2021年11月25日

第108回 VIDEO ACT! 上映会 〜『島がミサイル基地になるのか』完成記念上映会〜

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■ 第108回 VIDEO ACT! 上映会 〜『島がミサイル基地になるのか』完成記念上映会〜
上映作品『島がミサイル基地になるのか〜若きハルサーたちの唄』
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
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■2021年11月25日(木)19時より

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沖縄県石垣島。
2019年3月より、陸上自衛隊ミサイル基地の建設工事が始まった。
島の中では様々な反対運動が起きる中、若きハルサー(農民)たちは住民投票運動を始めた。



■上映作品
『島がミサイル基地になるのか〜若きハルサーたちの唄』(2021年/日本/60分)
監督:湯本雅典
音楽:ハルサーズ
ナレーター:名川伸子
ピアノ演奏:本澤陽一

■作品解説
石垣島では2019年3月から陸上自衛隊ミサイル基地の建設工事が始まっている。
これに対し島の中では様々な反対運動が起きた。その中の一つ、島の若者たちが
始めた住民投票運動がある。この取り組みは2018年、 わずか1か月間で石垣市の
有権者の3分の1以上を集める成果をあげた。 しかし、 市議会は条例案を否決。
加えて石垣市には独自の自治基本条例で4分の1以上の請求で市長は所定の手続きを
経て住民投票を実施しなければならないとされているにもかかわらず、 それも市は無視した。

若者たちは裁判で住民投票の実施を求めたが、1審、2審で却下、棄却。門前払いであった。
日本政府が琉球弧を軸に日米一体の軍事戦略を展開、強化している中、憲法破壊、
地方自治破壊が日本の最西端の島ですすんでいる。カメラは、その中であくまでも対話を求め、
地方自治のあるべき姿を求める若者たちの生き方を追った。

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■日時
2021年11月25日(木)
18時30分/開場 19時/開始
上映後、監督の湯本雅典さんを交えたトーク&ディスカッションを予定。

■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分

■参加費
500円(介助者は無料/予約必須)

■予約方法
【お知らせ】11月9日、予約者数上限に達しましたので、予約受付を終了します。
以降はキャンセル待ちとなります。ご了承ください。


参加希望の方は、上映会前日の11月24日(水)19時までに
下記へ「お名前」「参加人数」「連絡先」をお伝えください。
→Eメール:jyouei@videoact.jp
→電話:045-228-7996(ローポジション気付)

■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
Eメール:jyouei@videoact.jp

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2021年10月30日

ウェブショップ新規登録作品のご案内

【VIDEO ACT WebSHOP】に新しい作品が登録されました。
11月3日に牛久市に「住井すゑ文学館」がオープンするとのことで、再び注目を集めている作品です。
https://city.ushiku.lg.jp/page/page010300.html
是非、チェックしてみて下さい!


『住井すゑ・百歳の人間宣言』
監督:橘 裕典/86分/2005年/制作:文エンタープライズ

大河小説「橋のない川」を書いた作家の住井すゑの生誕100周年を記念し、その執筆の中での出会いと交流のあった永六輔や山田洋次らの文化人、娘の増田れい子などのインタビューと共に、住井本人の多岐にわたる語りを構成したメッセージ。
http://videoact-shop.com/2021/861

