2022年09月21日

報告文 第113回 VIDEO ACT! 上映会 〜自給自足で半農半介護〜  上映作品『ちょっと変わった有料老人ホーム ひろんた村母屋』

9月20日、『ちょっと変わった有料老人ホーム ひろんた村母屋』を上映しました。
参加者は約20名でした。上映会タイトルは「自給自足で半農半介護」。
監督の下之坊修子さんに「上映作品のキャッチコピーを考えてください」とお願いし、
挙げていただいたコピーを、そのまま上映会タイトルに使用させていただきました。
タイトルだけでは難解な本作を、的確に伝えている言葉だと思います。

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「ひろんた村」の「ひろんた」とは「広ノ谷」のこと。
長崎県五島列島北部の中通島(新上五島町)のほぼ中央に位置する、内陸の集落です。
戦後の開拓村で、最盛期には20を超える家族が暮らしておられたそうです。
その「ひろんた」を再生させようと、NPO法人「村づくり会議」を2016年11月に設立。
その中心となる「有料老人ホーム ひろんた村 母屋」が、2018年初冬に開設されます。
映画の舞台は、この「有料老人ホーム ひろんた村 母屋」なのです。

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食事は自給自足。
米、小麦、大豆、野菜を農薬や化学肥料を使わずに育て、
しょうゆ、みそも手作り。豚や鶏も飼育されています。
漁師さんから、魚のお裾分けがあるようで、これらはホームでの食事として提供されています。
パーキンソン病を患っておられた入所者さんも、ここの食事と暮らしでどんどん元気なられているとか。
2019年制作のDVDですが、入所者さん全員が今もお元気だと伺い、うれしくなりました。
いい環境と、おいしい食べ物。長生きのために重要ですね。

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映画では、入所者さんが一緒にみそづくりに参加する様も紹介されます。
入所者の女性は、スタッフにあてがわれた計量カップを手に、蒸した大豆へこうじ菌をまかれます。
すると「昔は手でやってた」と、こうじ菌を素手でバッサバッサとまきはじめるのです。
感覚は手が覚えているのですね。とても印象に残るシーンでした。

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理事長一家の歌野敬さんと歌野啓子さんは、関西在住の会社員時代に農薬問題から家庭菜園をスタート。
和歌山県で自給自足していくための技術を習得し、1986年に「ひろんた」へ移住されます。
その後、高齢で単身になられたご親戚を引き取ることになります。
高齢である自分たちのことや、自給自足の技術継承と地域の未来について考る中、
有料老人ホームの設立を思いつかれたそうです。
結局、ご親戚は入所前に亡くなられますが、遺産は施設建設費用に充てられたそうです。

ビデオアクト上映会では恒例の、上映後のトーク&ディスカッション。
監督の下之坊修子さんは大阪府河内長野市在住。
滝畑という約80世帯・無医村にお住まいということもあり、
ZOOMを使いオンラインでトークしていただきました。

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お母さまを看取った後「次は自分の番だ」と思い、7年前に故郷への移住を決めたという下之坊さん。
生まれ育った土地はダムに沈んでしまったとのことで、近隣の古民家に住まわれています。
移住して介護やグループホームについての勉強会をしている中、
知人に「ひろんた村」のことを紹介されたことが、撮影のきっかけになったとのこと。

下之坊さんは、ご自宅の古民家を使った上映会や映像制作のほか、裏の畑で農作業もされているとか。
「季節の野菜を食べているだけで元気になる。お金に振りまわされない生活ができている」
と語る下之坊さんは、終始キラキラされていました。
現在、この滝畑での生活をまとめた映画も制作中とのことです。
新作の完成が楽しみです。 (文責:土屋トカチ)

●上映作品『ちょっと変わった有料老人ホーム ひろんた村母屋』
ビデオアクトのウェブページでDVDが発売中です。こちら

●ひろんた村母屋のウェブページはこちら
ハムやベーコンなどの加工品が購入可能とのこと。おいしそうです。




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2022年09月20日

第113回 VIDEO ACT! 上映会 〜自給自足で半農半介護〜 上映作品『ちょっと変わった有料老人ホーム ひろんた村母屋』

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■ 第113回 VIDEO ACT! 上映会 〜自給自足で半農半介護〜
上映作品『ちょっと変わった有料老人ホーム ひろんた村母屋』
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
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■2022年9月20日(火)19時より

