委員会
◆あらすじ
朝鮮民主主義人民共和国の首都・平壌で暮らすリ・ゲソンさんは、
1945年当時、アメリカ軍による原爆投下から12日目の広島市内で
残留放射能に被爆した。
そして、日本が敗戦して65年を迎えた2010年、
同じように被爆した人々が被爆者健康手帳を取得しているのに、
なぜ自分は対象にならないのかリ・ゲソンさんは日本政府に問う。
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18時15分 開場
18時45分 開始 (いつもより早めのスタートです)
上映後、監督の伊藤孝司さんを交えての
トーク&ディスカッション有り。
終了予定時刻 20時50分
『ヒロシマ・ピョンヤン』ウェブサイト
■映画へのコメント
1945年8月17日広島へ入市した際に
残留放射能で被爆した在朝の李桂先さんを追う、圧巻の記録映画。
進行する健康悪化。国家の論理によって取得出来ない被爆者健康手帳…。
会えないオモニに語りかける長回しが胸を打つ。
中川敬(ミュージシャン/ソウル・フラワー・ユニオン)
「忘れられた被爆者」。
映画に登場するこの言葉がすべてを語っているだろう。
日朝関係に振り回されるケソンさんだが、
しかし、彼女とその夫の静かな幸せぶりがやけに印象に残ってもいる。
雨宮処凛 (作家)
■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分
■参加費:500円(介助者は無料)
■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
(045-228-7996 [ローポジション気付] )
jyouei@videoact.jp
★上映作品・スタッフ募集中!
http://www.videoact.jp
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2012年06月19日
第59回ビデオアクト上映会〜破壊される先住民族の権利〜報告文
上映作品
「森の慟哭」 監督:中井信介
5月29日、59回目のビデオアクト上映会がいつもの会場、東京ボランティア市民活動センターで行われた。上映作品は、中井信介監督の『森の慟哭』。マレーシアのサラワク州におけるアブラヤシのプランテーション開発の問題点を丁寧に浮き彫りにして行く秀作だ。
観ていて印象に残ったのは、対照的なふたつの言葉だ。ひとつは、開発に反対するダタビラ村の村長の言葉。「土地は命。この森は私たちの銀行なのです」。もうひとつは、日本の開発業者の言葉。「彼らに持続可能な森林経営を理解させるのは大変だ」。村長は、森から生きていく為の糧を頂きながら、伝統的な智恵を使って森と共存してきた。開発業者は、森を経営対象とみなし、コントロールしようとする。私は、両者の違いを善悪で判断しようとは思わない。しかし、グローバリズムは、多様な生き方の選択を不可能にし、世界を一色で塗りつぶす。作品を観ながら、そんなことを考えさせらた。
上映後は、監督の中井信介さんと彼の取材をコーディネートしたフォトジャーナリストの峠隆一さんを交えてのトーク&ディスカッションがあった。中井さんは、80年代後半、ネイティブの暮らしに憧れ、何度かサラワクを訪れたことがあったという。当時は、森林伐採が問題とされていたが、プランテーション開発はなかった。しかし、近年の開発の酷さを知り、取材してテレビ番組の企画として持ち込んだが「視聴率が取れない」という理由で断られたという話をして下さった。峠さんは、サラワクに20年以上通っているというツワモノで、80年代後半の森林伐採問題の時、マスコミはブームは作っただけだったと語った。
お二人の話を聞いていたら、「経営する」という感覚とは全く違った森との共存のイメージが伝わってきた。中井さんは、「サラワクの人々は、楽しんで生きるのが上手」と言った。峠さんは、「サラワクには、”福祉”、”ボランティア”という言葉がない」と教えてくれた。困っている人を無償で助けるのは、ごく自然な振る舞いだからだ。
私の実家は群馬の兼業農家だ。かつて、お袋に今までで一番旨かった食い物は何かと尋ねたことがある。お袋は、「真夏の野良仕事の最中にもいで喰ったトマト」と答えた。「いやいや、お母さん、スタバの何とかコーヒーの旨いよ」と諭したとしても、「おら、やだ」と一蹴されるだろう。豊かさは一色ではないことを、今回の上映会で再認識させてもらった。
(報告:土屋 豊)
「森の慟哭」 監督:中井信介
5月29日、59回目のビデオアクト上映会がいつもの会場、東京ボランティア市民活動センターで行われた。上映作品は、中井信介監督の『森の慟哭』。マレーシアのサラワク州におけるアブラヤシのプランテーション開発の問題点を丁寧に浮き彫りにして行く秀作だ。
観ていて印象に残ったのは、対照的なふたつの言葉だ。ひとつは、開発に反対するダタビラ村の村長の言葉。「土地は命。この森は私たちの銀行なのです」。もうひとつは、日本の開発業者の言葉。「彼らに持続可能な森林経営を理解させるのは大変だ」。村長は、森から生きていく為の糧を頂きながら、伝統的な智恵を使って森と共存してきた。開発業者は、森を経営対象とみなし、コントロールしようとする。私は、両者の違いを善悪で判断しようとは思わない。しかし、グローバリズムは、多様な生き方の選択を不可能にし、世界を一色で塗りつぶす。作品を観ながら、そんなことを考えさせらた。
上映後は、監督の中井信介さんと彼の取材をコーディネートしたフォトジャーナリストの峠隆一さんを交えてのトーク&ディスカッションがあった。中井さんは、80年代後半、ネイティブの暮らしに憧れ、何度かサラワクを訪れたことがあったという。当時は、森林伐採が問題とされていたが、プランテーション開発はなかった。しかし、近年の開発の酷さを知り、取材してテレビ番組の企画として持ち込んだが「視聴率が取れない」という理由で断られたという話をして下さった。峠さんは、サラワクに20年以上通っているというツワモノで、80年代後半の森林伐採問題の時、マスコミはブームは作っただけだったと語った。
お二人の話を聞いていたら、「経営する」という感覚とは全く違った森との共存のイメージが伝わってきた。中井さんは、「サラワクの人々は、楽しんで生きるのが上手」と言った。峠さんは、「サラワクには、”福祉”、”ボランティア”という言葉がない」と教えてくれた。困っている人を無償で助けるのは、ごく自然な振る舞いだからだ。
私の実家は群馬の兼業農家だ。かつて、お袋に今までで一番旨かった食い物は何かと尋ねたことがある。お袋は、「真夏の野良仕事の最中にもいで喰ったトマト」と答えた。「いやいや、お母さん、スタバの何とかコーヒーの旨いよ」と諭したとしても、「おら、やだ」と一蹴されるだろう。豊かさは一色ではないことを、今回の上映会で再認識させてもらった。
(報告:土屋 豊)
2012年05月29日
第59回 VIDEO ACT! 上映会 〜破壊される先住民族の権利〜
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■ 第59回 VIDEO ACT! 上映会 ■
〜破壊される先住民族の権利〜
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
■協力団体:国際環境NGO FoE Japan
=================================
■2012年5月29日(火)19時より
私は聞きたい。
もしも私があなたの街の銀行を破壊したら、
何が起こるでしょう?
それは私たちの現状と同じです。
森は私たちの銀行なのです。
(ダタビラ村 村長の言葉)
『森の慟哭』予告編
■上映作品
--------------------------------------------------------------------
◆『森の慟哭』(2010年/45分)
監督:中井信介
制作:国際環境NGO FoE Japan
マレーシアのサラワク州には、先祖代々の智恵と伝統を受けつぎ、
森の恵みに頼って暮らしてきた人々がいます。
その森からは、かつて世界中に木材が輸出され、
森林は急速に後退しました。
残された二次林も今、次々と
アブラヤシ・プランテーションの海に飲み込まれています。
開発は、森とともに生活する先住民族の権利を軽視した形で進められ、
先住民族と政府・企業の間の係争も数多く起きています。
そして日本は、昔も今もサラワクの木材の最大顧客です。
--------------------------------------------------------------------
18時30分 開場
19時00分 開始
上映後、監督の監督の中井信介さん、
フォトジャーナリストの峠隆一さんを交えての
トーク&ディスカッション有り。
(当初、登壇を予定されておりました、プロデューサーの三柴淳一さんは
ご都合により欠席となりました。ご了承ください。)
終了予定時刻 20時50分
■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分
■参加費:500円(介助者は無料)
■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
(045-228-7996 [ローポジション気付] )
jyouei@videoact.jp
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■ 第59回 VIDEO ACT! 上映会 ■
〜破壊される先住民族の権利〜
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
■協力団体:国際環境NGO FoE Japan
=================================
■2012年5月29日(火)19時より
私は聞きたい。
もしも私があなたの街の銀行を破壊したら、
何が起こるでしょう?
それは私たちの現状と同じです。
森は私たちの銀行なのです。
(ダタビラ村 村長の言葉)
『森の慟哭』予告編
■上映作品
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◆『森の慟哭』(2010年/45分)
監督:中井信介
制作:国際環境NGO FoE Japan
マレーシアのサラワク州には、先祖代々の智恵と伝統を受けつぎ、
森の恵みに頼って暮らしてきた人々がいます。
その森からは、かつて世界中に木材が輸出され、
森林は急速に後退しました。
残された二次林も今、次々と
アブラヤシ・プランテーションの海に飲み込まれています。
開発は、森とともに生活する先住民族の権利を軽視した形で進められ、
先住民族と政府・企業の間の係争も数多く起きています。
そして日本は、昔も今もサラワクの木材の最大顧客です。
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18時30分 開場
19時00分 開始
上映後、監督の監督の中井信介さん、
フォトジャーナリストの峠隆一さんを交えての
トーク&ディスカッション有り。
(当初、登壇を予定されておりました、プロデューサーの三柴淳一さんは
ご都合により欠席となりました。ご了承ください。)
終了予定時刻 20時50分
■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分
■参加費:500円(介助者は無料)
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(045-228-7996 [ローポジション気付] )
jyouei@videoact.jp
★上映作品・スタッフ募集中!