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2021年09月15日

【報告文】第107回 VIDEO ACT! 上映会 〜あれから10年・福島県双葉町〜 

9月14日に「あれから10年・福島県双葉町」と題した上映会を行い、『原発の町を追われて・十年』(堀切さとみ監督)を上映しました。参加者は20名でした。
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 VIDEO ACT!では、これまで堀切監督の『原発の町を追われて』シリーズ3作品を上映してきました。本作は福島原発事故から10年という節目に製作された新作です。
 2011年3月11日に、福島原発で事故が起きた時、堀切さんはもの凄いショックを受けたそうです。そこに、堀切さんが住んでいた近くの埼玉県加須市にある旧騎西高校に福島県双葉町から住民が避難してきたことを知り、堀切さんはカメラを持って出かけ撮影を始めました。その記録が、『原発の町を追われて』シリーズ3作品になり、この新作につながることになりました。
 『原発の町を追われて・十年』は2021年3月、加須市に3.11のモニュメントが出来たシーンから始まります。加須市には現在も双葉町民約400名が暮らしています。
 少し時間は遡り、画面は2017年。双葉町では牛を飼っていた鵜沼久江さんは、一から勉強し野菜作りを始めました。支援してくれる人がいる反面、中には「双葉町に帰れ」と言われることもあるそうです。しかし、双葉町はほぼ全域がいまだに帰還困難区域とされ、帰りたくても帰れないのです。また補償金はもらっても、大切なのは人間再生だ、と鵜沼さんは語ります。
 堀切さんが最初から撮影してきた田中信一さんは、福島県郡山市に新しく家を建て、4世代で暮らし始めました。妻は、子供たちが双葉町から転校してきたということを言い出しにくい雰囲気があるけれど、私は双葉町から来たということを隠さず言う、と語ります。堀切さんは、田中さんが双葉町の家に行く際に同行し、フレコンパックが山積みにされた中間貯蔵の仮置き場や遺骨を移したお墓、イノシシが荒らした家などを目にすることになります。
 福島県浪江町に住む吉沢正巳さんは、希望の牧場を維持し殺処分に応じなかった牛を約300頭飼っています。鵜沼さんが飼っていた牛も預けてあります。希望の牧場の牛には、白い斑点が出た牛もいるそうですが、放射能との因果関係は、きちんと調査されなかったとのこと。
 少し時間が経ち、2019年2月。双葉町の田中さんの家が壊される日が近づいていました。田中さんは、諦めるまでには葛藤があった、と語ります。寂しいけど仕方がない、と。そして、埼玉県加須市では、双葉町住民による盆踊りがあり、風物詩になりつつありました。
 2020年2月。双葉町では中間貯蔵庫や双葉駅前の工事が進んでいました。掛け声だけの「復興五輪」の足音が近づいていました。3月14日には双葉駅がリニューアルオープン。しかし、双葉町住民はいません。9月には伝承館もオープン。
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 2021年3月25日。双葉町駅前での聖火リレー。希望の牧場の吉沢正巳さんは、「何が復興か!」と叫びながら車で通り過ぎます。住民を置き去りにした聖火リレーに白けた鵜沼さんは、希望の牧場に向かい、「牛を飼いたい」とつぶやきます。4月。鵜沼さんは見学者に自宅や牛舎を案内し、希望の牧場で鵜沼さんが飼っていた牛のハナに会います。静かなこのシーンに鵜沼さんのこの10年間が凝縮されているように思えました。
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 堀切さとみ監督が、この10年の節目に新たに作品を作ったのは、避難者の方々がどう生きているのか、知られていないと思ったからだそうです。そして、「10年で報道は終わるだろう」と言う避難者の方もいるそうですが、堀切さとみ監督は、これからも避難者の方との付き合いを続けていきたいと語っていました。
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(本田孝義)
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2021年09月14日

第107回 VIDEO ACT! 上映会 〜あれから10年・福島県双葉町〜 上映作品『原発の町を追われて・十年』

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■ 第107回 VIDEO ACT! 上映会 〜あれから10年・福島県双葉町〜
上映作品『原発の町を追われて・十年』
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
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■2021年9月14日(火)19時より

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さいたま市内の小学校で、給食調理員として働きながら
映像制作を続けている堀切さとみさん。

ビデオアクト上映会では『原発の町を追われて』シリーズの全作品3本
『原発の町を追われて 〜避難民・双葉町の記録』(2012年/56分)
『続・原発の町を追われて〜避難民・双葉町の記録』(2013年/25分)
『原発の町を追われて3〜双葉町・ある牛飼いの記録』(2017年/30分)
を上映してきた。