肉も野菜も味噌も醤油も、必要なものは自分たちで作って暮らす。
長崎県新上五島町にある有料老人ホーム「ひろんた村」では、
自給自足生活を目指している。
自分の思い通りに、最後まで暮らしてゆく場所が、ここにある。

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■上映作品
『ちょっと変わった有料老人ホーム ひろんた村母屋』(2019年/40分)
監督・編集:下之坊修子
撮影:岡田和真/下之坊修子
制作:映像発信てれれ

■作品解説
歌野さん夫妻は長崎県五島列島に移住して30年。
消費文化、使い捨て文化の違和感から、自給自足の生活を決意。
2018年、半農半介護をめざして老人ホームを開設した。
肉も野菜も米も豆も、味噌も醤油も、必要なものは、できるだけ自分たちでつくる。
スタッフはシングルマザーや引きこもっていた人や障害を持っている人など様々。
自給の技術を若いスタッフに伝えていきながら、自然とともにある暮らし。
「最後までその人らしく」に寄り添う介護。
自分の思い通りに最後まで暮らす、人間の死んで行く姿をちゃんと見せていく。そんな場を目指す。

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■予告編
『ちょっと変わった老人ホーム ひろんた村母屋』


■日時
2022年9月20日(火)
18時30分/開場 19時/開始
上映後、監督の下之坊修子さんをオンラインで迎え、トーク&ディスカッション。

■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分

■参加費
500円(介助者は無料/予約必須)

■予約方法
参加希望の方は、上映会前日の9月19日(月)19時までに
下記へ「お名前」「参加人数」「連絡先」をお伝えください。
→Eメール:jyouei@videoact.jp
→電話:045-228-7996(ローポジション気付)

■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
Eメール:jyouei@videoact.jp

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2022年07月11日

ウェブショップ新規登録作品のご案内

【VIDEO ACT WebSHOP】に新しい作品が登録されました!
是非、チェックしてみて下さい。


『I’m here 親へのカミングアウト』
監督:トレイシー・チョイ/43分/2012年制作

この作品はレズビアンとしてカミングアウトした監督のことばで綴られている。友人ふたりの会話、親子の会話、親同士の会話など、長年の知り合いだからこそ言える本音をテンポよくていねいに積み重ね、わかりやすい構成となっている。特にレズビアンの親たちと子どもたちがオープンに話し合う場面は鮮烈である。「娘がレズビアンとはわざわざ言わない、本当はレズビアンなんだろうけどね」「本人が幸せになるために全力で応援する」など。観た人は当事者、家族に共感し、この問題に向き合う勇気と強さを得るに違いないだろう。
★2012年マカオ国際映画祭「メイド・イン・マカオ」部門審査員グランプリ受賞
http://www.videoact-shop.com/2022/886
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『出稼ぎの女たち』
監督:セシリア・ホー/72分/2009年制作

インドネシアからマカオに出稼ぎに来て家事労働をする女性たち。エージェンシーにパスポートをとりあげられ、取り返そうとしたら暴力を振るわれたり、試用期間中に賃金が出なかったり、クビになったりと働く環境は大変厳しい。カメラは彼女たちを追いかけ、声を撮っていく。
日本で外国からの家事労働者を受け入れようとしている。この作品が「働く者の権利を守るということはどういうことか」を考えるヒントになるだろう。
★マカオ国際映画祭最優秀ドキュメンタリー映画賞
 2009年マカオ文化センター映画祭 審査員グランプリ・観客賞受賞

http://www.videoact-shop.com/2022/894
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2022年07月06日