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2012年03月28日
VIDEO ACT! 『しみじみと歩いてる』上映後/島田暁トーク
2012年3月16日に行われた、■第58回 VIDEO ACT! 上映会■〜性的マイノリティの現状〜 『しみじみと歩いてる』上映後の監督・島田暁さんのトークをご本人が撮影した映像です。
2012年03月07日
第58回 VIDEO ACT! 上映会 〜性的マイノリティの現状〜 報告文
3月6日の第58回VIDEO ACT!の上映会では『しみじみと歩いてる』(2010年/島田暁
監督)を上映した。参加者は約25名。上映後には監督の島田さんを交えたディスカッショ
ンを行った。
本作の監督・島田暁さんはゲイであることをカミングアウトし、ブログやツイッターで
も日々思ったことを綴っている。映画は2006年の関西レインボーパレードで出会ったレズ
ビアン、ゲイ、トランスジェンダーの人々を描いていく。特に後半は、トランスジェンダ
ーの黒田綾さんの悩み、葛藤が中心となる。
ひとくくりに「性的マイノリティー」と言っても、映画に出てくる人たちが経験してき
たことは様々だ。だから、ジェンダーについて普段あまり考えたことがない人にとっては、
少々分かりにくい映画かもしれない。監督の島田さんは上映後のトークの中で、ラベリン
グを最小限にしたかったので、あえて観客に混乱を招く編集をした、と語っていた。その
成否については、本人も上映会を重ねながら確かめている様子だった。確かに、この映画
に「解説」を期待すると期待は裏切られるであろう。会場からもそうした声があった。だ
が同時に当事者たちの声に耳を傾けていく中で、見ているこちらも、ジェンダーについて
色々な事を考えるようになってくるはずだ。
映画の中で、黒田綾さんはお兄さんに会う。(直接会っているシーンはない。)女性にな
ろうとしている綾さんを兄は全く理解できず、怒りにも似た感情があることが分かる。し
かし、もう一度兄に向かい合うことで、その兄が「分からない」ことが綾さんにはよく分
かり、そのことがよかった、と語る。この時の安堵の表情が印象的だ。
分からないことを分かったようにして語ることは簡単かもしれない。けれども、分から
なくても向き合うことの方がもっと大切なことかもしれない。
島田さんがトークで語っていたところによると、性的マイノリティーの当事者とそうで
はない人では感想が違うそうだ。当事者の方は映画で語られる社会の構造の部分に反応す
ることが多いらしい。私は当事者ではないのだが、上映後の打ち上げで島田さんが「ジェ
ンダーにもグラデーションがあるんです」と語っていたことがとても印象に残っている。
異性愛者と思っている人の中にも揺らぎはあるし、社会的に強制される「男性性」「女性性」
に窮屈さを感じている人もいる。本作はそういうグラデーションに気付くきっかけにもな
るだろう。
映画のラスト近く、再びレインボーパレードを歩く黒田綾さんが「しみじみと歩いてる」
と呟く。その「しみじみ」に込められた思いが忘れがたい余韻を残す映画だった。
報告:本田孝義
監督)を上映した。参加者は約25名。上映後には監督の島田さんを交えたディスカッショ
ンを行った。
本作の監督・島田暁さんはゲイであることをカミングアウトし、ブログやツイッターで
も日々思ったことを綴っている。映画は2006年の関西レインボーパレードで出会ったレズ
ビアン、ゲイ、トランスジェンダーの人々を描いていく。特に後半は、トランスジェンダ
ーの黒田綾さんの悩み、葛藤が中心となる。
ひとくくりに「性的マイノリティー」と言っても、映画に出てくる人たちが経験してき
たことは様々だ。だから、ジェンダーについて普段あまり考えたことがない人にとっては、
少々分かりにくい映画かもしれない。監督の島田さんは上映後のトークの中で、ラベリン
グを最小限にしたかったので、あえて観客に混乱を招く編集をした、と語っていた。その
成否については、本人も上映会を重ねながら確かめている様子だった。確かに、この映画
に「解説」を期待すると期待は裏切られるであろう。会場からもそうした声があった。だ
が同時に当事者たちの声に耳を傾けていく中で、見ているこちらも、ジェンダーについて
色々な事を考えるようになってくるはずだ。
映画の中で、黒田綾さんはお兄さんに会う。(直接会っているシーンはない。)女性にな
ろうとしている綾さんを兄は全く理解できず、怒りにも似た感情があることが分かる。し
かし、もう一度兄に向かい合うことで、その兄が「分からない」ことが綾さんにはよく分
かり、そのことがよかった、と語る。この時の安堵の表情が印象的だ。
分からないことを分かったようにして語ることは簡単かもしれない。けれども、分から
なくても向き合うことの方がもっと大切なことかもしれない。
島田さんがトークで語っていたところによると、性的マイノリティーの当事者とそうで
はない人では感想が違うそうだ。当事者の方は映画で語られる社会の構造の部分に反応す
ることが多いらしい。私は当事者ではないのだが、上映後の打ち上げで島田さんが「ジェ
ンダーにもグラデーションがあるんです」と語っていたことがとても印象に残っている。
異性愛者と思っている人の中にも揺らぎはあるし、社会的に強制される「男性性」「女性性」
に窮屈さを感じている人もいる。本作はそういうグラデーションに気付くきっかけにもな
るだろう。
映画のラスト近く、再びレインボーパレードを歩く黒田綾さんが「しみじみと歩いてる」
と呟く。その「しみじみ」に込められた思いが忘れがたい余韻を残す映画だった。
報告:本田孝義
2012年03月06日
第58回 VIDEO ACT! 上映会 〜性的マイノリティの現状〜
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■ 第58回 VIDEO ACT! 上映会 ■
〜性的マイノリティの現状〜
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
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■2012年3月6日(火)19時より
大阪の御堂筋を性的マイノリティとその友人たちが歩く
『関西レインボーパレード』。
そこで出会ったレズビアン、ゲイ、MtFトランスジェンダー、
FtMトランスジェンダー、それぞれの日常生活、それぞれの違い、
家族へのカミングアウト、仕事場や人間関係における葛藤や喜び。
ゲイである監督が日本の性的マイノリティの現状に迫っていくドキュメンタリー。
第2回 座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル奨励賞受賞。
■上映作品
--------------------------------------------------------------------
◆『しみじみと歩いてる』(2010年/68分)
監督:島田暁
地方に住む同性愛者の思いやパレードに対する思い。
そして性自認が揺らいだり、越境する際の障害の複雑な心をじっくりと見つめていく。
歳をとってから女性として生きることを決めた男性の迷いや
性が揺らぐことの不安定さを、ゲイ青年である監督が当事者の観点で伝える。
「性」とは何か?一生懸命、いまを生きる性的マイノリティたちの人生の複雑さが、
見るものに深く問いかける。
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18時30分 開場
19時00分 開始
上映後、島田暁さんを交えて
トーク&ディスカッション有り。
終了予定時刻 20時50分
■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分
■参加費:500円(介助者は無料)
■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
(045-228-7996 [ローポジション気付] )
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★上映作品・スタッフ募集中!
http://www.videoact.jp
■ 第58回 VIDEO ACT! 上映会 ■
〜性的マイノリティの現状〜
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
=================================
■2012年3月6日(火)19時より
大阪の御堂筋を性的マイノリティとその友人たちが歩く
『関西レインボーパレード』。
そこで出会ったレズビアン、ゲイ、MtFトランスジェンダー、
FtMトランスジェンダー、それぞれの日常生活、それぞれの違い、
家族へのカミングアウト、仕事場や人間関係における葛藤や喜び。
ゲイである監督が日本の性的マイノリティの現状に迫っていくドキュメンタリー。
第2回 座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル奨励賞受賞。
■上映作品
--------------------------------------------------------------------
◆『しみじみと歩いてる』(2010年/68分)
監督:島田暁
地方に住む同性愛者の思いやパレードに対する思い。
そして性自認が揺らいだり、越境する際の障害の複雑な心をじっくりと見つめていく。
歳をとってから女性として生きることを決めた男性の迷いや
性が揺らぐことの不安定さを、ゲイ青年である監督が当事者の観点で伝える。
「性」とは何か?一生懸命、いまを生きる性的マイノリティたちの人生の複雑さが、
見るものに深く問いかける。
--------------------------------------------------------------------
18時30分 開場
19時00分 開始
上映後、島田暁さんを交えて
トーク&ディスカッション有り。
終了予定時刻 20時50分
■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分
■参加費:500円(介助者は無料)
■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
(045-228-7996 [ローポジション気付] )
jyouei@videoact.jp
★上映作品・スタッフ募集中!