この夏に開催されたレイバー映画祭2021にて初上映され、
話題となった最新作『原発の町を追われて・十年』を上映する。

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■上映作品
『原発の町を追われて・十年』(2021年/日本/53分)
監督・編集・ナレーション:堀切さとみ
出演:鵜沼久江 田中信一 吉沢正巳 他
撮影:見雪恵美 馬場朋子 大久保千津奈 西中誠一郎
音楽:ファンテイル
スチール提供:針谷勉 稲葉孝之

■作品解説
福島第一原発事故によって7千人の町民が全国に散り散りになった双葉町。
10年たった今も帰還者はゼロだ。家屋は壊され中間貯蔵施設がそびえ立ち、
緑豊かな風景は一変した。30年は住めないと言われていた町が、来年には
帰れるようになるという。五輪を足掛かりにした復興は進むが、町民の思
いは複雑だ。避難して10年。原発の間近で暮らしてきた家族の軌跡をたどる。

■日時
2021年9月14日(火)
18時30分/開場 19時/開始
上映後、監督の堀切さとみさんを交えたトーク&ディスカッションを予定。

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■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分

■参加費
500円(介助者は無料/予約必須)

■予約方法
参加希望の方は、上映会前日の9月13日(月)19時までに
下記へ「お名前」「参加人数」「連絡先」をお伝えください。
→Eメール:jyouei@videoact.jp
→電話:045-228-7996(ローポジション気付)

■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
Eメール:jyouei@videoact.jp

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2021年07月25日

【報告文】第106回 ビデオアクト上映会 〜トランスジェンダーのリアル〜

第106回 ビデオアクト上映会 〜トランスジェンダーのリアル〜

上映作品『I AM Here−私たちはともに生きている−』
監督・主演:浅沼智也


 7月24日に行われた上映会は「トランスジェンダーのリアル」と題して、浅沼智也さん監督・主演の『I AM Here−私たちはともに生きている−』を上映しました。

 監督・主演の浅沼智也さん自身が、GID(性同一性障害)当事者であり、すでに手術を経て性別変更をすませています。

 そして「当事者の現状を多くの人に知ってもらい、より生きやすい社会になるようにしたい。孤立しがちな当事者に、決して一人ではないというメッセージを送りたい」という思いから、映画を製作する事にしたそうです。

 映画製作する事を決めてからは、父親ときちんと向き合って、今まで避けていた「セクシャリティの話」をきちんとしてみようと思い立ちました。

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 さらに、GD(性別違和)、トランスジェンダー(こころとからだの性が一致していない人)など、さまざまな人たちにもインタビューを行い、ドキュメンタリー映画をつくりあげました。

 日本では、2004年に、自分の性別が変更できる「GID特例法」が施行されました。しんかし、適用条件が高すぎることもあって、自らの性別変更を望んでも要件を満たすことができずにいる当事者がいます。

 こうした人たちに対する法整備や社会的なサポートは、海外に比べ日本は送れているそうです。
 この作品などを通じて、日本の法体系の壁に少しでも風穴をあけて、誰もが生きやすく・暮らしやすい世の中になればと思います。

(小林アツシ)

posted by VIDEO ACT! スタッフ at 11:18| VIDEO ACT! 主催 上映会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月24日

第106回 VIDEO ACT! 上映会 〜トランスジェンダーのリアル〜

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■ 第106回 VIDEO ACT! 上映会 〜トランスジェンダーのリアル〜
上映作品『I Am Here ─私たちはともに生きている─』
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
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■2021年7月24日(土)19時より

出生時の戸籍上の性別とは異なる性を自認する
トランスジェンダーの内面に迫るドキュメンタリー。
東京ドキュメンタリー映画祭2020 短編部門グランプリ受賞作品
上映する。