報告文 第112回 VIDEO ACT! 上映会 〜AIが上司?フードデリバリーの現状〜

 去る7月5日、上記表題で『プラットフォームビジネス 「自由な働き方」の罠』(2022年/35分、監督:土屋トカチ)の上映を行いました。会場は定員満席となり、関心の高さがうかがえました。
 “プラットフォームビジネス”とは、あまり馴染みがないかもしれませんが、ITを介して行われるビジネスです。本作では、フードデリバリー、特にウーバーイーツが取り上げられています。
 この間の新型コロナ禍で、街中でウーバーイーツの配達員を見かけることが急増しました。しかし、彼らがどのような働き方をしているのかは、ほとんど取り上げられません。配達員は個人事業主とされ、ウーバーイーツから直接雇用される形にはなっていません。そのため、バッグを自腹で買い、自転車やオートバイは自分で用意しなくてはいけません。すきま時間で働ける、自由な働き方と言われる反面、労働者としての権利は保障されていません。
 そうしたことを知るために、監督の土屋トカチさんは自らウーバーイーツに登録して、横浜でデリバリーを始めます。実際の労働時間と対価を数字で示してリアルです。
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 配達を頼む人と店の人、そして配達員を結ぶのはPCやスマホのアプリ。このアプリはAIで運営されています。そのため、配達員の上司はAIなのです。ウーバーイーツはこのアプリを提供しているだけ、という立場です。ですから、突然報酬が改定されても、理由などを配達員が知ることが出来ないブラックボックスになっています。また、配達中の事故についても配達員の自己責任。ウーバーイーツは雇用主ではないという言い訳で、労災の保障もありません。本作では、実際に事故を経験した方も証言しています。
 こうした労働環境を改善するため、2019年にウーバーイーツ・ユニオンが結成されました。しかしながら、ウーバーイーツは団体交渉を拒否し続けています。
 配達員を人間として扱わないウーバーイーツに対して、世界中でユニオンが結成され大規模なデモも起きています。韓国ではユニオンとの協約を結ぶ成果もありました。しかしながら、現状、日本政府は何もしていません。
 上映後の質疑応答も活発でした。ウーバーイーツの仕組みが分かりにくいため、具体的な質問もありました。また、飲食店経営者の方からの質問もありました。加えて、会場にはユニオンの組合員の方も来ていただいていたので、具体的なユニオンの活動や今後の目標などもお話いただきました。
2022.7.5上映会
 本作は教材として見てもらえるように、35分という短さです。監督の土屋トカチさんは、ウーバーイーツだけではなく、今後、様々な職種でこうした働き方、労働者が労働者として扱われないことが増えていくことを危惧しています。ですから、本作を授業や集会、勉強会などで活用してほしいと思いました。
(本田孝義)

※上映作品『プラットフォームビジネス 「自由な働き方」の罠』はアジア太平洋資料センターのウェブページでDVDとオンライン配信でご覧いただけます。
http://www.parc-jp.org/video/sakuhin/platform.html

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2022年07月05日

第112回 VIDEO ACT! 上映会 〜AIが上司?フードデリバリーの現状〜 上映作品『プラットフォームビジネス 「自由な働き方」の罠』

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■ 第112回 VIDEO ACT! 上映会 〜AIが上司?フードデリバリーの現状〜
上映作品『プラットフォームビジネス 「自由な働き方」の罠』
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
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■2022年7月5日(火)19時より

GAFAはじめグローバル企業が提供する「プラットフォームビジネス」は、
コロナ禍でますます成長し、私たちの消費スタイルや働き方も変わりました。
「ウーバーイーツ」に代表されるフードデリバリー・サービスでは、
配達員はスマホひとつで「好きな時間に、自由に働ける」とされています。
しかし、そこでの働き方は本当に自由で公正なのでしょうか?

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■上映作品
『プラットフォームビジネス 「自由な働き方」の罠』(2022年/35分)
監修:川上資人
監督:土屋トカチ
企画・プロデュース:内田聖子
出演:水谷章(仮名)/土屋俊明/富岡金悟/川上資人/Diogenes Carrasco/土屋トカチ
ナレーター:鶴見ゆき
イラスト:ますだたいじ
撮影・編集・選曲:土屋トカチ
撮影:常田高志/山口勝則
整音:常田高志
主題歌:「心百景」BLUE STRAGHT (MUNAJIRO RECORDS)
英語翻訳:Unfiltered(松元ちえ・Kimberly Hughes)
記事提供:中日新聞社
取材協力:ウーバーイーツユニオン/国際運輸労連(ITF)/交通の安全と労働を考える市民会議/韓国・ライダーズユニオン/パルシック
助成:オープン・ソサエティ財団(OSF)
制作:アジア太平洋資料センター(PARC)

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■作品解説
インターネットでの買い物や決済、SNSでのコミュニケーションが当たり前となった私たちの暮らし。
新型コロナウイルスの感染拡大は、テレワークや遠隔授業の必要性を高め、IT技術の利用を一層加速させました。