http://www.videoact.jp
2012年03月05日
第57回 VIDEO ACT!上映会 〜東日本大震災、命を救う人々〜 報告文
2011年3月11日に起きた東日本大震災が起きた瞬間から現在に至るまで、プロ・アマ問わず多くの人たちによって映像が記録されている。公開されているいないに限らず、その多くはその時にしか撮れない貴重な映像である事は間違いない。そのなかにはドキュメンタリーという形で作品化された映像もいくつかある。(いちおう明らかにしておくと、私は映像制作者の一人であるが、今回は何も撮っていない。)
12月13日に行われたビデオアクト上映会では、ふたつの作品が上映された。両方とも震災後のたいへんな状況の中で「弱者」に焦点をあてた作品だ。
「動物たちの大震災−生きてきた、150日の日々−」
宍戸大裕さんは、震災直後、自宅を失った人にビデオカメラを片手に話しかけ、答えてもらったとたんに思わずカメラを落としてしまったという。撮っていいのだろうか、話しかけていいのだろうか、という葛藤があったのだろう。
そんな宍戸さんが撮り続けているのが、震災後の動物たちとそれを支える人たちの活動だ。放置されている動物たち、ペットを無くしてしまった人、生き別れてしまったけれども会うことができた人、奮闘する動物愛護の人たち、それぞれを丹念に追いかけている。
印象的だったのは、意外にあっけらかんと震災時の事を話していた人だ。私も2009年に洪水の被害に遭った人たちを数ヶ月後に取材した事があるが、意外にあっけらかんと、むしろ「こんなに凄い事になったんだ」と当時を懐かしむように話してくれる人がいた。人はたいへんな被害に遭っても、それを第三者に話す事で自らの経験を対象化する事ができる。宍戸さんの映像には、そんなふうにあっけらかんと話す人や、そんな人がちょっとだけほろっとする場面も記録されている。
ちょっと思った事がある。動物を救おうとしている人たちや、ペットに久しぶりに会えて喜んでいる人たちは、活き活きと描かれているけれども、そもそも人間がたいへんな時になぜ動物なんだろうという疑問が沸いてくるのだ。上映会に参加した人のアンケートにも同様の意見があった。宍戸さん自身、動物が好きなようなので、違和感は感じないで創っているのだと思う。しかし、動物にそれほど意識が向かわない人にとっては「なんで動物ばっかり助けるんだ」「なんで動物や動物に関わる人だけを撮るんだ」という感覚を持つ人もいるだろう。そうした疑問に対して動物を助けている人たちの答えを聞いたり、あるいは作品を創っている自分自身に問いかける必要があるのではないだろうか。
宍戸さんは、今後も撮影を続けて大きな作品を創り上げようとしているという。ぜひ、多くの人の心に響く作品を期待したい。
『子どもたちを放射能から守れ 福島のたたかい』
湯本雅典さんは、元小学校の教員をしていた。子どもが好きな湯本さんは、原発事故が起きて、なんとかして子どもたちを守りたいと思ったそうだ。
しかし、文部科学省は安全基準の値を上げるなど、子どもたちを守るとは反対の事をしているように思えてならない。以前から社会に訴える映像作品をいくつも創ってきた湯本さんは、震災以降、何度も福島に足を運び、作品を創り続けている。
上映後のトークで、湯本さんは「この問題はまだ終わっていないのに、映画は終わらなきゃならない」と悩みを打ち明けていた。映像作品を創りあげる事以上に、子どもたちを守りたいのだ。
映像作品を創る目的がはっきりしている湯本さんは、必然的に同様の目的、つまり子どもたちを守りたいと思っている親たちの運動にシンパシーを感じ、熱い想いで取材し、作品の中で紹介する。運動に寄り添って創っている映像なために、その運動そのものにそれほど関心がない人やクールに映像を観ようとする人には、メッセージが届きづらいという側面もあると思う。
ふたつの作品の上映後、感想を述べた人のなかには「正しい事を正しいと言っても面白くない」「もっとエンターテイメント性を考えて作ったほうがいい」という意見を言う人もいた。自主制作なのでどんな創り方をしようが自由だが、自分の意図とは相反する意見にも晒されるのが表現活動だ。
この点については湯本さんが自身のブログでも書いている。
http://blog.goo.ne.jp/gakkouwoyamemasu/e/23d889f04f2ea98afe9230a1f20d69fd
湯本さんも福島で取材を続け、作品を創り続けている。
宍戸さんと同様、確信をもった力作を期待している。
報告 小林アツシ
12月13日に行われたビデオアクト上映会では、ふたつの作品が上映された。両方とも震災後のたいへんな状況の中で「弱者」に焦点をあてた作品だ。
「動物たちの大震災−生きてきた、150日の日々−」
宍戸大裕さんは、震災直後、自宅を失った人にビデオカメラを片手に話しかけ、答えてもらったとたんに思わずカメラを落としてしまったという。撮っていいのだろうか、話しかけていいのだろうか、という葛藤があったのだろう。
そんな宍戸さんが撮り続けているのが、震災後の動物たちとそれを支える人たちの活動だ。放置されている動物たち、ペットを無くしてしまった人、生き別れてしまったけれども会うことができた人、奮闘する動物愛護の人たち、それぞれを丹念に追いかけている。
印象的だったのは、意外にあっけらかんと震災時の事を話していた人だ。私も2009年に洪水の被害に遭った人たちを数ヶ月後に取材した事があるが、意外にあっけらかんと、むしろ「こんなに凄い事になったんだ」と当時を懐かしむように話してくれる人がいた。人はたいへんな被害に遭っても、それを第三者に話す事で自らの経験を対象化する事ができる。宍戸さんの映像には、そんなふうにあっけらかんと話す人や、そんな人がちょっとだけほろっとする場面も記録されている。
ちょっと思った事がある。動物を救おうとしている人たちや、ペットに久しぶりに会えて喜んでいる人たちは、活き活きと描かれているけれども、そもそも人間がたいへんな時になぜ動物なんだろうという疑問が沸いてくるのだ。上映会に参加した人のアンケートにも同様の意見があった。宍戸さん自身、動物が好きなようなので、違和感は感じないで創っているのだと思う。しかし、動物にそれほど意識が向かわない人にとっては「なんで動物ばっかり助けるんだ」「なんで動物や動物に関わる人だけを撮るんだ」という感覚を持つ人もいるだろう。そうした疑問に対して動物を助けている人たちの答えを聞いたり、あるいは作品を創っている自分自身に問いかける必要があるのではないだろうか。
宍戸さんは、今後も撮影を続けて大きな作品を創り上げようとしているという。ぜひ、多くの人の心に響く作品を期待したい。
『子どもたちを放射能から守れ 福島のたたかい』
湯本雅典さんは、元小学校の教員をしていた。子どもが好きな湯本さんは、原発事故が起きて、なんとかして子どもたちを守りたいと思ったそうだ。
しかし、文部科学省は安全基準の値を上げるなど、子どもたちを守るとは反対の事をしているように思えてならない。以前から社会に訴える映像作品をいくつも創ってきた湯本さんは、震災以降、何度も福島に足を運び、作品を創り続けている。
上映後のトークで、湯本さんは「この問題はまだ終わっていないのに、映画は終わらなきゃならない」と悩みを打ち明けていた。映像作品を創りあげる事以上に、子どもたちを守りたいのだ。
映像作品を創る目的がはっきりしている湯本さんは、必然的に同様の目的、つまり子どもたちを守りたいと思っている親たちの運動にシンパシーを感じ、熱い想いで取材し、作品の中で紹介する。運動に寄り添って創っている映像なために、その運動そのものにそれほど関心がない人やクールに映像を観ようとする人には、メッセージが届きづらいという側面もあると思う。
ふたつの作品の上映後、感想を述べた人のなかには「正しい事を正しいと言っても面白くない」「もっとエンターテイメント性を考えて作ったほうがいい」という意見を言う人もいた。自主制作なのでどんな創り方をしようが自由だが、自分の意図とは相反する意見にも晒されるのが表現活動だ。
この点については湯本さんが自身のブログでも書いている。
http://blog.goo.ne.jp/gakkouwoyamemasu/e/23d889f04f2ea98afe9230a1f20d69fd
湯本さんも福島で取材を続け、作品を創り続けている。
宍戸さんと同様、確信をもった力作を期待している。
報告 小林アツシ
2011年12月13日
第57回 VIDEO ACT! 上映会 〜東日本大震災、命を救う人々〜
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■ 第57回 VIDEO ACT! 上映会 ■
〜東日本大震災、命を救う人々〜
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
=================================
■2011年12月13日(火)19時より
未曾有の被害をもたらした東日本大震災。
子どもたちや動物など、弱者の命を救う人々を捉えた
「子どもたちを放射能から守れ 福島のたたかい」(湯本雅典監督)
「動物たちの大震災−生きてきた、150日の日々−」(宍戸大裕監督)
2本の記録映像を一挙上映する。
■上映作品
--------------------------------------------------------------------
◆『動物たちの大震災−生きてきた、150日の日々−』(2011年/30分)
監督:宍戸大裕 プロデューサー:飯田基晴
製作:映像グループ ローポジション
東日本大震災では、人と同じく犬や猫たちも、
地震・津波・原発事故という困難に遭い、大きな受難を生き抜いてきました。
寄り添って生きてきた人々にも、困難の日々がありました。
宮城県石巻市で、30年以上にわたり活動するアニマルクラブ石巻では、
ボランティアスタッフや保護動物を津波で亡くしました。
福島県で活動してきた動物愛護団体SORAは、飼い主と離れ離れになった
犬や猫のシェルターを立ち上げています。
そして、原発20キロ圏内の警戒区域に残された
犬や猫の救出に向かうボランティアも奮闘しています。
動物と人が生き抜いてきた150日間の日々を紡ぎました。
◆『子どもたちを放射能から守れ 福島のたたかい』(2011年/37分)
監督:湯本雅典
出演者:中手聖一、佐藤幸子、鈴木浩行
福島第1原発の水素爆発は放射性物質を大気中に拡散させ、
それは福島県内外に飛散した。
国や県はそれを放置し、学校、保育園等の即時の放射値測定を怠った。
そればかりでなく文部科学省は、学校等の放射線暫定基準値として
20ミリシーベルト/年を発表。
その数字は、ただ単に国が決めた基準値1ミリシーベルト/年の20倍に
幼児・子どもをあてはめるという、あまりにも無謀なものであった。
そして福島の親たちは、ついに「子どもたち放射能からを守る」を
合言葉に立ち上がった。
--------------------------------------------------------------------
18時30分 開場
19時00分 開始
上映後、監督の宍戸大裕さん、湯本雅典さんを交えて
トーク&ディスカッション有り。
終了予定時刻 20時50分
■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分
■参加費:500円(介助者は無料)
■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
(045-228-7996 [ローポジション気付] )
jyouei@videoact.jp
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■ 第57回 VIDEO ACT! 上映会 ■
〜東日本大震災、命を救う人々〜
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
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■2011年12月13日(火)19時より
未曾有の被害をもたらした東日本大震災。
子どもたちや動物など、弱者の命を救う人々を捉えた
「子どもたちを放射能から守れ 福島のたたかい」(湯本雅典監督)
「動物たちの大震災−生きてきた、150日の日々−」(宍戸大裕監督)
2本の記録映像を一挙上映する。
■上映作品
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◆『動物たちの大震災−生きてきた、150日の日々−』(2011年/30分)
監督:宍戸大裕 プロデューサー:飯田基晴
製作:映像グループ ローポジション
東日本大震災では、人と同じく犬や猫たちも、
地震・津波・原発事故という困難に遭い、大きな受難を生き抜いてきました。
寄り添って生きてきた人々にも、困難の日々がありました。
宮城県石巻市で、30年以上にわたり活動するアニマルクラブ石巻では、
ボランティアスタッフや保護動物を津波で亡くしました。
福島県で活動してきた動物愛護団体SORAは、飼い主と離れ離れになった
犬や猫のシェルターを立ち上げています。
そして、原発20キロ圏内の警戒区域に残された
犬や猫の救出に向かうボランティアも奮闘しています。
動物と人が生き抜いてきた150日間の日々を紡ぎました。
◆『子どもたちを放射能から守れ 福島のたたかい』(2011年/37分)
監督:湯本雅典
出演者:中手聖一、佐藤幸子、鈴木浩行
福島第1原発の水素爆発は放射性物質を大気中に拡散させ、
それは福島県内外に飛散した。
国や県はそれを放置し、学校、保育園等の即時の放射値測定を怠った。
そればかりでなく文部科学省は、学校等の放射線暫定基準値として
20ミリシーベルト/年を発表。
その数字は、ただ単に国が決めた基準値1ミリシーベルト/年の20倍に
幼児・子どもをあてはめるという、あまりにも無謀なものであった。
そして福島の親たちは、ついに「子どもたち放射能からを守る」を
合言葉に立ち上がった。
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18時30分 開場
19時00分 開始
上映後、監督の宍戸大裕さん、湯本雅典さんを交えて
トーク&ディスカッション有り。
終了予定時刻 20時50分
■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分
■参加費:500円(介助者は無料)
■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
(045-228-7996 [ローポジション気付] )
jyouei@videoact.jp
★上映作品・スタッフ募集中!