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■上映作品
『I Am Here ─私たちはともに生きている─』(2020年/日本/60分)
監督・主演:浅沼智也
出演:愛光/青木未央/和泉有紀/乾菜月/尾崎日菜子/
おすぎ純子/瞬/杉山文野/虎井まさ衛/中山美悠/畑野とまと/
三橋順子/ミムラ/宮田りりぃ/山本蘭

公式ウェブ:https://iamhere-trans.jp/



■作品解説
2004年、性別が変更できるGID特例法(性同一性障害者の性別の
取扱いの特例に関する法律)が施行された。
しかし、適用要件が高すぎることもあり、性別変更を望んでも
要件を満たすことができずにいる当事者も少なくない。
戸籍上の性別を変更できないことで、精神的な苦痛を生じたり、
社会生活をする上で偏見や差別にあうこともある。
監督自身の家族との関係やカミングアウトを含め、
性別に悩む様々な当事者達の想いを描く。

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■日時
2021年7月24日(土)
18時30分/開場 19時/開始
上映後、浅沼智也監督を交えたトーク&ディスカッションを予定。

■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分

■参加費
500円(介助者は無料/予約必須)

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■予約方法
参加希望の方は、上映会前日の7月23日(金)19時までに
下記へ「お名前」「参加人数」「連絡先」をお伝えください。
→Eメール:jyouei@videoact.jp
→電話:045-228-7996(ローポジション気付)

■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
Eメール:jyouei@videoact.jp

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2021年06月12日

ウェブショップ新規登録作品のご案内

【VIDEO ACT WebSHOP】に新しい作品が登録されました!
是非、チェックしてみて下さい。


『原発故郷3650日』
監督:島田陽磨/70分/2021年制作

福島第一原発の事故から10年。周辺地域には、新たな産業・スポーツ施設の建設が進み、道路の復旧などインフラの整備が着々と進められています。しかし、福島県では児童虐待などのDV被害の件数は震災前の10倍までに増加。若者の自殺率も全国1位になるなど、こころの傷はむしろ深くなっています。「原発故郷3650日」では、被災者の置かれた切実な現状やその背景、本来の復興の姿を伝えます。
※特典映像(19分)付
http://www.videoact-shop.com/2021/847
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『荒野に希望の灯をともす〜医師・中村哲 現地活動35年の軌跡』
監督:谷津賢二/88分/2021年制作

アフガニスタンとパキスタンで35年にわたり、病や戦乱、そして干ばつに苦しむ人々に寄り添いながら命を救い、生きる手助けをしてきた医師・中村哲。今、アフガニスタンに建設した用水路群の水が、かつての干ばつの大地を恵み豊かな緑野に変え、65万人の命を支えている。しかし、2019年12月。用水路建設現場へ向かう途中、中村医師は何者かの凶弾に倒れた。その突然の死は多くの人々に深い悲しみをもたらした。だが、一方で 私たちに強く問いかけもする。中村医師が命を賭して遺した物は何なのか、その視線の先に目指していたものは何なのか。中村哲が遺した文章と1000時間におよぶ記録映像をもとに、現地活動の実践と思索をひも解く。
http://www.videoact-shop.com/2021/856
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2021年05月16日

【報告文】第105回ビデオアクト上映会〜原発事故と有機農家〜

上映作品
『それでも種をまく』 制作:国際有機農業映画祭
『それでも種をまく 2019』 制作:国際有機農業映画祭


 5月11日、「原発事故と有機農家」と題された105回目のビデオアクト上映会が開催された。緊急事態宣言で人数制限された会場には、約20名の参加者が集まった。上映作品は、2011年3月11日の原発事故直後の有機農家を取材した『それでも種をまく』と、その8年後の彼女、彼らを追った『それでも種をまく 2019』の二本立てだった。