そんな中、ウーバーイーツに代表されるフードデリバリー・サービスも拡大しています。
「プラットフォーム企業」が運営するこの新たなビジネスでは、アプリ一つで飲食店と顧客、
配達員をマッチングさせ、「誰でも、好きな時間に、自由に働ける」とされています。
日本での配達員は約10万人と言われますが、配達員はウーバーと「アプリ使用」契約を交わすだけで、
「個人事業主」として配達を請け負います。そのため、事故に遭っても会社負担の労災保険はなく、
また配達依頼や報酬の基準、さらには飲食店や顧客からの「評価」の内容などを配達員は十分に知ることも、
会社と協議することもできません。

欧州を中心とする海外ではこれら配達員の「労働者性」が裁判でも認められ、
事故の際の社会保障や労働組合と企業の団体交渉などが認められるようになってきました。

日本でも、配達員たちがウーバーイーツユニオンを結成し、会社側へ報酬や評価に関する情報の透明性や、
団体交渉を求める動きが始まっています。作品では、ウーバーイーツの配達員やユニオンの取材を通して、
「自由な働き方」がはらむ問題点を提起します。

■予告編
『プラットフォームビジネス 「自由な働き方」の罠』


■日時
2022年7月5日(火)
18時30分/開場 19時/開始
上映後、監督の土屋トカチさんを交えたトーク&ディスカッションを予定。

■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分

■参加費
500円(介助者は無料/予約必須)

■予約方法
参加希望の方は、上映会前日の7月4日(月)19時までに
下記へ「お名前」「参加人数」「連絡先」をお伝えください。
→Eメール:jyouei@videoact.jp
→電話:045-228-7996(ローポジション気付)

■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
Eメール:jyouei@videoact.jp

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2022年06月12日

ウェブショップ新規登録作品のご案内

【VIDEO ACT WebSHOP】に新しい作品が登録されました。

強制不妊手術を受けさせられた女性の日常を描いた力作『ここにおるんじゃけぇ』の下之坊修子監督が描く、五島列島にあるユニークな老人ホームをテーマにした作品です。是非、チェックしてみて下さい!


『ちょっと変わった有料老人ホーム ひろんた村母屋』
監督:下之坊修子/40分/2019年制作

肉も野菜も味噌も醤油も必要なものは自分たちで作って暮らす、五島列島にある老人ホーム。自分の思い通りに最後まで暮らして行く場。人の死んでいく姿をちゃんと見せていく、これはすごいこと。「目が覚めたら元気になってる」と入居者。
http://www.videoact-shop.com/2022/880

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2022年05月17日

【報告文】第111回ビデオアクト上映会 〜施設コンフリクトは、なぜ起こる?〜

上映作品
『不安の正体〜精神障害者グループホームと地域』監督:飯田基晴

ビデオアクトの111回目の上映会は、5月10日、企画:池原毅和、企画協力:三橋良子、
監督・撮影・編集・ナレーション:飯田基晴の『不安の正体〜精神障害者グループホームと地域』を上映した。

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2016年に施行された「障害者差別解消法 付帯決議」では、「グループホームやケアホーム等を含む障害者関連施設の許可等に際して、
「周辺住民の同意を求めない事を徹底する。」
「住民の理解を得るための同意を求めないことを徹底する。」
と明記された。

障碍を持っている人達を差別しないための決議だと思うが、こうした決議がされても、残念ながら一般の人達の偏見や差別意識が完全に無くなったかというと、まだまだのようだ。

この作品では、障碍を持つ人達が入居する施設の建設に対して、地域住民が掲げる「運営反対」「住民の安全を守れ」などと書かれた、のぼり旗が登場する。
「障害者差別解消法 付帯決議」の精神とは、まったく反対の事が地域住民によって行なわれているのだ。

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なぜ、そんな事になってしまっているのか?
この作品のタイトル『不安の正体』が示すように、地域住民が反対しているのは、障碍をもった人達の施設ができると「なにをしでかすか、わからない」というという漠然とした不安があるのだろう。

実際には、精神障碍を持っていて犯罪を犯し検挙された人達の割合は、100人に1人よりも少ない割合だそうだ。
精神障碍を持っていない一般の人達のほうが、犯罪率は高い。