http://www.videoact.jp
2011年10月29日
VIDEO ACT!&ローポジション @新・港村
<VIDEO ACT!&ローポジション @新・港村>
●「船、山にのぼる」英語字幕版上映&本田孝義監督トーク
9月9日(金)19:30〜21:30 映画公式サイト:http://www.fune-yama.com/
●「首都圏路上ネットワーク」上映&製作者トーク
9月17日(土)19:30〜21:00 作品公式サイト:http://www.vju.ne.jp/dtv/?page_id=939
●公募オムニバスビデオ「3・11」上映&製作者トーク
10月29日(土)19:30〜21:30 VIDEO ACT!公式サイト:http://www.videoact.jp/
募集要項:http://videoact.seesaa.net/article/219034679.html
※以上、VIDEO ACT!主催イベント
●「破片のきらめき」上映&高橋愼二監督トーク
8月19日(金)19:30〜21:30
映画公式サイト:http://www.geocities.jp/hahennokirameki/
●「タケオ ダウン症ドラマーの物語」劇場公開プレイベント
8月20日(土)19:00〜20:30
19:00〜タケオ&仲間たちのパレード&ライブ!(場所:円形劇場)
19:30〜DVD特典コンサート映像(53分)の上映&常田高志監督トーク(場所:スーパースクール) 映画公式サイト:http://www.takeo-cinema.jp/
●「いぬとねことにんげんと」DVD発売記念&被災地動物ドキュメント上映&監督トーク
9月3日(土)19:30〜21:30 「いぬとねことにんげんと」と「大震災から3ヶ月 被災地からの報告」の2作品の上映と飯田基晴&宍戸大裕監督によるトーク。 映画公式サイト:http://www.inunekoningen.com/
●「フツーの仕事がしたい」DVD発売記念イベント(上映&土屋トカチ監督トーク)
10月7日(金)19:30〜21:30 映画公式サイト:http://nomalabor.exblog.jp/
※以上、ローポジション主催イベント
※注記以外、両企画の上映は新・港村のスーパースクール会場を予定 BankART LifeV 新・港村公式サイト:http://shinminatomura.com/
参加費:いずれも500円(当日、会場にて)
※参加費とは別に、以下のBankART LifeVのチケット(新・港村パスポート)料金が必要です。 一般当日 300円 / 大学生当日 250円 / 高校生当日 200円
●「船、山にのぼる」英語字幕版上映&本田孝義監督トーク
9月9日(金)19:30〜21:30 映画公式サイト:http://www.fune-yama.com/
●「首都圏路上ネットワーク」上映&製作者トーク
9月17日(土)19:30〜21:00 作品公式サイト:http://www.vju.ne.jp/dtv/?page_id=939
●公募オムニバスビデオ「3・11」上映&製作者トーク
10月29日(土)19:30〜21:30 VIDEO ACT!公式サイト:http://www.videoact.jp/
募集要項:http://videoact.seesaa.net/article/219034679.html
※以上、VIDEO ACT!主催イベント
●「破片のきらめき」上映&高橋愼二監督トーク
8月19日(金)19:30〜21:30
映画公式サイト:http://www.geocities.jp/hahennokirameki/
●「タケオ ダウン症ドラマーの物語」劇場公開プレイベント
8月20日(土)19:00〜20:30
19:00〜タケオ&仲間たちのパレード&ライブ!(場所:円形劇場)
19:30〜DVD特典コンサート映像(53分)の上映&常田高志監督トーク(場所:スーパースクール) 映画公式サイト:http://www.takeo-cinema.jp/
●「いぬとねことにんげんと」DVD発売記念&被災地動物ドキュメント上映&監督トーク
9月3日(土)19:30〜21:30 「いぬとねことにんげんと」と「大震災から3ヶ月 被災地からの報告」の2作品の上映と飯田基晴&宍戸大裕監督によるトーク。 映画公式サイト:http://www.inunekoningen.com/
●「フツーの仕事がしたい」DVD発売記念イベント(上映&土屋トカチ監督トーク)
10月7日(金)19:30〜21:30 映画公式サイト:http://nomalabor.exblog.jp/
※以上、ローポジション主催イベント
※注記以外、両企画の上映は新・港村のスーパースクール会場を予定 BankART LifeV 新・港村公式サイト:http://shinminatomura.com/
参加費:いずれも500円(当日、会場にて)
※参加費とは別に、以下のBankART LifeVのチケット(新・港村パスポート)料金が必要です。 一般当日 300円 / 大学生当日 250円 / 高校生当日 200円
2011年08月12日
第56回 VIDEO ACT!上映会 〜「幸せな時間」 老いる・看取る・見守る、それぞれの視点から〜 報告文
第56回 VIDEO ACT! 上映会では、
〜「幸せな時間」老いる・看取る・見守る、それぞれの視点から〜と題し、
横山善太監督の「幸せな時間」を上映した。
本作品は2011年2月に開催された第2回 座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバルにて
観客賞を受賞した話題作だ。入場者は約50名。
監督、上映会企画者のがんばりの甲斐あってか、
普段のビデオアクト上映会よりも盛況な上映会となった。
「幸せな時間」は、50年もの歳月を共にした老夫婦が主人公だ。
二人のゆったりとした時間を、撮影者である孫娘が記録し、
大学時代の同級生であり、この映画の制作中に夫となった
横山監督が編集・構成を行った作品だ。
元々は映画にする意図はなく、孫が自身のおじいさんとおばあさんの姿を
なにげなく撮影していたそうだ。
途中、老夫婦にはそれぞれ病が見つかり、しっかりと記録し映画にしようという
意識が芽生え完成した作品だ。記録は5年にも及んだという。
撮影者は大学で映画を専攻していたことから、
映像は安定しており、とても美しい。
登場人物の一人であるお母さんの、本音でバシバシ語りながら
老夫婦を介護する姿もユーモラスで魅力的だし、
おばあさんの表情やしぐさ、「もっとそばにきて」と
体調の芳しくないおじいさんにささやく瞬間など、
身内でなければ捉えられない自然な雰囲気が特に印象的だった。
また、編集・構成を担当した監督は、
「おばあさんを見ていると、妻の老後を見ているような感覚を覚えた」とし、
老夫婦のラブストーリーに集約した構成を心がけたという。
確かに、映像の中のおばあさんは美しく慈愛に満ちた女性として描かれていた。
その辺りは、夫婦愛・家族愛を捉えた映像としてとても優れたものだと感じた。
タイトルの「幸せな時間」とは言い得て妙で、老夫婦にとっての幸せ、
そこに孫夫婦が介在できる幸せが込められていると素直に思えた。
その一方で、私にはどうしても映画の中に入り込めない部分もあった。
老夫婦の過去に関する情報は、ほとんど示されていないことだ。
二人の名前、暮らしている地域すら、明確に知らされない。
また、映画制作に関わった人物のクレジットさえ一切なく映画は終わるのだ。
当日の観客アンケートには「老夫婦の情報がないことで自分の祖父母と重ねて
映画を観ることができた」との好意的な声もあったが、老夫婦と暮らした経験のない、
シングルマザーの家庭で育った私には「ここは家族の領域だから、立ち入らないで!」と
言われているような、敷居の高さを感じてしまった。
「幸せな時間」は、金輪際私には訪れないのかと、悲しくなった。
二次会では、監督や関係者、ビデオアクトスタッフとで酒を飲みながら、
率直な意見を交わした。傑作と絶賛するスタッフもいる傍ら、
「孫が祖父母を撮ると、まるでペットを撮るようにふるまってしまう」
「孫のファンタジーとして構成しきれていない中途半端さがある。
監督は何を監督しようとしたのか?」などというような厳しい意見も飛び交うほど、
活発なものとなった。
(ビデオアクトスタッフは、ドキュメンタリー映画制作者が大半なので、
作品をより完成度の高いものにしたい思いもあり、
ストレートな意見をしたまでなので、意地悪な集団と思わないでいただきたい・・・)
「幸せな時間」は、今後劇場での公開を目指すという。
老夫婦と若い夫婦となった制作者。
二つのカップルがつむぐ愛の物語は、一層ブラッシュアップされ、
広く人々の心に届くことを私は願っている。
報告 土屋トカチ
〜「幸せな時間」老いる・看取る・見守る、それぞれの視点から〜と題し、
横山善太監督の「幸せな時間」を上映した。
本作品は2011年2月に開催された第2回 座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバルにて
観客賞を受賞した話題作だ。入場者は約50名。
監督、上映会企画者のがんばりの甲斐あってか、
普段のビデオアクト上映会よりも盛況な上映会となった。
「幸せな時間」は、50年もの歳月を共にした老夫婦が主人公だ。
二人のゆったりとした時間を、撮影者である孫娘が記録し、
大学時代の同級生であり、この映画の制作中に夫となった
横山監督が編集・構成を行った作品だ。
元々は映画にする意図はなく、孫が自身のおじいさんとおばあさんの姿を
なにげなく撮影していたそうだ。
途中、老夫婦にはそれぞれ病が見つかり、しっかりと記録し映画にしようという
意識が芽生え完成した作品だ。記録は5年にも及んだという。
撮影者は大学で映画を専攻していたことから、
映像は安定しており、とても美しい。
登場人物の一人であるお母さんの、本音でバシバシ語りながら
老夫婦を介護する姿もユーモラスで魅力的だし、
おばあさんの表情やしぐさ、「もっとそばにきて」と
体調の芳しくないおじいさんにささやく瞬間など、
身内でなければ捉えられない自然な雰囲気が特に印象的だった。
また、編集・構成を担当した監督は、
「おばあさんを見ていると、妻の老後を見ているような感覚を覚えた」とし、
老夫婦のラブストーリーに集約した構成を心がけたという。
確かに、映像の中のおばあさんは美しく慈愛に満ちた女性として描かれていた。
その辺りは、夫婦愛・家族愛を捉えた映像としてとても優れたものだと感じた。
タイトルの「幸せな時間」とは言い得て妙で、老夫婦にとっての幸せ、
そこに孫夫婦が介在できる幸せが込められていると素直に思えた。
その一方で、私にはどうしても映画の中に入り込めない部分もあった。
老夫婦の過去に関する情報は、ほとんど示されていないことだ。
二人の名前、暮らしている地域すら、明確に知らされない。
また、映画制作に関わった人物のクレジットさえ一切なく映画は終わるのだ。
当日の観客アンケートには「老夫婦の情報がないことで自分の祖父母と重ねて
映画を観ることができた」との好意的な声もあったが、老夫婦と暮らした経験のない、
シングルマザーの家庭で育った私には「ここは家族の領域だから、立ち入らないで!」と
言われているような、敷居の高さを感じてしまった。
「幸せな時間」は、金輪際私には訪れないのかと、悲しくなった。
二次会では、監督や関係者、ビデオアクトスタッフとで酒を飲みながら、
率直な意見を交わした。傑作と絶賛するスタッフもいる傍ら、
「孫が祖父母を撮ると、まるでペットを撮るようにふるまってしまう」
「孫のファンタジーとして構成しきれていない中途半端さがある。
監督は何を監督しようとしたのか?」などというような厳しい意見も飛び交うほど、
活発なものとなった。
(ビデオアクトスタッフは、ドキュメンタリー映画制作者が大半なので、
作品をより完成度の高いものにしたい思いもあり、
ストレートな意見をしたまでなので、意地悪な集団と思わないでいただきたい・・・)
「幸せな時間」は、今後劇場での公開を目指すという。
老夫婦と若い夫婦となった制作者。
二つのカップルがつむぐ愛の物語は、一層ブラッシュアップされ、
広く人々の心に届くことを私は願っている。
報告 土屋トカチ
2011年08月04日
第56回ビデオアクト上映会 〜「幸せな時間」 老いる・看取る・見守る、それぞれの視点から〜
================================
■ 第56回 VIDEO ACT! 上映会 ■
〜「幸せな時間」 老いる・看取る・見守る、それぞれの視点から〜
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
=================================
■2011年8月4日(木) 19時より
■上映作品 『幸せな時間』(2011年/71 分)
50年間連れ添った老夫婦。
ふたりには静かな毎日がありました。
そんな日々も少しずつ変化してゆきます。
記録する孫、介護する母、年老いた祖母・・・
3世代の視点が交差するなか、
老いるということ、幸せって、そして人生とは何か。
ゆっくりみつめてください。
一人の女性が捉えた家族の映像を
劇映画の監督が紡いだ、物語のようなドキュメンタリー。
「第2回 座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル」観客賞受賞の話題作です。
* * * * * * *
仲のよい二人を記録しよう、そう思って「私」はカメラを向けた。
ある日、認知症だといわれたおばあちゃんと癌が見つかったおじいちゃん。
二人の介護に奔走するお母さんは、いつもより少し厳しい。
そして、私を思い出せないおばあちゃんは、
おじいちゃんのことだけは心配している・・・
老いる・看取る・見守るの3つの現実からみえるもの。
3世代の目を通し、女性のひとつの人生が浮かび上がる。
あなたなら、この作品に何を感じるだろうか。
そして人はどれだけ、愛する人をみつめることができるのだろうか。
監督 横山善太 2011年/71分
第2回 座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル 観客賞受賞
☆上映後、横山善太監督を交えてのトーク&ディスカッション有り
18時30分 開場
19時00分 開始
(終了予定時刻 20時50分)
■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分
■参加費:500円(介助者は無料)
■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
★上映作品・スタッフ募集中!