 この二本の作品の制作は、国際有機農業映画祭という全員ボランティアの市民グループ。有機農業や自然環境などに関心をもつ人々が集まり、毎年12月に映画祭を開催している。2011年3月の原発事故後、その年最初に開かれた映画祭の運営委員会で、メンバーの一人が言った。「有機農家は、“それでも種をまく”と言っている」。一同は驚いたが、「じゃあ、それを記録しよう!」という声があがった。映画を見せるのは“プロ”だが、作るのは“素人”の作品づくりが、こうして始まった。

 “素人”とは言え、もともと有機農業に関心があり、さまざまに活動に取り組んできた人たちの取材力は、映像の“プロ”以上だ。これまでのネットワークを活かしながら、苦境に追い込まれた農民たちの率直でリアルな言葉を拾い上げていく。

 「作付けして売れなかったら、それは作物で放射能を抜くというか、除染」と割り切り、福島にとどまって種をまく農民。福島をあきらめ、新しい地に移住した農民の不安と戸惑い。共同で放射能測定器を購入し、出荷する作物全てを自主検査する農民たち…

 有機農業は、生産者と地域、消費者、そして循環する生態系とのつながりの中にある。そのつながりを一瞬のうちに暴力的に断ち切った原発事故による放射能汚染。カメラは、そのつながりを取り戻そうと奮闘する人々の姿を丁寧に追い、8年後の取材では、次世代を担う若い有機農家も登場し、未来へとつなぐ。

 上映後は、映画祭の運営委員で、作品の撮影を担当された笠原眞弓さんにお話を伺った。笠原さんは、当初、「汚染された福島で野菜を作るなんて、信じられない…」と戸惑ったという。しかし、「なぜ、“それでも種をまく”のか?を批判しないで記録しよう」と心に決めた。その結果、それぞれの想いをつなぐ架け橋のような作品に仕上がったと思う。

 笠原さんは、福島にとどまった農家から麹を、新しい地に移った農家からは大豆を購入して、味噌を作っているという。旨そうだ。味わってみたい。
(土屋 豊)
posted by VIDEO ACT! スタッフ at 20:18| VIDEO ACT! 主催 上映会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月11日

第105回 VIDEO ACT! 上映会 〜原発事故と有機農家〜

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■ 第105回 VIDEO ACT! 上映会 〜原発事故と有機農家〜
上映2作品『それでも種をまく』『それでも種をまく 2019』
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
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■2021年5月11日(火)19時より

有機農業は、生命のつながりの中にある。
2011年3月11日。
福島第一原発事故とそれによる放射能汚染は、
その「つながり」を暴力的に断ち切り、福島や周辺の有機農家を苦境に追い込んだ。
痛みの中でも「つながり」を取り戻すための
種をまこうとしている人びとの姿を追う2作品を上映する。

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■上映2作品
『それでも種をまく』(2011 年/日本/24 分)
構成:小池菜採
撮影:笠原眞弓 堀 純司 中村易世
音楽:松島美毅子
制作:国際有機農業映画祭



有機農業は、生命のつながりの中にある。
生産者と消費者のつながり、生産者と地域のつながり、
そして、循環する生態系とのつながり。
しかし、福島第一原発事故とそれによる放射能汚染は、
こうしたつながりを暴力的に断ち切った。
その痛みの中で、なお「つながり」を取り戻すための
種をまこうとしている人びとの姿を追う。

【推薦文】秩父の小高い山の上に住んでいる。近所に97歳のばあちゃんがいて、
腰は90度に曲がっているが、足腰も耳も目も口も達者で、毎日畑にでて、
結構広い土地で見事な野菜を作る。おすそ分けでよくもらうので、4月のある日、
世間話をしながら一緒に草を取った。福島の話になり、あそこでは今、百姓はみんな
田にも畑にも出られなくて、といった。しばらく黙ったばあちゃんは、
ぽつりと「そんなことになったらおらあ死んじゃうな」とひとこと。
百姓はたとえ地球が壊れても畑に出る。
そんな想いを伝えたいと、映画祭運営委員みんなで、この映画をつくった。(大野和興)