この作品では、障碍を持っているために施設で暮らしている人達が、ともに助け合ったりしながら、仲間と支え合って平穏に過ごしている様子が、丹念に描かれている。
けっして、暴れたり犯罪を犯したりする人達とは思えない、仲間思いの、やさしい人達だ。

この作品を多くの人に観ていただいて、障碍を持っている人達に対する偏見が少しでも減らす事ができればと思う。

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2022年05月10日

第111回 VIDEO ACT! 上映会 〜施設コンフリクトは、なぜ起こる?〜

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■ 第111回 VIDEO ACT! 上映会 〜施設コンフリクトは、なぜ起こる?〜
上映作品『不安の正体 〜精神障害者グループホームと地域〜』
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
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■2022年5月10日(火)19時より

予約者上限に達しましたので、予約を締め切りました。(4/23付)

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ホントに怖いのは何だろう?

近年、精神障害のある人たちのグループホームが各地にできている。
それに伴い、地域住民によるグループホーム開設反対の運動も生じている。
事業者が説明会を開催しても反対の声は収まらず、対立が深まるばかり。
「施設コンフリクト」と呼ばれる、このような反対運動はなぜ起きるのか?
その実像を見つめる。

■上映作品
『不安の正体 〜精神障害者グループホームと地域〜』(2021年/65分)
企画:池原毅和
企画協力:三橋良子
監督・撮影・編集・ナレーション:飯田基晴
協賛:社会福祉法人SKYかわさき/セレリアンス株式会社
助成:一般財団法人松翁会
製作:NPO法人自律支援センターさぽーと
制作・販売:映像グループ ローポジション

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■作品解説
近年、精神障害のある人たちのグループホームが各地にできています。
ですがそれに伴い、地域住民によるグループホーム開設反対の運動も生じています。
事業者が説明会を開催しても反対の声は収まらず、対立が深まるばかりです。
「施設コンフリクト」と呼ばれる、このような反対運動はなぜ起きるのでしょう?
そして、精神障害者のグループホームとは、実際にはどのようなものなのでしょうか?
反対住民の声と関係者の意見、グループホームに入居している方々の生活や
インタビューを通して、その実像を見つめます。

■コメント
「精神障害者グループホーム」は精神障害者の集まりだから、<こわい>人たちが
いっぱい居て、急に暴れたり、事件を起こすのではないか。だから、反対だ!
――という世間の声に、静かな論拠をもって語りかける楽しい映画である。
当事者の人生が語られ、それを受け止めるスタッフや市民がいる。
閉鎖的な精神病院の歴史や「差別解消法」の意味が語られる。
それを下敷きにしてみると、この映画でもっとも<こわい>のは
住民説明会で録音された「住民の怒鳴り声」である。
それらに挟まれながら、精神障害の人びとの日常が映され、
彼らの言葉や考え方がじんわりと広がると、住民の声もいつか普段通りの声に
なっていくのではないかという希望が見える。
今こそ、「障害者」の解放へ。それは、われわれ自身の解放へ導いてくれる。
秀作である。 
小林 茂(映画監督)

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■日時
2022年5月10日(火)
18時30分/開場 19時/開始
上映後、監督の飯田基晴さんを交えたトーク&ディスカッションを予定。

■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分

■参加費
500円(介助者は無料/予約必須)

■予約方法
参加希望の方は、上映会前日の5月9日(月)19時までに
下記へ「お名前」「参加人数」「連絡先」をお伝えください。
→Eメール:jyouei@videoact.jp
→電話:045-228-7996(ローポジション気付)

■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
Eメール:jyouei@videoact.jp

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2022年03月26日

【報告文】第110回ビデオアクト上映会〜あれから11年 フクシマの今〜

上映作品
『原発故郷3650日』 監督:島田陽磨


 3月24日、ビデオアクトの110回目の上映会が開催された。上映作品は『原発故郷3650日』。あの福島第一原発事故から10年後の2021年につくられた作品だ。作品を観る前、「10年後だから、1年365日×10年=3650日か…」と軽く考えていた。しかしこの作品は、その“軽さ”こそを問う、重く、重要な作品だった。

 冒頭、これまで大きく取り上げられることが少なかった重い情報が示される。「福島県内の自殺率は震災4年後に急上昇」、「児童虐待などのDVの件数は10倍近く増加」、「2018年度の福島県の20歳以下の自殺率は全国1位」…確かに、あれから10年経った。しかし、原発事故によって故郷を奪われた人々の10年、3650日、87600時間は、区切りなどつけられない、出口の見えない苦しい時間の積み重ねだったのだ。