http://www.videoact.jp
■ 第56回 VIDEO ACT! 上映会 ■
〜「幸せな時間」 老いる・看取る・見守る、それぞれの視点から〜
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
=================================
■2011年8月4日(木) 19時より
■上映作品 『幸せな時間』(2011年/71 分)
50年間連れ添った老夫婦。
ふたりには静かな毎日がありました。
そんな日々も少しずつ変化してゆきます。
記録する孫、介護する母、年老いた祖母・・・
3世代の視点が交差するなか、
老いるということ、幸せって、そして人生とは何か。
ゆっくりみつめてください。
一人の女性が捉えた家族の映像を
劇映画の監督が紡いだ、物語のようなドキュメンタリー。
「第2回 座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル」観客賞受賞の話題作です。
* * * * * * *
仲のよい二人を記録しよう、そう思って「私」はカメラを向けた。
ある日、認知症だといわれたおばあちゃんと癌が見つかったおじいちゃん。
二人の介護に奔走するお母さんは、いつもより少し厳しい。
そして、私を思い出せないおばあちゃんは、
おじいちゃんのことだけは心配している・・・
老いる・看取る・見守るの3つの現実からみえるもの。
3世代の目を通し、女性のひとつの人生が浮かび上がる。
あなたなら、この作品に何を感じるだろうか。
そして人はどれだけ、愛する人をみつめることができるのだろうか。
監督 横山善太 2011年/71分
第2回 座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル 観客賞受賞
☆上映後、横山善太監督を交えてのトーク&ディスカッション有り
18時30分 開場
19時00分 開始
(終了予定時刻 20時50分)
■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分
■参加費:500円(介助者は無料)
■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
★上映作品・スタッフ募集中!
http://www.videoact.jp
2011年06月11日
第55回 VIDEO ACT! 上映会 〜「さようならUR」完成記念試写会 〜 報告文
たとえばそろそろ腰を落ち着けようと公団に入り、
これが終の棲家と安心していたところ、
部屋から突然出て行かなければいけないとしたらどうするか。
早川由美子監督の新作「さようならUR」は、そうした問題を描いた作品。
5月26日、今回のビデオアクト上映会は、この作品の完成披露試写会を兼ねたせいか、
映画に登場した顔もちらほら入り混じりながら約40名が参加。関心の高さが伺えた。
長びく不況に下がる賃金。
痛いのは交通費か住宅費かという日常で、やっと入った公団が取り壊し。
建て直すならいいだろう、きれいになるのだからと言われるが、
きれいになったら家賃が上がる。
老後を安心してすごそうと入ったはずの公団で。
そして今は、
若くても同じ状況に陥ったら出て行かざるを得ないひとがたくさんいる。
そういう現状を見るにつけ、
「家賃のかからない世の中になればいい」という
監督の発想からスタートしたこの作品は、
UR(都市公団・地域公団)機構が老朽化を理由に
建て直しを決めた日野市高幡台団地についての問題を扱う。
お年寄りが多いという理由からか
団地の中の73号棟だけが無視された形で建て直しが決まるなど中の不協和音もあるが、
UR側が提示する計画書は塗りつぶされており、
感じよくねばりづよい新しい住居への勧誘は、矛盾であり滑稽である。
早川監督はつぶさにそれを表現しようと試みる。
演歌を流し、時代劇が始まるかのようにURのアメの部分を
ユーモアたっぷりに紹介したかと思えば、
理不尽さには突撃インタビューで切り込んでみせる場面は
この作品の見せ場である。
惜しむらくは、73号棟の生活臭をもっと匂わせて欲しかったことと、
映像や本人の雰囲気は柔らかいのに物語っていくときの展開や言葉が硬派で、
そこに少し違和感を感じることか。
会場では映画や取材方法への質問に、
自らを固定したビデオカメラで記録しながら丁寧に答える監督や、
撮ってもらえたことがうれしいと話す対象者とのやりとりが見受けられた。
そこにこれからも成長しつづけるであろう今作の魅力があるように思った。
早川監督も言うように、観るひとのことを考えて作ることや、
映像で表現しようと試みることはドキュメンタリーにおいても
これからますます必要になるように思う。
報告 白銀由布子
2011年05月26日
第55回 VIDEO ACT! 上映会〜「さようならUR」完成記念試写会〜
================================
■ 第55回 VIDEO ACT! 上映会 ■
〜『さようならUR』完成記念試写会〜
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
=================================
■2011年5月26日(木)19時より
耐震問題で揺れるUR(旧住宅公団)の団地。
生活基盤の住居が足元から揺らぐ…。
前作『ブライアンと仲間たち パーラメント・スクエアSW1』で
2009年度日本ジャーナリスト会議(JCJ)黒田清・JCJ新人賞を受賞した
早川由美子監督最新作、『さようならUR』完成記念試写会。
■上映作品
--------------------------------------------------------------------
◆『さようならUR』(2011年/約70分)
耐震性不足を理由に取り壊しが決まった、UR(旧住宅公団)管理の
高幡台団地73号棟(東京・日野市)。
数年前までURは耐震改修を行うと
住民に知らせていたにもかかわらず、突然の方針転換。
UR団地の住宅削減方針が決まったのと時を同じくして
発表された73号棟の取り壊し。
背景にあるのは団地の削減、民営化なのか?
偶然この問題を知った監督が、団地に住む人々の暮らしに密着し、
住宅問題の専門家、UR、国交省…と取材する中で、
地震国・日本の公共住宅とその将来を考えていく、
異色の”住宅”ドキュメンタリー映画。
ウェブサイト:http://www.petiteadventurefilms.com/
--------------------------------------------------------------------
18時30分 開場
19時00分 開始
上映後、監督の早川由美子さんを交えて
トーク&ディスカッション有り。
終了予定時刻 20時50分
上映会詳細ブログ
■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分
■参加費:500円(介助者は無料)
■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
(045-228-7996 [ローポジション気付] )
jyouei@videoact.jp
★上映作品・スタッフ募集中!
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■ 第55回 VIDEO ACT! 上映会 ■
〜『さようならUR』完成記念試写会〜
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
=================================
■2011年5月26日(木)19時より
耐震問題で揺れるUR(旧住宅公団)の団地。
生活基盤の住居が足元から揺らぐ…。
前作『ブライアンと仲間たち パーラメント・スクエアSW1』で
2009年度日本ジャーナリスト会議(JCJ)黒田清・JCJ新人賞を受賞した
早川由美子監督最新作、『さようならUR』完成記念試写会。
■上映作品
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◆『さようならUR』(2011年/約70分)
耐震性不足を理由に取り壊しが決まった、UR(旧住宅公団)管理の
高幡台団地73号棟(東京・日野市)。
数年前までURは耐震改修を行うと
住民に知らせていたにもかかわらず、突然の方針転換。
UR団地の住宅削減方針が決まったのと時を同じくして
発表された73号棟の取り壊し。
背景にあるのは団地の削減、民営化なのか?
偶然この問題を知った監督が、団地に住む人々の暮らしに密着し、
住宅問題の専門家、UR、国交省…と取材する中で、
地震国・日本の公共住宅とその将来を考えていく、
異色の”住宅”ドキュメンタリー映画。
ウェブサイト:http://www.petiteadventurefilms.com/
--------------------------------------------------------------------
18時30分 開場
19時00分 開始
上映後、監督の早川由美子さんを交えて
トーク&ディスカッション有り。
終了予定時刻 20時50分
上映会詳細ブログ
■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分
■参加費:500円(介助者は無料)
■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
(045-228-7996 [ローポジション気付] )
jyouei@videoact.jp
★上映作品・スタッフ募集中!
http://www.videoact.jp
2011年04月03日
第54回 VIDEO ACT!上映会 〜路上発!生きるための情報番組〜 報告文
3月30日(木)、第54回 VIDEO ACT!上映会 〜路上発!生きるための情報番組〜
を予定通り開催した。
上映したのは、
ダンボールで作られたスタジオから路上に関するニュースを淡々と伝える
「首都圏路上ネットワーク」と、VJUの若手が作った路上レポート。
上映作品
◆『VJU REPORT』Vol.3-Vol5(2009年・2010年/25分)
◆『首都圏路上ネットワーク 2010年12月号』(2010年/35分)
1kg,92円。アルミ缶を集めて、もらえる金額の1例だ。
ベテランさんが、がんばって、一日やっと1800円強の収入であるが、
空き缶1sとはいったい何個か、どれだけ集めたら1800円になるのか、
考えると気が遠くなる。
だが民間の炊き出しに頼っているばかりでは何もならないから
空き缶を拾って生活費にする。
それなのに、指定業者以外のアルミ缶持ち去り禁止条例を施行したり
度重なる過剰な公園整備、ネットカフェ規制など、
仕事を出さないのに締め出す国や行政。
一理ある、または正しいと思う人もいるだろう。
しかし、ある人たちにとっては「生きるな」と言われているのと同じだ。
作品の「どっこい!生きてる路上人生」コーナーに登場する
ろくさんは、建築現場での過酷な労働がたたり、体を壊して職を失った。
今はしかたなく路上生活をしている。
また、特集では生活保護を受けて何とか路上生活から脱出した人に密着。
部屋がないから定職に就けないのに、仕事がないから部屋がなかなか借りられない。
これは特殊なことだろうか?