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『それでも種をまく 2019』(2019年/日本/22分)
ナレーション:古田朋子
撮影:笠原眞弓
編集:堀 純司
制作:国際有機農業映画祭



2011年3月11日。
福島第一原発事故は福島や周辺の有機農家を苦境に追い込んだ。
その地に留まり農業を続けた農民。新しい地へ移住し、
その知識と技術を若い人たちに伝える農民。
共同で測定器を購入し放射能を測る農民。
それから8年余り経ち、放射能汚染の残る高線量地域への帰還も
始まっている今、農民たちのその後を追う。

■日時
2021年5月11日(火)
18時30分/開場 19時/開始
上映後、制作者を交えたトーク&ディスカッションを予定。

■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分

■参加費
500円(介助者は無料/予約必須)

■予約方法
参加希望の方は、上映会前日の5月10日(月)19時までに
下記へ「お名前」「参加人数」「連絡先」をお伝えください。
→Eメール:jyouei@videoact.jp
→電話:045-228-7996(ローポジション気付)

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2021年04月09日

報告文:第104回 VIDEO ACT! 上映会 〜追悼 映画批評家・木下昌明さん〜

3月30日(火)開催したビデオアクト上映会は、2020年12月6日未明に亡くなった映画批評家の木下昌明さんを追悼するかたちで行いました。木下さんは、直腸がんと前立腺がんを抱えながらも映画批評を続け、生前7冊の著書を発表。2003年より3分間ビデオ『娘の時間』『息子の場合』『三分間の履歴書』『育てる』など、15本の3分間ビデオを制作されてきました。木下さんはビデオアクトの上映会に何度も足を運んでいただきました。筆者をはじめ、何人もの映像制作者を励ましてくれました。

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当日の参加者は30名。コロナ禍のため、会場入場者数の上限が30名とされているため満席で、予約の申し出をいただきながらも、参加のお断りさせていただいた方が多数おられました。この場をお借りし、お詫び申し上げます。

「3分間以内であることが条件。プロやアマチュアに関わらず、誰でも何でも表現してよい」というのが3分間ビデオのコンセプト。この企画は1999年の山形国際ドキュメンタリー映画祭へ、ビデオアクトとして参加する際に「誰もが応募できるオムニバス企画をやろうよ」と、ビデオプレスの松原明さんが発案しました。その後、ビデオアクトでは不定期ながら、10回の3分間ビデオ・オムニバス企画を実施。2002年よりスタートしたレイバーフェスタ(レイバーネット日本主催)でも、3分間ビデオのコーナーは欠かせないものとして定着しています。

「働きすぎの娘の身が心配で、証拠映像として撮りためた映像素材がある。これを3分間ビデオにまとめたい」
長年の友人である松原さんに相談したことから、木下さんの3分間ビデオ制作が始まったといいます。
「アドバイスはしたが、構成については木下さん自身が綿密な構成表を用意するので、いつもそれを元に編集していた」と上映後のトークで松原さんは制作の状況を明らかにしました。

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「人生とは時間だ」が口ぐせだった木下さん。膨大な映画鑑賞と批評、知識を通し、生活者や労働者の視点を頑なに守り、社会や医療を捉えた映像群。プライベートな映像が軸だからこそ、木下さんの人生哲学が滲んだ映像は、まるで走馬灯のように広がります。さらにユーモアとロマンも上品に添えられ、実に濃密で味わい深いものです。ついに、木下昌明監督作品の映画が誕生したのです。今回の上映会用に一本化し『映画批評家の冒険』と名付け構成したのは筆者です。タイトルは木下さんの最初の著書『映画批評の冒険』より引用しました。

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最後に。木下昌明さん、私はあなたを父親のように慕わせていただきました。あなたの勇気と知恵を習って、私も生きていきます。ありがとうございました。(土屋トカチ)

DVD『映画批評家の冒険』は、ビデオアクトのSHOPページにて頒布中です。
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