 避難中、中学生の長男を自死で失った男性は、「子どもを守れなかった、ばかな男です」と自責の念に苛まれ、アルコールに依存しながら、「消えたい…」と微かな声でつぶやく。帰還困難区域から家族で千葉に移住した男性は、家族間で故郷の話ができない。話せば、軋轢、分断が生まれるのが目に見えているからだ。その男性の20歳になる娘は、インタビューで故郷について問われ、「帰ってみたいです」と目を伏せる。避難指示が全面解除され、居住率が6割となって復興の“お手本”とされる町に住む年配の女性は、子どもたちが住めず、実際のところは一向に元に戻らない故郷を思い、途方に暮れる。

 “復興”とは、何だろう? 悲しさは“克服”できるのか? 上映終了後、そんなことを重い気持ちで考え込んでいたら、この日も取材で福島を訪れていて、トークの時間ギリギリに駆けつけて頂いた島田陽磨監督がこんなことを言った。「大切なのは、つらいことをつらいと言えること。弱音が吐けること」。そして、「このことは、被災地だけの話ではない。もっと広い、普遍的な問題ではないか」と。

 「頑張れ、克服しろ」と言われても、悲しさ、苦しみは消えてなくならない。共に生きていくしかないのだ。そのためには、苦しむ人を孤立させない周囲の人々の心の支えが必要だ。中学生の長男を自死で失った男性は、支援者の助けによってアルコール依存を治療するための入院が決まった。東京電力は何をやっている? 国は何を“復興”させている?

 この作品では、なぜ日本に、福島に原発が持ち込まれたか、その構造的な背景も描かれる。今も苦しみ続ける人々の実情を知ったあとではなおさら、その非情さ、無責任さに怒りが込み上げる。
(土屋 豊)

※『原発故郷3650日』のDVDは、ビデオアクトのWebSHOPでご購入頂けます。
http://www.videoact-shop.com/2021/847
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2022年03月24日

第110回 VIDEO ACT! 上映会 〜あれから11年 フクシマの今〜

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■ 第110回 VIDEO ACT! 上映会 〜あれから11年 フクシマの今〜
上映作品『原発故郷3650日』
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
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■2022年3月24日(木)19時より

原発事故から10年以上が経過。
「復興」のイメージが強調されるなか、被災地の人々の傷は年月を重ねるごとに、むしろ深くなっている。
なぜ、かれらは苦しみを背負わなければならなかったのか。被災地の今を追い、語られることのなかった歴史を掘り起こす。

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■上映作品
『原発故郷3650日』(2021年/70分)
【プロデューサー】立山勝憲
【撮影・監督】島田陽磨
【撮影・編集】鈴木響
【音響効果】田上ゆかり
【後援】原発をなくす全国連絡会
【企画・制作】日本電波ニュース社

■作品解説
福島第一原子力発電所の事故から10年以上が経過。
「復興」の掛け声が声高に叫ばれる中、事故の記憶は日に日に風化しつつある。
しかし、被災地の人々が心に負った傷は、年月を重ねるごとに、むしろ深くなっている。
避難中、息子が自死し自責の念に苛まれる男性。
復興の「お手本」とされる町で、変わり果てた故郷の実態に苦しみながら暮らす女性。
引き裂かれていくコミュニテイ、家族との溝に悩む男性。
本作品では、現在(いま)の福島の実相を伝えるとともに、なぜ福島に原発が設置されたのか、
埋もれていた文書を元にその構造的な背景に迫り、原発の再稼働や「核のゴミ」の最終処分場選定の動きも追う。

■予告篇
DVD「原発故郷3650日」


■日時
2022年3月24日(木)
18時30分/開場 19時/開始
上映後、監督の島田陽磨さんを交えたトーク&ディスカッションを予定。

■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分

■参加費
500円(介助者は無料/予約必須)

原発故郷静止画3.png

■予約方法
参加希望の方は、上映会前日の3月23日(水)19時までに
下記へ「お名前」「参加人数」「連絡先」をお伝えください。
→Eメール:jyouei@videoact.jp
→電話:045-228-7996(ローポジション気付)

■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
Eメール:jyouei@videoact.jp

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