誰の人生でも、いつ何があるかわからない。
突然の地震と津波ですべてを失う人がいるように。
見えない放射能に、わけもわからず避難させられた人がいるように。
今回、東日本大震災の影響で、イベント類は自粛ムード。
だからこそ、普通に上映しよう、今だからこそ野宿者のことにも目を向けようと、
上映会を予定通り行った。
今回の震災について、
「何かしなくては」と、力になろうとする人がたくさん出てきた。
おかげで物資が十分集まって受け取り終了になった避難所もある。
または、何かが足りない、となれば自ら出向く人もいる。
ボランティアしなくても節電に励む人もいる。
それを知ると、世の中捨てたものじゃない、と思える。
知らせること、知ることの大切さもわかる。
それでも、帰ってはいけない故郷、知らされない現状について
胸を痛め、悩み、国やマスコミ、東電への苛立ちやあきらめを持つ人たちの
現実にどれだけ寄り添えるのかは難しい。
直接何かを試みても、
ただ話を聞いてどうするのか、署名を集めて何になるのかと問われる。
何のための行動か自分には明確でも、当事者には遠い場合もある。
VJUの遠藤大輔氏が言った。
「たとえば被災地の人がどういう情報を欲しているのか、という観点に立った報道が
なぜできないか。情報が中央寄りになりすぎていないか」
阪神大震災を経験したVJU・中森圭二郎氏は、
「阪神のときと今回でマスコミ報道にさほど変わりはない。情報は外面で、
どこに何が足りないとか、どこにいけばどういう支援がされている、という直接的な内容は
知らされていない」と明言。
「情報から遮断された多くの当事者に役立つようやっていきたい」
ダンボールのスタジオから伝えるのは、より当事者に沿った報道をしたいからだ。
">
飯田橋ボランティアセンターでの上映に集まったのは約20名。
いつもより少なかったが、出かけづらい中、足を運んでくれた方々に心から感謝。
司会のビデオアクト・本田孝義が
「被災については、今何が起こっているか、から、被災して何があったのかを
アーカイブしていくことに、これからは変わっていくのでは」と話し、
遠藤氏は
「東日本大震災の死者数は1万人を超えたと報道があるし、日本中が大騒ぎしてる。
そのこと自体は日本人の底力として感動して受け止めるけれど、
ただ、日本の自殺者数は2.7万人なんです。
災害であれだけの人が亡くなって皆さんが心を砕くのなら、なぜ亡くなっていないけど、
生活に困窮している人がいることを受け止めてくれないのか、と訴えておきたい」
と話をまとめた。
メディアが当事者と一緒にいる、という状況をどこまで作り出せるか。
その観点から、新作映画を製作中のVJU、タイトルは「渋谷ブランニューデイズ」。
地下駐車場で暮らすホームレスに密着したもの。VJUならではの視点に注目したい。
ラストにその予告編も上映した。ただいま協賛者・支援者を募集中だ。
VJU(ビデオジャーナリストユニオン) http://www.vju.ne.jp/
DROPOUT TV(by VJU) http://www.vju.ne.jp/dtv/
路上でだってどっこい生きている。
自粛する心は大事にしたいが、普通に笑うことも生きることだ。
今回は、自分のリテラシーについても考えさせられ、
会場に足を運んでくれた人たちにも希望を感じた上映会だった。
報告 白銀由布子
を予定通り開催した。
上映したのは、
ダンボールで作られたスタジオから路上に関するニュースを淡々と伝える
「首都圏路上ネットワーク」と、VJUの若手が作った路上レポート。
上映作品
◆『VJU REPORT』Vol.3-Vol5(2009年・2010年/25分)
◆『首都圏路上ネットワーク 2010年12月号』(2010年/35分)
1kg,92円。アルミ缶を集めて、もらえる金額の1例だ。
ベテランさんが、がんばって、一日やっと1800円強の収入であるが、
空き缶1sとはいったい何個か、どれだけ集めたら1800円になるのか、
考えると気が遠くなる。
だが民間の炊き出しに頼っているばかりでは何もならないから
空き缶を拾って生活費にする。
それなのに、指定業者以外のアルミ缶持ち去り禁止条例を施行したり
度重なる過剰な公園整備、ネットカフェ規制など、
仕事を出さないのに締め出す国や行政。
一理ある、または正しいと思う人もいるだろう。
しかし、ある人たちにとっては「生きるな」と言われているのと同じだ。
作品の「どっこい!生きてる路上人生」コーナーに登場する
ろくさんは、建築現場での過酷な労働がたたり、体を壊して職を失った。
今はしかたなく路上生活をしている。
また、特集では生活保護を受けて何とか路上生活から脱出した人に密着。
部屋がないから定職に就けないのに、仕事がないから部屋がなかなか借りられない。
これは特殊なことだろうか?
誰の人生でも、いつ何があるかわからない。
突然の地震と津波ですべてを失う人がいるように。
見えない放射能に、わけもわからず避難させられた人がいるように。
今回、東日本大震災の影響で、イベント類は自粛ムード。
だからこそ、普通に上映しよう、今だからこそ野宿者のことにも目を向けようと、
上映会を予定通り行った。
今回の震災について、
「何かしなくては」と、力になろうとする人がたくさん出てきた。
おかげで物資が十分集まって受け取り終了になった避難所もある。
または、何かが足りない、となれば自ら出向く人もいる。
ボランティアしなくても節電に励む人もいる。
それを知ると、世の中捨てたものじゃない、と思える。
知らせること、知ることの大切さもわかる。
それでも、帰ってはいけない故郷、知らされない現状について
胸を痛め、悩み、国やマスコミ、東電への苛立ちやあきらめを持つ人たちの
現実にどれだけ寄り添えるのかは難しい。
直接何かを試みても、
ただ話を聞いてどうするのか、署名を集めて何になるのかと問われる。
何のための行動か自分には明確でも、当事者には遠い場合もある。
VJUの遠藤大輔氏が言った。
「たとえば被災地の人がどういう情報を欲しているのか、という観点に立った報道が
なぜできないか。情報が中央寄りになりすぎていないか」
阪神大震災を経験したVJU・中森圭二郎氏は、
「阪神のときと今回でマスコミ報道にさほど変わりはない。情報は外面で、
どこに何が足りないとか、どこにいけばどういう支援がされている、という直接的な内容は
知らされていない」と明言。
「情報から遮断された多くの当事者に役立つようやっていきたい」
ダンボールのスタジオから伝えるのは、より当事者に沿った報道をしたいからだ。
">
飯田橋ボランティアセンターでの上映に集まったのは約20名。
いつもより少なかったが、出かけづらい中、足を運んでくれた方々に心から感謝。
司会のビデオアクト・本田孝義が
「被災については、今何が起こっているか、から、被災して何があったのかを
アーカイブしていくことに、これからは変わっていくのでは」と話し、
遠藤氏は
「東日本大震災の死者数は1万人を超えたと報道があるし、日本中が大騒ぎしてる。
そのこと自体は日本人の底力として感動して受け止めるけれど、
ただ、日本の自殺者数は2.7万人なんです。
災害であれだけの人が亡くなって皆さんが心を砕くのなら、なぜ亡くなっていないけど、
生活に困窮している人がいることを受け止めてくれないのか、と訴えておきたい」
と話をまとめた。
メディアが当事者と一緒にいる、という状況をどこまで作り出せるか。
その観点から、新作映画を製作中のVJU、タイトルは「渋谷ブランニューデイズ」。
地下駐車場で暮らすホームレスに密着したもの。VJUならではの視点に注目したい。
ラストにその予告編も上映した。ただいま協賛者・支援者を募集中だ。
VJU(ビデオジャーナリストユニオン) http://www.vju.ne.jp/
DROPOUT TV(by VJU) http://www.vju.ne.jp/dtv/
路上でだってどっこい生きている。
自粛する心は大事にしたいが、普通に笑うことも生きることだ。
今回は、自分のリテラシーについても考えさせられ、
会場に足を運んでくれた人たちにも希望を感じた上映会だった。
報告 白銀由布子
2011年03月30日
第54回 VIDEO ACT! 上映会〜路上発!生きるための情報番組〜
■ 第54回 VIDEO ACT! 上映会 ■
〜路上発!生きるための情報番組〜
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
■2011年3月30日(水) 19時より
ボトムアップの報道を追及するビデオジャーナリスト集団、
ビデオジャーナリストユニオン(VJU)。
放送プロダクションとして1999年に設立され、
2008年以降は非営利のメディア運動を独自に展開。
ワークショップによるジャーナリスト育成、トークイベントの開催、
「路上」を切り口とした動画サイト「DROPOUT TVONLINE」の運営など、
ユニークな活動がスタイルが注目される。
VJUの最近の作品からセレクションし、一挙上映をする。
■上映作品
--------------------------------------------------------------------
◆『首都圏路上ネットワーク 2010年12月号』(2010年/35分)
ダンボールのスタジオから発信する、
野宿する人々のための情報番組!渋谷区役所駐車場問題、
宮下公園全面封鎖、アルミ缶持ち去り禁止条例、
路上からの生活保護など、野宿生活に関わる話題を満載。
2010年末、渋谷・越年越冬闘争で上映され大好評を博した
注目の映像作品です!
◆『VJU REPORT』Vol.3-Vol5(2009年・2010年/25分)
公共空間は誰のもの?人はなぜホームレスになるの?
日本の治安が悪くなっているって本当?
マスコミでは報道されないユニークな切り口のビデオレポート集。
--------------------------------------------------------------------
18時30分 開場
19時00分 開始
上映後、DROPOUT TV ONLINEニュースデスク遠藤大輔さんを
交えてのトーク&ディスカッション有り。
終了予定時刻 20時50分
関連サイト
DROPOUT TV ONLIE http://www.vju.ne.jp/dtv/
ビデオジャーナリストユニオン http://www.vju.ne.jp/
D-TV NEWS 016 墨田区アルミ缶規制条例反対デモ
■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分
■参加費:500円(介助者は無料)
■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
(045-228-7996 [ローポジション気付] )
jyouei@videoact.jp
★上映作品・スタッフ募集中!
http://www.videoact.jp
〜路上発!生きるための情報番組〜
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
■2011年3月30日(水) 19時より
ボトムアップの報道を追及するビデオジャーナリスト集団、
ビデオジャーナリストユニオン(VJU)。
放送プロダクションとして1999年に設立され、
2008年以降は非営利のメディア運動を独自に展開。
ワークショップによるジャーナリスト育成、トークイベントの開催、
「路上」を切り口とした動画サイト「DROPOUT TVONLINE」の運営など、
ユニークな活動がスタイルが注目される。
VJUの最近の作品からセレクションし、一挙上映をする。
■上映作品
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◆『首都圏路上ネットワーク 2010年12月号』(2010年/35分)
ダンボールのスタジオから発信する、
野宿する人々のための情報番組!渋谷区役所駐車場問題、
宮下公園全面封鎖、アルミ缶持ち去り禁止条例、
路上からの生活保護など、野宿生活に関わる話題を満載。
2010年末、渋谷・越年越冬闘争で上映され大好評を博した
注目の映像作品です!
◆『VJU REPORT』Vol.3-Vol5(2009年・2010年/25分)
公共空間は誰のもの?人はなぜホームレスになるの?
日本の治安が悪くなっているって本当?
マスコミでは報道されないユニークな切り口のビデオレポート集。
--------------------------------------------------------------------
18時30分 開場
19時00分 開始
上映後、DROPOUT TV ONLINEニュースデスク遠藤大輔さんを
交えてのトーク&ディスカッション有り。
終了予定時刻 20時50分
関連サイト
DROPOUT TV ONLIE http://www.vju.ne.jp/dtv/
ビデオジャーナリストユニオン http://www.vju.ne.jp/
D-TV NEWS 016 墨田区アルミ缶規制条例反対デモ
■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分
■参加費:500円(介助者は無料)
■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
(045-228-7996 [ローポジション気付] )
jyouei@videoact.jp
★上映作品・スタッフ募集中!
http://www.videoact.jp
2011年01月29日
第53回 VIDEO ACT! 上映会 〜「在日」ってなあに? 〜朝鮮学校に対する差別をめぐって〜 報告文
2011年1月27日、今年最初の上映会は
「在日」ってなあに? 〜朝鮮学校に対する差別をめぐって〜と題して4つのショート作品を上映した。
会場には、上映作の制作者、るんみさんと湯本雅典さんも来場してくれた。
るんみさんは「すぐ観てわかる在日問題の映像がなかったので作りました。外国人留学生の意見を
あえて入れたことを一番大事にしたい」と話し、元教員でもある湯本さんは「教員時代、在日の
子供達に何もしてあげられなかった。私は朝鮮人です、名前は〇〇です。と言えないのは日本の
教師が職場でモノを言えない現状にも通じている。だから自分は撮っていると思う」と話した。
飯田橋ボランティアセンターに来場した35名の参加者も活発に意見を交換しあった。
・40年前朝鮮人学校で教師をしていた。これは教育問題だが、どうしても政治が絡むことが多い。
また自分も祖父が強制連行で福島の炭鉱に来た子孫だが、小学生のときは、クラスで一人きりの
朝鮮人だった。登校中、土の中に首まで埋められて動けず、夜になっておばあさんに助けられ、
全身がふやけたこともある。そのような差別の中で過ごし、戦後、朝鮮人部落に入って初めて
自分が人間に戻った思いで、解放された気持ちになった。私たちの国が日本の植民地になって
失ったのは土地だけではない。言葉、文化、尊厳も失ってしまった。それは教育がなかったから、
それが奪われたから、まず、自分の名前、言葉、すなわち尊厳を取り戻そうというところから
朝鮮学校が始まったのだ。北とか南ではなく明るく礼儀正しい子供たちの顔を曇らせたくない、
その一念だ。(埼玉・在日朝鮮人、男性)
・ネットで検索できない真実はたくさんある。阪神大震災のとき、共同で炊き出しをやったが、
日本の多くの寺などは門を閉ざした。場所を提供してくれたのは山口組や総連だった。
その事実をみんなが知っている。また、私はサッカー少年だったが、当時は野球が全盛期で
サッカーは今ほどの市民権がなく、練習場や技術の取得で近くの朝鮮学校に胸を借りた。
このような事実から、今の日本サッカーの生みの親は朝鮮だということをみんなが知っている。
壁を作っているのは日本人のほうで、朝鮮から歩みよって、というのはかなしい、まちがった、
傲慢な、順序が逆立ちした考え方であると、映画を観て改めてそう思った。(男性)
・「ぼくらの学校なくなるの?」は、とても観やすく完成度の高い作品と感じた。
また、無邪気な子供達の様子は「同じ子供」という印象を深めた(アンケートより・女性)
・枝川初級朝鮮学校の校舎立ち退き問題を知り、カンパぐらいで残念に思っていたので
「ぼくらの学校なくなるの?」を是非観たくて参加しました。学校に通う子供たちの
生き生きとした表情などを実感できる映像の持つ力、すごいです。(アンケートより・女性)
湯本さんは「壁を作っているのが日本人なら、あきらめているのも日本人。僕自身もあきらめが
あったが、カメラを持って撮影に通う自分にちょっと光を感じている。これからも撮り続けたい」
と続け、るんみさんも「「在日」の私の捉え方は、日本人の側、朝鮮人の側という考え方ではなく
、日本社会に生きる人の側として考える。日本社会の一員として身近な問題を解決に向けて
働きかけていきたい」とした。
上映の順番は以下のとおり。
1、『ぼくらの学校なくなるの? 〜立ち退き問題に揺れる朝鮮学校〜』
取材・制作:近藤剛、後藤由耶 (2004年,16分,OurPlanet-TV)
2、『近くて遠い学校』作者:るんみ (2010年,15分)
3、『「絶対に、この闘いに勝ちたい!」(朝鮮学校生徒)』
撮影・編集:湯本雅典 (2010年,4分)
4、『ウリハッキョ(私たちの学校)が、好きです! 』
撮影・編集:湯本雅典(2010年,4分)
★るんみさんの「近くて遠い学校」は、「市民がつくるTVF(東京ビデオフェスティバル)2011」
表彰式で、このほどビデオ大賞を受賞しました。オメデトウゴザイマス!!
http://www.sprasia.com/tv/user/tvf/TVF1
★湯本さんの新作「ジョニーカムバック」も各地上映会でご覧になれます!
詳しくは今回の感想も載っている湯本さんのブログで。
http://blog.goo.ne.jp/gakkouwoyamemasu/e/f9b518520a44e9f83501891ba82c1a61
報告 白銀由布子
「在日」ってなあに? 〜朝鮮学校に対する差別をめぐって〜と題して4つのショート作品を上映した。
会場には、上映作の制作者、るんみさんと湯本雅典さんも来場してくれた。
るんみさんは「すぐ観てわかる在日問題の映像がなかったので作りました。外国人留学生の意見を
あえて入れたことを一番大事にしたい」と話し、元教員でもある湯本さんは「教員時代、在日の
子供達に何もしてあげられなかった。私は朝鮮人です、名前は〇〇です。と言えないのは日本の
教師が職場でモノを言えない現状にも通じている。だから自分は撮っていると思う」と話した。
飯田橋ボランティアセンターに来場した35名の参加者も活発に意見を交換しあった。
・40年前朝鮮人学校で教師をしていた。これは教育問題だが、どうしても政治が絡むことが多い。
また自分も祖父が強制連行で福島の炭鉱に来た子孫だが、小学生のときは、クラスで一人きりの
朝鮮人だった。登校中、土の中に首まで埋められて動けず、夜になっておばあさんに助けられ、
全身がふやけたこともある。そのような差別の中で過ごし、戦後、朝鮮人部落に入って初めて
自分が人間に戻った思いで、解放された気持ちになった。私たちの国が日本の植民地になって
失ったのは土地だけではない。言葉、文化、尊厳も失ってしまった。それは教育がなかったから、
それが奪われたから、まず、自分の名前、言葉、すなわち尊厳を取り戻そうというところから
朝鮮学校が始まったのだ。北とか南ではなく明るく礼儀正しい子供たちの顔を曇らせたくない、
その一念だ。(埼玉・在日朝鮮人、男性)
・ネットで検索できない真実はたくさんある。阪神大震災のとき、共同で炊き出しをやったが、
日本の多くの寺などは門を閉ざした。場所を提供してくれたのは山口組や総連だった。
その事実をみんなが知っている。また、私はサッカー少年だったが、当時は野球が全盛期で
サッカーは今ほどの市民権がなく、練習場や技術の取得で近くの朝鮮学校に胸を借りた。
このような事実から、今の日本サッカーの生みの親は朝鮮だということをみんなが知っている。
壁を作っているのは日本人のほうで、朝鮮から歩みよって、というのはかなしい、まちがった、
傲慢な、順序が逆立ちした考え方であると、映画を観て改めてそう思った。(男性)
・「ぼくらの学校なくなるの?」は、とても観やすく完成度の高い作品と感じた。
また、無邪気な子供達の様子は「同じ子供」という印象を深めた(アンケートより・女性)
・枝川初級朝鮮学校の校舎立ち退き問題を知り、カンパぐらいで残念に思っていたので
「ぼくらの学校なくなるの?」を是非観たくて参加しました。学校に通う子供たちの
生き生きとした表情などを実感できる映像の持つ力、すごいです。(アンケートより・女性)
湯本さんは「壁を作っているのが日本人なら、あきらめているのも日本人。僕自身もあきらめが
あったが、カメラを持って撮影に通う自分にちょっと光を感じている。これからも撮り続けたい」
と続け、るんみさんも「「在日」の私の捉え方は、日本人の側、朝鮮人の側という考え方ではなく
、日本社会に生きる人の側として考える。日本社会の一員として身近な問題を解決に向けて
働きかけていきたい」とした。
上映の順番は以下のとおり。
1、『ぼくらの学校なくなるの? 〜立ち退き問題に揺れる朝鮮学校〜』
取材・制作:近藤剛、後藤由耶 (2004年,16分,OurPlanet-TV)
2、『近くて遠い学校』作者:るんみ (2010年,15分)
3、『「絶対に、この闘いに勝ちたい!」(朝鮮学校生徒)』
撮影・編集:湯本雅典 (2010年,4分)
4、『ウリハッキョ(私たちの学校)が、好きです! 』
撮影・編集:湯本雅典(2010年,4分)
★るんみさんの「近くて遠い学校」は、「市民がつくるTVF(東京ビデオフェスティバル)2011」
表彰式で、このほどビデオ大賞を受賞しました。オメデトウゴザイマス!!
http://www.sprasia.com/tv/user/tvf/TVF1
★湯本さんの新作「ジョニーカムバック」も各地上映会でご覧になれます!
詳しくは今回の感想も載っている湯本さんのブログで。
http://blog.goo.ne.jp/gakkouwoyamemasu/e/f9b518520a44e9f83501891ba82c1a61
報告 白銀由布子
2011年01月27日
第53回ビデオアクト上映会/「在日」ってなあに? 〜朝鮮学校に対する差別をめぐって〜
================================
■第53回 ビデオアクト上映会
「在日」ってなあに? 〜朝鮮学校に対する差別をめぐって〜
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
================================
●日時:2011年1月27日(木)
開場 18:30
上映 19:00〜
●上映会場:東京ボランティア・市民活動センター
(東京都新宿区神楽河岸1番地1号 飯田橋セントラルプラザ10階
TEL:03-3235-1171)
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分
●参加費:500円(介助者は無料)
■上映作品
●『近くて遠い学校』
作者:るんみ (2010年,15分)
●『「絶対に、この闘いに勝ちたい!」(朝鮮学校生徒)』
撮影・編集:湯本雅典 (2010年,4分)
●『ウリハッキョ(私たちの学校)が、好きです! 』
撮影・編集:湯本雅典(2010年,4分)
●『ぼくらの学校なくなるの? 〜立ち退き問題に揺れる朝鮮学校〜』
取材・制作:近藤剛、後藤由耶 (2004年,16分,OurPlanet-TV)
■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
(045-228-7996 [ローポジション気付 担当:土屋] )
jyouei@videoact.jp
-----------
高校授業料の無償化から朝鮮学校が排除された件で議論が起こっています。
ですが……、
そもそも「朝鮮学校」ってどんな学校なの?
「在日」ってどんな人たち?
なぜ「在日北朝鮮人」ではなく「在日朝鮮人」なの?
どんな歴史があるの?
などの疑問に、みんなが正確に答えられるでしょうか?
さまざまな作り手が、さまざまな手法で作った、映像作品を上映し、作り手と映像を観た人とのトークで、「在日」の人たちについて考えてみましょう。
-----------
自主ビデオの流通を手がけるビデオアクトでは、自主制作のオモシロイ作品を定期上映しています。
★上映作品・スタッフ募集中!
http://www.videoact.jp
■第53回 ビデオアクト上映会
「在日」ってなあに? 〜朝鮮学校に対する差別をめぐって〜
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
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●日時:2011年1月27日(木)
開場 18:30
上映 19:00〜
●上映会場:東京ボランティア・市民活動センター
(東京都新宿区神楽河岸1番地1号 飯田橋セントラルプラザ10階
TEL:03-3235-1171)
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分
●参加費:500円(介助者は無料)
■上映作品
●『近くて遠い学校』
作者:るんみ (2010年,15分)
●『「絶対に、この闘いに勝ちたい!」(朝鮮学校生徒)』
撮影・編集:湯本雅典 (2010年,4分)
●『ウリハッキョ(私たちの学校)が、好きです! 』
撮影・編集:湯本雅典(2010年,4分)
●『ぼくらの学校なくなるの? 〜立ち退き問題に揺れる朝鮮学校〜』
取材・制作:近藤剛、後藤由耶 (2004年,16分,OurPlanet-TV)
■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
(045-228-7996 [ローポジション気付 担当:土屋] )
jyouei@videoact.jp
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高校授業料の無償化から朝鮮学校が排除された件で議論が起こっています。
ですが……、
そもそも「朝鮮学校」ってどんな学校なの?
「在日」ってどんな人たち?
なぜ「在日北朝鮮人」ではなく「在日朝鮮人」なの?
どんな歴史があるの?
などの疑問に、みんなが正確に答えられるでしょうか?
さまざまな作り手が、さまざまな手法で作った、映像作品を上映し、作り手と映像を観た人とのトークで、「在日」の人たちについて考えてみましょう。
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自主ビデオの流通を手がけるビデオアクトでは、自主制作のオモシロイ作品を定期上映しています。
★上映作品・スタッフ募集中!
http://www.videoact.jp
2010年12月07日
第52回 VIDEO ACT! 上映会 〜若者の「リアリティ」〜 報告文
11月30日、第52回ビデオアクト上映会。〜若者の「リアリティ」〜をテーマに、
飯田橋ボランティアセンターで、「卒業」(太田信吾監督/2009年・58分)を上映した。
会場には太田監督と同世代の若者多数を含む約30名が集まった。
この作品は「ヨコハマ国際映像祭2009」で入選しており、一次予選で
ビデオアクト代表の土屋豊が審査員をしていた時に出合った、フィクション映画である。
だから、映画に出てくる青年(=太田監督本人)は、留年したのは事実だが
本当はいわゆるひきこもりではない。
脚本を作るのではなく、撮りながら発展していく、というやり方で、
先の見えない感じをより得られるよう意図的に演出した。
とは言え、これを「ひきこもり」という観点で見てしまうと、
そのリアリティは感じられない。ひきこもりらしさをイメージしただけであるから。
しかし「就職や自分のこれからに悩む若者の話」と捉えれば、
誰にでも思い当たる感情がリアルによみがえってくる。
ドキュメンタリーはある事実を監督の視点で伝えるため、やはりそこに作為はあるものだが、
太田監督の「どう撮ったら面白いか」という意識はこの作品においては、
「なんでもない空間をいかに面白く味付けするか」という演劇的発想のようにも思えた。
聞けば、劇団に所属する職業俳優でもあるのだそうだ。
監督自身を等身大に表現した作品であり、そういう意味でもドキュメンタリー要素も強い。
たとえば、母親に今後の進路について怒られ泣くシーンは、
今、母親が怒りそうだと感じた時、母親を待たせ、カメラを仕込んでから
「悩んで泣いている自分」を演出して部屋に招き入れた。
偶然の状況に味付けはしたが撮り直しはしないので、この場面の映像は弟さんが撮る。
母親は本当に怒っているから冷静な理屈でどんどん主人公を責める。
責められるほど主人公の感情も乗せられてリアルになっていく。
この母親の怒りに心当たりのあるものは少なくないから、観ているこちらは、
ホームビデオのような映像にどこまでが真実で何がフィクションなのかわからなくなる。
会場からもさまざまな感想や質問が飛び交ったが、太田監督は
「どう撮ったら面白いか」を常に考えながら、計算どおりに行かない現実をつないでいくのだと、
何度も繰り返した。
また、人柄を感じさせるひょうひょうとした受け答えにも、会場は和やかに沸いた。
さらに、現在制作中の新作「錠剤はいらない」(仮題)の予告編を3分上映。
うつ病のミュージシャンと一緒に旅する青春ドキュメンタリーだが、
常にどうしたら面白くなるのかを模索する監督と、
ドキュメンタリーといえば「情熱大陸」のようなイメージしかなく、
出演料を要求し始めた取材対象者。今後どうなっていくのか、こちらも完成が楽しみだ。
今は自分のやりたいことと状況が合致しているため、
与えられた仕事をこなしながら、これかな、と思うテーマをじっくり撮りたい、
という太田信吾監督、土屋豊の影響を受けた若い監督の将来性を感じた上映会だった。
報告・白銀由布子
飯田橋ボランティアセンターで、「卒業」(太田信吾監督/2009年・58分)を上映した。
会場には太田監督と同世代の若者多数を含む約30名が集まった。
この作品は「ヨコハマ国際映像祭2009」で入選しており、一次予選で
ビデオアクト代表の土屋豊が審査員をしていた時に出合った、フィクション映画である。
だから、映画に出てくる青年(=太田監督本人)は、留年したのは事実だが
本当はいわゆるひきこもりではない。
脚本を作るのではなく、撮りながら発展していく、というやり方で、
先の見えない感じをより得られるよう意図的に演出した。
とは言え、これを「ひきこもり」という観点で見てしまうと、
そのリアリティは感じられない。ひきこもりらしさをイメージしただけであるから。
しかし「就職や自分のこれからに悩む若者の話」と捉えれば、
誰にでも思い当たる感情がリアルによみがえってくる。
ドキュメンタリーはある事実を監督の視点で伝えるため、やはりそこに作為はあるものだが、
太田監督の「どう撮ったら面白いか」という意識はこの作品においては、
「なんでもない空間をいかに面白く味付けするか」という演劇的発想のようにも思えた。
聞けば、劇団に所属する職業俳優でもあるのだそうだ。
監督自身を等身大に表現した作品であり、そういう意味でもドキュメンタリー要素も強い。
たとえば、母親に今後の進路について怒られ泣くシーンは、
今、母親が怒りそうだと感じた時、母親を待たせ、カメラを仕込んでから
「悩んで泣いている自分」を演出して部屋に招き入れた。
偶然の状況に味付けはしたが撮り直しはしないので、この場面の映像は弟さんが撮る。
母親は本当に怒っているから冷静な理屈でどんどん主人公を責める。
責められるほど主人公の感情も乗せられてリアルになっていく。
この母親の怒りに心当たりのあるものは少なくないから、観ているこちらは、
ホームビデオのような映像にどこまでが真実で何がフィクションなのかわからなくなる。
会場からもさまざまな感想や質問が飛び交ったが、太田監督は
「どう撮ったら面白いか」を常に考えながら、計算どおりに行かない現実をつないでいくのだと、
何度も繰り返した。
また、人柄を感じさせるひょうひょうとした受け答えにも、会場は和やかに沸いた。
さらに、現在制作中の新作「錠剤はいらない」(仮題)の予告編を3分上映。
うつ病のミュージシャンと一緒に旅する青春ドキュメンタリーだが、
常にどうしたら面白くなるのかを模索する監督と、
ドキュメンタリーといえば「情熱大陸」のようなイメージしかなく、
出演料を要求し始めた取材対象者。今後どうなっていくのか、こちらも完成が楽しみだ。
今は自分のやりたいことと状況が合致しているため、
与えられた仕事をこなしながら、これかな、と思うテーマをじっくり撮りたい、
という太田信吾監督、土屋豊の影響を受けた若い監督の将来性を感じた上映会だった。
報告・白銀由布子